余事象とは?記号・意味・公式や、余事象の確率の問題

この記事では、場合の数と確率で登場する「余事象」について、わかりやすく解説していきます。

余事象の記号・意味・公式や、確率の問題もていねいに説明していくので、ぜひこの記事を通してマスターしてくださいね!

 

余事象とは?

余事象とは、ある事象に対してそれが起こらない事象のことをいいます。

 

余事象の記号

余事象は、元の事象のアルファベットの上にハイフン記号をつけて表します。

余事象の記号

事象 \(A\) に対して、\(A\) が起こらない事象を \(A\) の余事象といい、「\(\color{red}{\bar{A}}\)」 で表す。

集合で考えると、集合 \(A\) の補集合 \(\bar{A}\) のことですね。

 

余事象の例

余事象の例をいくつか見てみましょう。

(例)

  • 事象 \(A\) :
    サイコロをふって偶数の目が出る
    余事象 \(\bf{\color{salmon}{\bar{A}}}\)
    サイコロをふって偶数の目が出ない
    = サイコロをふって奇数の目が出る
  • 事象 \(B\) :
    コインを投げて表が出る
    余事象 \(\bf{\color{salmon}{\bar{B}}}\)
    コインを投げて表が出ない
    = コインを投げて裏が出る

 

余事象が使えるとき

余事象の考え方は、ある事象の場合の数(確率)よりもその余事象の場合の数(確率)を求める方が楽なときにとても有効です。

また、問題文に次のようなキーワードがあるときには、余事象の考え方が使える可能性大です!

  • 「少なくとも」
  • 「〜ない」

 

余事象の場合の数の公式

ここでは、場合の数における余事象の公式を示します。

余事象の場合の数

全事象 \(U\) のうち、事象 \(A\) が起こる場合の数を \(n(A)\) とすると、余事象 \(\bar{A}\) について

\begin{align}\color{red}{n(\bar{A}) = n(U) − n(A)}\end{align}

が成り立つ。

すべての場合の数から事象 \(A\) が起こる場合の数を引けば、余事象 \(\bar{A}\) の場合の数が求められます。

 

余事象の例題

それでは例題を用いて、この公式の使い方を確認してみましょう。

例題

大中小 \(3\) 個のサイコロをふるとき、少なくとも \(1\) 個は \(4\) の目が出る場合は何通りか求めなさい。

 

「少なくとも \(1\) 個は \(4\) の目が出る 」を真面目に考えると、大だけが \(4\) の目の場合、中と小が \(4\) の目の場合…など、いろんな場合に分けて考える羽目になります。

これは大変ですよね。

 

このようなときに、余事象の考え方を利用します。

「少なくとも \(1\) 個は \(4\) の目が出る 」の余事象は、「\(\bf{1}\) 個も \(\bf{4}\) の目が出ない」ですね。

これなら、場合分けして考える必要がなさそうです!

 

それでは、すべての場合の数と、\(1\) 個も \(4\) の目が出ない場合の数を調べてみましょう。

そのあとは、余事象の公式にしたがって答えを求めるだけです。

解答

 

大中小のサイコロの目の出方のすべての場合の数は、

\(6 \times 6 \times 6 = 216\) (通り)

 

\(1\) 個も \(4\) の目が出ない、つまり、大中小のサイコロの目が \(1\), \(2\), \(3\), \(5\), \(6\) のどれかになる場合の数は、

\(5 \times 5 \times 5 = 125\) (通り)

 

(少なくとも \(1\) 個は \(4\) の目が出る場合の数) = (すべての場合の数) − (\(1\) 個も \(4\) の目が出ない場合の数)

であるから、求める場合の数は

\(216 − 125 = 91\)

 

答え: \(\color{red}{91}\)(通り)

 

余事象の確率の公式

続いて、確率における余事象の公式です。

余事象の確率

ある事象 \(A\) の確率を \(P(A)\)、その余事象の確率を \(P(\bar{A})\) とすると、

\begin{align}\color{red}{P(\bar{A}) = 1 − P(A)}\end{align}

確率全体 (\(1\)) から、事象 \(A\) が起こる確率を引けば、余事象 \(\bar{A}\) の確率が求められます。

 

余事象の練習問題

それでは、余事象の練習問題を解いていきましょう!

練習問題①「2 個のサイコロの目の和が 9 以下」

練習問題①

大小 \(2\) 個のサイコロをふるとき、目の和が \(9\) 以下になる場合の数を求めなさい。

 

\(2\) 個のサイコロの目の和は \(2\) ~ \(12\) の数になるので、目の和が \(9\) 以下になる場合の数はとても多いことがわかります。

余事象の考え方を利用して、計算を楽にしましょう!

解答

 

「目の和が \(9\) 以下になる場合」の余事象は、「目の和が \(10\) 以上になる場合」である。

 

\(2\) 個のサイコロの目の出方の総数は、

\(6 \times 6 = 36\) (通り)

 

目の和が \(10\) 以上になる場合の数は、以下の表より

\(6\) (通り)

 

よって、目の和が \(9\) 以下になる場合の数は、

\(36 − 6 = 30\) (通り)

 

答え: \(\color{red}{30}\) 通り

 

練習問題②「コイン 3 枚の少なくとも 1 枚が表」

練習問題②

表の出る確率が \(\displaystyle \frac{1}{2}\) であるコインを \(3\) 枚投げるとき、少なくとも \(1\) 枚表が出る確率を求めなさい。

 

「少なくとも~」というキーワードがありますね!

余事象の考え方を利用して解きましょう。

解答

 

「少なくとも \(1\) 枚表が出ること」は、「 \(1\) 枚も表が出ないこと」の余事象である。

\(1\) 枚も表が出ない確率は、

\(\displaystyle \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{8}\)

 

したがって、少なくとも \(1\) 枚表が出る確率は

\(\displaystyle 1 − \frac{1}{8} = \frac{7}{8}\)

 

答え: \(\color{red}{\displaystyle \frac{7}{8}}\)

以上で練習問題も終わりです!

 

余事象の考え方さえ理解しておけば、公式は意識して覚えるまでもないですね。

しっかりと復習しておきましょう!

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