この記事では、「不定方程式」についてわかりやすく解説していきます。
不定方程式の種類別の解き方や整数解(特殊解)の見つけ方を説明していきますので、ぜひこの記事を通してマスターしてくださいね。
目次
不定方程式とは?
不定方程式とは、方程式の数よりも未知数の数が多く、解が無数に存在する方程式です。
不定方程式の問題では、解の範囲が整数解に限定されたものが多いです。
一般解と特殊解
不定方程式において、解がいくつあっても一般的に成り立つ解を「一般解」、解のうち与えられた条件を満たす具体的な解を「特殊解」といいます。
問題文ではさまざまに表現されるので、何を聞かれているかわかるようにしておきましょう!
(例)
- 「〜整数 \(x, y\) の組を求めよ」「〜整数 \(x, y\) をすべて求めよ」「〜整数 \(x, y\) の一般解を求めよ」「〜の整数解を求めよ」
→ 整数解の一般解を示す - 「〜整数 \(x, y\) の組を \(1\) つ求めよ」「〜整数 \(x, y\) の特殊解 \(1\) つを求めよ」
→ 整数解の任意の特殊解を \(1\) つ示す
不定方程式の種類と解き方
ここでは、よく出る代表的な不定方程式の種類を紹介します。
二元一次不定方程式
未知数が \(2\) 種類で、次数が \(1\) の不定方程式を「二元一次不定方程式」と言います。
\(a, b, c\) を定数とすると、
\begin{align}ax + by = c\end{align}
(ただし、\(a \neq 0, b \neq 0\))
二元一次不定方程式には、大きく次の \(3\) つの解き方があります。
- 【共通因数型】
\(a, b, c\) のうち \(2\) つ以上に共通因数が隠れているタイプ
→ 両辺に積の形を作る! - 【\(ax + by = 1\) 型】
\(a, b\) が互いに素、かつ \(c = 1\) であるタイプ
→ 特殊解を \(1\) つ見つける! - 【\(ax + by = c\) 型】
\(a, b\) が互いに素、かつ \(c \neq 1\) であるタイプ
→ \(ax + by = 1\) の特殊解を \(c\) 倍する!
それぞれの解き方はリンク先で詳しく説明します。
二元二次不定方程式
未知数が \(2\) 種類で、次数が \(2\) の不定方程式を「二元二次不定方程式」と言います。
\(a, b, c, d, e, f\) を定数とすると、
\begin{align}ax^2 + bxy + cy^2 + dx + ey + f = 0\end{align}
(\(a, b, c\) のいずれかが \(0\) でない)
二元二次不定方程式には、大きく次の \(3\) つの解き方があります。
- 【\(axy + bx + cy + d = 0\) 型】
二次の項が \(xy\) のみのタイプ
→ 無理やり因数分解する! - 【\(ax^2 + bxy + cy^2 + dx + ey + f = 0\) 型】
二次の項に \(x^2, xy, y^2\) があるタイプ
(i) 二次の項が因数分解できる場合
→ 無理やり因数分解する!
(ii) 二次の項が因数分解できない場合
→ 判別式を利用する!
それぞれの解き方はリンク先で詳しく説明します。
対称式・分数型の不定方程式
変数を入れ替えても成り立つような対称性をもつ不定方程式です。
分数式が出てくるものに多いですね。
(例)
\begin{align}x + y + z = xyz\end{align}
\begin{align}\displaystyle \frac{1}{x} + \frac{1}{y} + \frac{1}{z} = n\end{align}
対称式・分数型の不定方程式は、「文字に大小関係を設定する」のがポイントです。
解き方はリンク先で詳しく説明します。
【共通因数型】両辺を積で表す!
二元一次不定方程式 \(ax + by = c\) において共通因数をもつ項がある場合、両辺に積の形を作るとうまくいきます。
解が整数と限定されていれば、積の因数の組み合わせが絞り込みやすいからです。
\(3x + 4y = 15\) を満たす整数 \(x, y\) をすべて求めよ。
\(3x\) と \(15\) を共通因数 \(3\) でくくれますね。
\(3x + 4y = 15\) より \(4y = 3(5 − x)\)
\(4, 3\) は互いに素であるから、整数 \(k\) を用いて
\(\left\{\begin{array}{l}y = 3k\\5 − x = 4k\end{array}\right.\)
と表せる。
したがって
答え: \(\color{red}{\left\{\begin{array}{l}x = −4k + 5\\y = 3k\end{array}\right.}\) (\(\color{red}{k}\):整数)
【\(\bf{ax + by = 1}\) 型】特殊解を見つける!
