指数法則とは?公式・証明や、分数・ルートを含む計算問題

この記事では、「指数法則」の公式や意味をできるだけわかりやすく解説していきます。

指数法則の証明や、分数やルートを含む計算問題の解き方も紹介していきますので、この記事を通してぜひマスターしてくださいね。

 

指数とは?

指数(しすう)とは、同じ数を繰り返しかける計算「べき乗」で「かける回数」のことです。

指数

「\(x\) を \(n\) 回かける」計算をべき乗といい、

\(\color{red}{x^n}\)(\(x\) の \(n\) 乗)

と表す。

右上の \(n\) を「指数」、繰り返しかける数 \(x\) を「底(てい)」と呼ぶ。

(例) \(3^4\)

 

意味:\(3\) を \(4\) 回かけた数

用語:底 \(3\)、指数 \(4\)

計算:\(3^4 = 3 \times 3 \times 3 \times 3 = 81\)

このように、べき乗において「底を何回かけた数か?」を表すのが指数なのですね。

 

指数法則

指数には、どんな指数においても成り立つ計算法則があり、指数法則と呼ばれます。

具体的には次のような法則です。

指数法則

\(a\), \(b\) が \(0\) でない実数、\(m\), \(n\) が整数のとき、以下が成り立つ。

 

① \(\color{red}{a^m \times a^n = a^{m + n}}\)

 

② \(\color{red}{a^m \div a^n = a^{m − n}}\)

 

③ \(\color{red}{(a^m)^n = a^{mn}}\)

 

④ \(\color{red}{(ab)^m = a^m b^m}\)

 

⑤ \(\color{red}{\displaystyle \left( \frac{b}{a} \right)^m = \frac{b^m}{a^m}}\)

 

 

また、\(a\), \(b\) が \(0\) でない実数、\(k\), \(l\) が自然数のとき、以下が成り立つ。

⑥ \(\color{red}{\displaystyle a^{−k} = \frac{1}{a^k}}\)

 

⑦ \(\color{red}{a^{\frac{k}{l}} = \sqrt[l]{a^k}}\)

 

なお、\(\color{red}{a^0 = 1}\)

 

累乗根(\(n\) 乗根)

\(\bf{\sqrt[n]{a}}\) を累乗根(\(n\) 乗根)といい、「\(n\) 回かけると \(a\) になる数」を表す。

通常 \(\sqrt{a}\) と書かれた場合、それは二乗根(\(2\) 回かけると \(a\) になる数)を表す(\(\sqrt[2]{a}\) の \(2\) を省略)。

中学ではじめて習う指数ですが、指数法則の中の \(a^{−n}\) や \(a^{\frac{1}{n}}\) など、正の整数以外の指数はなかなか見慣れていないと思います。

指数への理解を深めるために、次の章で指数法則がどのように導かれるのかを見ていきましょう。

 

指数法則の証明

指数法則はなぜ成り立つのでしょうか。

それは「指数とは何だったか?」を思い出すことで導けます。

指数法則①、② の証明(指数の積と商)

以下の指数法則を証明します。

指数の積と商(指数法則①、②)

\(a\), \(b\) が \(0\) でない実数、\(m\), \(n\) が整数のとき、

① \(\color{red}{a^m \times a^n = a^{m + n}}\)

② \(\color{red}{a^m \div a^n = a^{m − n}}\)

 

\(a^m\) は「\(a\) を \(m\) 回かけた数」、\(a^n\) は「\(a\) を \(n\) 回かけた数」ですね。

よって、 \(a^m \times a^n\) が「\(a\) を何回かけた数か」を考えると、それは \(\bf{m + n}\) とわかります。

同様に、 \(a^m \div a^n\) は \(a\) を \(\bf{m − n}\) かけた数です。

 

例を見てみましょう。

\(a^5 \times a^2\)

\(= (a \times a \times a \times a \times a) \times (a \times a)\)

\(= a \times a \times a \times a \times a \times a \times a\)

\(= a^7\)

 

\(a^5 \div a^2\)

\(= (a \times a \times a \times a \times a) \div (a \times a)\)

\(= a \times a \times a\)

\(= a^3\)

 

よって、

\(a^5 \times a^2 = a^{5 + 2} = a^7\)

\(a^5 \div a^2 = a^{5 − 2} = a^3\)

このように、\(a\) が \(0\) でない実数、\(m\), \(n\) が整数であれば、指数法則

① \(\color{red}{a^m \times a^n = a^{m + n}}\)

② \(\color{red}{a^m \div a^n = a^{m − n}}\)

が成り立ちます。

 

指数法則③、④、⑤の証明(指数の分配法則)

以下の指数法則を証明します。

指数の分配法則(指数法則③、④、⑤)

\(a\), \(b\) が \(0\) でない実数、\(m\), \(n\) が整数のとき、

③ \(\color{red}{(a^m)^n = a^{mn}}\)

④ \(\color{red}{(ab)^m = a^m b^m}\)

⑤ \(\color{red}{\displaystyle \left( \frac{b}{a} \right)^m = \frac{b^m}{a^m}}\)

 