互いに素な \(2\) 数には、以下の重要な性質が成り立ちます。
このことを利用すると、\(ax + by = 1\) 型は次の手順で解くことができます。
\(ax + by = 1\) かつ \(a, b\) が互いに素である場合、次の手順で一般解が求められる。
- 特殊解 \((x_0, y_0)\)(具体的な \(1\) 組の整数解)を見つける
- \(ax + by = 1\) と \(ax_0 + by_0 = 1\) の辺々を引く
- \(a, b\) が互いに素であることを利用し、一般解を求める
特殊解は、直感で見つけられる場合(例題①)と、ユークリッドの互除法で見つける場合(例題②)の \(2\) 通りがあります。
反対に、\(a, b\) が互いに素でない場合は整数解が存在しないことがあります。
(例)
\(4x + 10y = 1\) の整数解
→ \(2(2x + 5y) = \text{(偶数)}\) より、これを満たす整数解 \(x, y\) は存在しない
例題①「直感で見つける」
\(4x + 5y = 1\) の整数解を求めよ。
まずは特殊解を見つけます(手順1)。
この問題のように、係数 \(a, b\) が小さい場合は直感で簡単に見つけられますね。
\(4x + 5y = 1\) の \(1\) 組の整数解は
\((x, y) = (−1, 1)\)
続いて、元の式から、先ほどの特殊解を代入した式を引きます(手順2)。
\(\begin{array}{rr}& 4x + 5y = 1\\ −) &4(−1) + 5 \cdot 1 = 1 \\ \hline &4(x + 1) + 5(y − 1) = 0 \end{array}\)
よって
\(4(x + 1) = −5(y − 1)\)
あとは、一般解を表すだけです(手順3)。
\(4\) と \(−5\) は互いに素なので、\((x + 1)\) は \(−5\) の倍数、\((y − 1)\) は \(4\) の倍数でないといけませんね。
これを、任意の整数を用いて表現しましょう(\(k, m\) など、なんでもOK)。
\(4(x + 1) = −5(y − 1)\)
\(4\) と \(−5\) は互いに素なので、整数 \(k\) を用いて
\(\left\{\begin{array}{l}x + 1 = −5k\\y − 1 = 4k\end{array}\right.\)
と表せる。
したがって、\(4x + 5y = 1\) を満たす整数解は
答え: \(\color{red}{\left\{\begin{array}{l}x = −5k − 1\\y = 4k + 1\end{array}\right.}\) (\(\color{red}{k}\):整数)
\(ax + by = 1\) 型では、直感で特殊解を見つけられることが意外と多いです。
係数が大きい場合でも、一度検討してみる価値はあるでしょう。
(例)
- \(40x + 13y = 1\)(\(x = 1, y = −3\))
- \(17x − 35y = 1\)(\(x = −2, y = −1\))
- \(24x − 95y = 1\)(\(x = 4, y = 1\))
例題②「ユークリッドの互除法で見つける」
次は、センター試験にも出たことがある問題です。
不定方程式 \(92x + 197y = 1\) を満たす整数 \(x, y\) の組を求めよ。
係数が大きく、直感で特殊解を探すのが難しそうですね。
このようなときには、ユークリッドの互除法を使って特殊解を求めます(手順1)。
\(92x + 197y = 1\) …① とする。
\(92, 197\) について、ユークリッドの互除法より
\(197 \div 92 = 2 \cdots 13\) …②
\(92 \div 13 = 7 \cdots 1\) …③
②より、\(197 − 92 \times 2 = 13\) …②’
③より、\(92 − 13 \times 7 = 1\) …③’
③’に②’を代入
\(92 − (197 − 92 \times 2) \times 7 = 1\)
\(92 − (197 \times 7 − 92 \times 2 \times 7) = 1\)
\(92 − 197 \times 7 + 92 \times 14 = 1\)
\(92 \times 15 + 197 \times (− 7) = 1\) …④
よって、\(92x + 197y = 1\) の \(1\) 組の整数解は
\((x, y) = (15, −7)\)
「ユークリッドの互除法」のやり方については、以下の記事で説明しています。
ユークリッドの互除法とは?証明ややり方をわかりやすく解説!