指数法則③〜⑤は、「何を何回かけた数なのか」に着目すると証明できます。

指数法則③

\((a^m)^n\) は \(a^m\) を \(n\) 回かけた数なので、指数法則① \(a^m \times a^n = a^{m + n}\) から

\(\begin{align} (a^m)^n &= a^m \times a^m \times \cdots \times a^m \\ &= a^{m + m + \cdots + m} \\ &= a^{mn} \end{align}\)

 

指数法則④

\((ab)^m\) は \(ab\) を \(m\) 回かけた数なので、

\((ab)^m\)

\(= ab \times ab \times \cdots \times ab\)

\(= (a \times a \times \cdots \times a) \times (b \times b \times \cdots \times b)\)

\(= a^m b^m \)

 

指数法則⑤

\(\displaystyle \left( \frac{b}{a} \right)^m\) は \(\displaystyle \frac{b}{a}\) を \(m\) 回かけた数なので、

 

\(\begin{align} \left( \frac{b}{a} \right)^m &= \frac{b}{a} \times \frac{b}{a} \times \cdots \times \frac{b}{a} \\ &= \frac{b \times b \times \cdots \times b}{a \times a \times \cdots \times a} \\ &= \frac{b^m}{a^m} \end{align}\)

 

よって、 \(a\) が \(0\) でない実数、 \(m\), \(n\) が整数であれば、指数法則

③ \(\color{red}{(a^m)^n = a^{mn}}\)

④ \(\color{red}{(ab)^m = a^m b^m}\)

⑤ \(\color{red}{\displaystyle \left( \frac{b}{a} \right)^m = \frac{b^m}{a^m}}\)

が成り立ちます。

 

指数法則⑥の証明(負の指数)

以下の指数法則を証明します。

負の指数(指数法則⑥)

\(a\), \(b\) が \(0\) でない実数、\(k\), \(l\) が自然数のとき、

\begin{align}\color{red}{\displaystyle a^{−k} = \frac{1}{a^k}}\end{align}

 

指数法則⑥は、実は法則というよりも定義です。

昔の数学者は、「\(a\) のマイナス乗をどのように定めたら良いかな?」と考えました。

そして、試行錯誤を経て「\(a^{−k}\) は \(\displaystyle \frac{1}{a^k}\) と定義するのが妥当だ」という結論にたどり着きます。

それが広く認知されるようになり、指数法則⑥が定義されました。

 

なぜ \(\displaystyle a^{−k} = \frac{1}{a^k}\) が妥当なのでしょうか。

その秘密は指数法則①に隠されています。

 

指数法則①で \(m = 0\) や \(m = −n\) (\(n\) は自然数) の場合を考えてみましょう。

指数法則① \(a^m \times a^n = a^{m + n}\) において \(m = 0\) としてみると、

\(a^0 \times a^n = a^{0 + n}\)

より、

\(a^0 \times a^n = a^n\)

 

よって \(\color{red}{a^0 = 1}\) 

 

 

続いて、指数法則① \(a^m \times a^n = a^{m + n}\) において \(m = −n\) (\(n\) は自然数) としてみると、

\(\begin{align} a^{−n} \times a^n &= a^{−n + n} \\ &= a^0 \\ &= 1 \end{align}\)

より

\(a^{−n}\) は \(a^n\) の逆数である。

 

したがって、

\(\color{red}{\displaystyle a^{−n} = \frac{1}{a^n}}\) (\(n\) は自然数)

 

このように、\(a\) が \(0\) でない実数、\(k\) が自然数であれば、指数法則

⑥ \(\color{red}{\displaystyle a^{−k} = \frac{1}{a^k}}\)

が成り立ちます。

 

指数法則⑦の証明(累乗根)

以下の指数法則を証明します。

累乗根(指数法則⑦)

\(a\), \(b\) が \(0\) でない実数、\(k\), \(l\) が自然数のとき、

\begin{align}\color{red}{a^{\frac{k}{l}} = \sqrt[l]{a^k}}\end{align}

 

\(\sqrt[l]{a^k}\) の意味は「\(l\) 回かけると \(a^k\) になる数」でしたから、⑦を示すには「\(a^{\frac{k}{l}}\) を \(l\) 乗したら \(a^k\) になること」が示せばよいですね。

指数法則③ \((a^m)^n = a^{mn}\) より

\((a^{\frac{k}{l}})^l = a^{\frac{k}{l} \times l} = a^k\)

となるので、\(a^{\frac{k}{l}}\) を \(l\) 乗すると確かに \(a^k\) になります。

 

したがって、\(a\) が \(0\) でない実数、\(k\), \(l\) が自然数であれば、指数法則

⑦ \(\color{red}{a^{\frac{k}{l}} = \sqrt[l]{a^k}}\)

が成り立ちます。

 

指数法則の計算問題

それでは、指数法則を使って計算問題を解いてみましょう。

計算問題①「指数法則の利用」

計算問題①

次の計算をしてください。

(1) \(3^2 \times 3^3\)

(2) \((3^2)^3\)

(3) \(5^{−3}\)

(4) \(13^{\frac{2}{3}}\)