あとは例題①と同じですね。
元の式から今求めた特殊解を代入した式を引きます(手順2)。
\(\begin{array}{rr}&92x + 197y = 1 \\ −) & 92 \cdot 15 + 197(−7) = 1\\ \hline &92(x − 15) + 197(y + 7) = 0 \end{array}\)
最後に、一般解を求めれば完了です(手順3)。
\(92(x − 15) + 197(y + 7) = 0\)
\(92\) と \(197\) は互いに素なので、\(k\) を任意の整数とすると、
\(\left\{\begin{array}{l}x − 15 = 197k\\y + 7 = − 92k\end{array}\right.\)
と表せる。
したがって、
答え: \(\color{red}{\left\{\begin{array}{l}x = 197k + 15\\y = −92k − 7\end{array}\right.}\) (\(\color{red}{k}\):整数)
【\(\bf{ax + by = c}\) 型】\(\bf{ax + by = 1}\) の特殊解を \(\bf{c}\) 倍する!
\(ax + by = c\) 型の場合は、次の手順で解くことができます。
\(ax + by = c\) かつ \(a, b\) が互いに素である場合、次の手順で一般解が求められる。
- \(ax + by = 1\) の特殊解 \((x_0, y_0)\) を見つける
- \(ax_0 + by_0 = 1\) の両辺を \(c\) 倍し、\(ax + by = c\) から引く
- \(a, b\) が互いに素であることを利用し、一般解を求める
\(a, b\) が互いに素であれば、\(ax + by = 1\) の整数解が必ず存在するのでした。
したがって、\(ax + by = 1\) の特殊解を \(c\) 倍してあげたものは必ず \(ax + by = c\) の特殊解になりますね。
例題を見てみましょう。
\(51x − 25y = 19\) の整数解を求めよ。
まずは、\(51x − 25y = 1\) の特殊解を求めます(手順1)。
\(51x − 25y = 1\) の \(1\) 組の整数解は
\((x, y) = (1, 2)\)
よって
\(51 \cdot 1 − 25 \cdot 2 = 1\)
求めた値を代入した式を \(19\) 倍し、元の式から引きましょう(手順2)。
\(51 \cdot 1 − 25 \cdot 2 = 1\) の両辺を \(19\) 倍して
\(51 \cdot 19 − 25 \cdot 38 = 19\)
よって \(51x − 25y = 19\) の特殊解は
\((x, y) = (19, 38)\)
\(\begin{array}{rr}&51x − 25y = 19 \\ −) &51 \cdot 19 − 25 \cdot 38 = 19 \\ \hline &51(x − 19) − 25(y − 38) = 0 \end{array}\)
最後に、一般解を求めれば完了です(手順3)。
\(51(x − 19) = 25(y − 38)\) より、
\(51\) と \(25\) は互いに素であるから、整数 \(k\) を用いて
\(\left\{\begin{array}{l}x − 19 = 25k\\y − 38 = 51k\end{array}\right.\)
と表せる。
したがって
答え: \(\color{red}{\left\{\begin{array}{l}x = 25k + 19\\y = 51k + 38\end{array}\right.}\) (\(\color{red}{k}\):整数)
二元一次不定方程式は、「合同式」を利用して解くこともできます。
以下の記事で、同じ問題を合同式で解いているので確認してみてください!
合同式(mod)とは?性質の証明や計算問題の解き方※ ただし、合同式をしっかり理解しないで利用するのはオススメできません。
【\(\bf{axy + bx + cy + d = 0}\) 型】無理やり因数分解する!