 

指数法則に従って計算します。

解答

 

(1) 指数法則① \(a^m \times a^n = a^{m + n}\) より

\(\begin{align} 3^2 \times 3^3 &= 3^{2 + 3} \\ &= 3^5 \\ &= 243 \end{align}\)

 

答え: \(243\)

 

 

(2) 指数法則③ \((a^m)^n = a^{mn}\) より

\(\begin{align} (3^2)^3 &= 3^{2 \times 3} \\ &= 3^6 \\ &= 729 \end{align}\)

 

答え: \(729\)

 

 

(3) 指数法則⑥ \(\displaystyle a^{−k} = \frac{1}{a^k}\) より

\(\begin{align} 5^{−3} &= \frac{1}{5^3} \\ &= \frac{1}{125} \end{align}\)

 

答え: \(\displaystyle \frac{1}{125}\)

 

 

(4) 指数法則⑦ \(a^{\frac{k}{l}} = \sqrt[l]{a^k}\) より

\(\begin{align} 13^{\frac{2}{3}} &=  \sqrt[3]{13^2} \\ &= \sqrt[3]{169} \end{align}\)

 

答え: \(\sqrt[3]{169}\)

 

計算問題②「分数の指数、ルート(二重根号)を含む計算」

それでは、もう少し複雑な計算問題にもチャレンジしてみましょう!

計算問題②

次の計算をしてください。

(1) \(\displaystyle \left( \frac{1}{3} \right)^3 \times 3^5 \div 3^2\)

 

(2) \(\displaystyle \left( \frac{x^2}{y} \right)^3 \times \left( \frac{x}{y^3} \right)^{−1} \div \left( \frac{x}{y} \right)^2\)

 

(3) \(\sqrt[3]{\sqrt{216}} \times \sqrt[3]{36} \div \sqrt[6]{5}\)

 

指数法則を活用してべき乗の底がそろうように変形すると、計算を進めることができます。

解答

 

(1)

\(\begin{align} & \left( \frac{1}{3} \right)^3 \times 3^5 \div 3^2 \\ &= \frac{1^3}{3^3} \times 3^5 \times \frac{1}{3^2} \\ &= \frac{3^5}{3^3 \times 3^2} \\ &= \frac{3^5}{3^5} \\ &= 1 \end{align}\)

 

答え: \(1\)

 

 

(2)

\(\begin{align} & \left( \frac{x^2}{y} \right)^3 \times \left( \frac{x}{y^3} \right)^{−1} \div \left( \frac{x}{y} \right)^2 \\ &= \frac{x^6}{y^3} \times \frac{y^3}{x} \div \frac{x^2}{y^2} \\ &= \frac{x^6}{y^3} \times \frac{y^3}{x} \times \frac{y^2}{x^2} \\ &= \frac{x^6 \times y^3 \times y^2}{y^3 \times x \times x^2} \\ &= x^3 \times y^2 \\ &= x^3 y^2 \end{align}\)

 

答え: \(x^3 y^2\)

 

 

(3)

\(\begin{align} \sqrt[3]{\sqrt{216}} &= \sqrt[3]{\sqrt{6^3}} \\ &= \sqrt[3]{6^{\frac{3}{2}}} \\ &= (6^{\frac{3}{2}})^{\frac{1}{3}} \\ &= 6^{\frac{3}{2} \times \frac{1}{3}} \\ &= 6^{\frac{1}{2}} \end{align}\)

 

\(\begin{align} \sqrt[3]{36} &= (36)^{\frac{1}{3}} \\ &= (6^2)^{\frac{1}{3}} \\ &= 6^{\frac{2}{3}} \end{align}\)

 

\(\sqrt[6]{5} = 5^{\frac{1}{6}}\)

 

と計算できるので、

 

\(\sqrt[3]{\sqrt{216}} \times \sqrt[3]{36} \div \sqrt[6]{5}\)

\(= 6^{\frac{1}{2}} \times 6^{\frac{2}{3}} \div 5^{\frac{1}{6}}\)

\(= 6^{\frac{1}{2} + \frac{2}{3}} \div 5^{\frac{1}{6}}\)

\(\displaystyle = \frac{6^{\frac{7}{6}}}{5^{\frac{1}{6}}}\)

( \(\displaystyle = \frac{6\sqrt[6]{6}}{\sqrt[6]{5}}\) )

( \(\displaystyle = \frac{6\sqrt[6]{6} \sqrt[6]{5^5}}{5}\) )

( \(\displaystyle = \frac{6\sqrt[6]{6 \times 5^5}}{5}\) )

( \(\displaystyle = \frac{6\sqrt[6]{18750}}{5}\) )

 

答え: \(\displaystyle \frac{6^{\frac{7}{6}}}{5^{\frac{1}{6}}}\)(または \(\displaystyle \frac{6\sqrt[6]{18750}}{5}\) )

以上で計算問題も終わりです!

 

指数法則は、高校数学で習う対数関数、数列などの単元では理解できていることが前提となる大変重要な法則です。

指数法則を使って、目的に応じた式変形ができるように慣れていきましょう!

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