\(axy + bx + cy + d = 0\) 型は、無理やり \((x \ \text{の一次式}) \cdot (y \ \text{の一次式}) = (\text{定数})\) の形に因数分解します。
そうすると、左辺の因数が右辺の約数になることから解を絞れます。
\(2xy − 2x + 3y − 8 = 0\) を満たす整数 \(x, y\) をすべて求めよ。
一方の文字について整理すると、因数分解できますね。
余った定数は右辺に移します。
\(y\) について整理すると、
\(y(2x + 3) − 2x − 8 = 0\)
\(y(2x + 3) − (2x + 3) − 5 = 0\)
よって
\((2x + 3)(y − 1) = 5\)
\(2x + 3, y − 1\) は \(5\) の約数であるから
\((2x + 3, y − 1) \\= (−5, −1), (−1, −5), (1, 5), (5, 1)\)
したがって
答え: \(\color{red}{(x, y) = (−4, 0), (−2, −4), (−1, 6), (1, 2)}\)
【\(\bf{ax^2 + bxy + cy^2 + dx}\) \(\bf{+\ ey + f = 0}\) 型】因数分解 or 判別式を利用する!
\(ax^2 + bxy + cy^2 + dx + ey + f = 0\) 型は、二次の項 \(ax^2 + bxy + cy^2\) が因数分解できるかどうかに着目します。
例題①「二次の項が因数分解できる場合」
二次の項 \(ax^2 + bxy + cy^2\) が因数分解できる場合、式全体を \((x, y \ \text{の一次式}) \cdot (x, y \ \text{の一次式}) = (\text{定数})\) の形に変形できます。
\(2x^2 + xy − 3y^2 − x + 6y − 6 = 0\) を満たす整数 \(x, y\) をすべて求めよ。
\(2x^2 + xy − 3y^2 − x + 6y − 6 = 0\) …①
とおく。
\(2x^2 + xy − 3y^2 = (2x + 3y)(x − y)\) より、
\((2x + 3y + a)(x − y + b)\) を展開すると
\((2x + 3y + a)(x − y + b)\)
\(\begin{align}= 2x^2 + &xy − 3y^2 \\&+ (a + 2b)x + (−a + 3b)y + ab\end{align}\)
①と比較して
\(a + 2b = −1\), \(−a + 3b = 6\) より
\(a = −3, b = 1\)
\((2x + 3y − 3)(x − y + 1)\)
\(= 2x^2 + xy − 3y^2 − x + 6y − 3\)
より、①は
\((2x + 3y − 3)(x − y + 1) = 3\)
と変形できる。
\(2x + 3y − 3, x − y + 1\) は \(3\) の約数であるから、
\((2x + 3y − 3, x − y + 1)\)
\(= (−3, −1), (−1, −3), (1, 3), (3, 1)\)
\((2x + 3y − 3, x − y + 1) = (−3, −1)\) のとき
\(\displaystyle (x, y) = \left( −\frac{6}{5}, \frac{4}{5} \right)\) より不適
\((2x + 3y − 3, x − y + 1) = (−1, −3)\) のとき
\((x, y) = (−2, 2)\)
\((2x + 3y − 3, x − y + 1) = (1, 3)\) のとき
\((x, y) = (2, 0)\)
\((2x + 3y − 3, x − y + 1) = (3, 1)\) のとき
\(\displaystyle (x, y) = \left( \frac{6}{5}, \frac{6}{5} \right)\) より不適
したがって
答え: \(\color{red}{(x, y) = (−2, 2), (2, 0)}\)
例題②「二次の項が因数分解できない場合」
因数分解できない場合は、\(1\) つの文字について整理し、二次方程式と見ます。
そうすると、判別式から解の範囲を絞ることができます。
\(x^2 + 2xy + 5y^2 + 4x − 12y + 11 = 0\) を満たす整数 \(x, y\) をすべて求めよ。
\(x\) について整理すると
\(x^2 + 2(y + 2)x + 5y^2 − 12y + 11 = 0\)
\(x\) についての二次方程式と見ると、\(x\) が実数解をもつには
判別式 \(D \geq 0\) を満たせばよい。
\(\begin{align} \frac{D}{4} &= (y + 2)^2 − (5y^2 − 12y + 11) \\ &= y^2 + 4y + 4 − 5y^2 + 12y − 11 \\ &= −(4y^2 − 16y + 7) \\ &= −(2y − 1)(2y − 7) \end{align}\)
より、
\(D \geq 0 \iff −(2y − 1)(2y − 7) \geq 0\)
よって \(\displaystyle \frac{1}{2} \leq y \leq \frac{7}{2}\) より、
\(y = 1, 2, 3\)
ここで、解の公式から
\(\displaystyle x = −(y + 2) \pm \sqrt{\frac{D}{4}}\)
これが整数となるには、\(\displaystyle \frac{D}{4} = 0\) または (平方数) となる必要がある。
- \(y = 1\) のとき \(\displaystyle \frac{D}{4} = 5\) より不適
- \(y = 2\) のとき \(\displaystyle \frac{D}{4} = 9 = 3^2\)
このとき、\(x = −4 \pm 3 = −1, −7\) - \(y = 3\) のとき \(\displaystyle \frac{D}{4} = 5\) より不適
したがって、
答え: \(\color{red}{(x, y) = (−1, 2), (−7, 2)}\)
【対称式・分数型】文字に大小関係を設定する!
対称な不定方程式では、文字に大小関係を設定するのが鍵です。
\(\displaystyle \frac{1}{x} + \frac{1}{y} + \frac{1}{z} = 1\) を満たす自然数 \(x, y, z\) の組を求めよ。
\(x, y, z\) に大小関係があると仮定すると考えやすくなります。
文字を \(1\) 種類だけに置き換えた式と比較して、元の式の範囲を絞りましょう。
\(x \leq y \leq z\) とする。
\(\displaystyle \frac{1}{x} + \frac{1}{y} + \frac{1}{z} \leq \frac{1}{x} + \frac{1}{x} + \frac{1}{x} = \frac{3}{x}\) より
\(\displaystyle 1 \leq \frac{3}{x}\)
\(x \leq 3\)
\(x\) は自然数であるから、\(x = 1, 2, 3\)
\(x\) の値が \(3\) つに絞れましたね。
\(y, z\) が自然数で、かつ \(x\) 以上である(と仮定した)ことに注意して、条件を満たす \(y, z\) を見つけます。
(i) \(x = 1\) のとき
\(\displaystyle \frac{1}{y} + \frac{1}{z} = 0\) \((1 \leq y \leq z)\)
を満たす自然数 \(y, z\) は存在しない。
(ii) \(x = 2\) のとき
\(\displaystyle \frac{1}{y} + \frac{1}{z} = \frac{1}{2}\) \((2 \leq y \leq z)\)
\(\displaystyle \frac{1}{y} + \frac{1}{z} \leq \frac{2}{y}\) より
\(\displaystyle \frac{1}{2} \leq \frac{2}{y}\)
\(y \leq 4\)
\(y\) は \(2 \leq y\) かつ自然数であるから、\(y = 2, 3, 4\)
- \(y = 2\) のとき、\(\displaystyle \frac{1}{z} = 0\) より不適
- \(y = 3\) のとき \(z = 6\)
- \(y = 4\) のとき \(z = 4\)
(iii) \(x = 3\) のとき
\(\displaystyle \frac{1}{y} + \frac{1}{z} = \frac{2}{3}\) \((3 \leq y \leq z)\)
\(\displaystyle \frac{1}{y} + \frac{1}{z} \leq \frac{2}{y}\) より
\(\displaystyle \frac{2}{3} \leq \frac{2}{y}\)
\(y \leq 3\)
\(y\) は \(3 \leq y\) かつ自然数であるから、\(y = 3\)
\(y = 3\) のとき \(z = 3\)
よって、\(x \leq y \leq z\) のとき
\((x, y, z) = (2, 3, 6), (2, 4, 4), (3, 3, 3)\)
これが答えではありません。
\(x \leq y \leq z\) は勝手に設定した条件なので、最後に解除してあげます。
したがって、\(\displaystyle \frac{1}{x} + \frac{1}{y} + \frac{1}{z} = 1\) を満たすのは
答え:
\(\color{red}{(x, y, z)}\)
\(\begin{align}\color{red}{= } &\color{red}{\ (2, 3, 6), (2, 6, 3), (3, 2, 6),}\\& \color{red}{\ (3, 6, 2), (6, 2, 3), (6, 3, 2),}\\& \color{red}{\ (2, 4, 4), (4, 2, 4), (4, 4, 2), (3, 3, 3)}\end{align}\)
以上で解説は終わりです。
さまざまなパターンの不定方程式に対応するためには、整数の性質に対する深い理解と注意力が必要です。
関連分野も合わせて学習しつつ、ぜひ不定方程式をマスターしてくださいね!