この記事では、「関数」の定義や用語の意味(切片・変化の割合・傾きなど)をわかりやすく紹介していきます。
グラフも用いながら簡単に解説していくので、ぜひこの記事を通してマスターしてくださいね!
関数とは?
関数とは、ある変数の値が決まると別の変数の値もただ 1 つに決まるとき、その対応を示す式のことです。
独立変数 x の値が決まると従属変数 y の値がただ 1 つに決まるとき、「y は x の関数である」という。
y が x の関数であるとき、適当な文字を使って \color{red}{y = f(x)}、または単に \color{red}{f(x)} と表すことができます。
アルファベット f は、関数を示す英単語「function」の頭文字です。
複数の関数を扱うときは、f(x) を起点にアルファベット順で f(x), g(x), h(x) などと表すのが一般的です。
きちんと定義してあげれば、a(x), b(x), q(x) など別の文字で表現してももちろん大丈夫です。
関数のイメージ
関数 y = f(x) は、材料を入れると決まった手順で調理してくれる魔法の箱のようなものです。
関数の中の x に材料(数値)を入れると、完成品 y が得られます。
x に材料を入れることを「代入」といい、x に 1 を代入したときの y の値は f(1) と表せます。
関数とグラフ
関数は、x を横軸、y を縦軸にとった座標平面上のグラフとして表すことができます。
関数 y = 2x + 3 のグラフを見てみましょう。
グラフを見ると明らかなように、ある x の値に対して y の値が 1 対 1 で対応していますね。
(例)
y = f(x) とおく。
x = 1 のとき、
\begin{align} f(1) &= 2 \cdot 1 + 3 \\ &= 5 \end{align}
x = 2 のとき、
\begin{align} f(2) &= 2 \cdot 2 + 3 \\ &= 7 \end{align}
変数と定数の違い
関数における「変数」と「定数」の違いを説明します。
- 変数
必要に応じて値を変化させられる数。 - 定数
値が定まっている数。
例えば、x の関数 y = 2x^2 + 1 では、x と y が変数で、2, 1 が定数です。
数学の問題では、定数が a, b などの文字で与えられることがあります。
定数は未知数(まだわからない数)をとることもありますが、どんな値でもいいわけではなく定まった値です。
必要に応じて値を変えられる変数とは明確に区別しておきましょう!
切片・傾き・変化の割合とは?
中学で習う「切片」「傾き」「変化の割合」の意味をおさらいしましょう。
切片の定義
切片
座標平面上のグラフと、座標軸との交点。
特に、x 軸との交点を「x 切片」、y 軸との交点を「y 切片」という。
y 切片のことを「切片」と省略して呼ぶことも多いです。
傾きの定義
傾き
平面上の直線の傾き具合を表す数値のこと。
または、平面上にある曲線のある点における接線の傾き具合を表す数値。
一次関数 y = ax + b における傾きは常に a で一定です。
二次関数や三次関数などの曲線グラフにおいても傾き(ある点における接線の傾き)を求めることができますが、一定ではなく、注目する点の位置に応じてさまざまな値をとります。
変化の割合の定義
変化の割合
平面上のある関数のグラフにおいて、x の増加量に対する y の増加量の割合。
変化の割合は、どの関数でも以下の公式で求められます。
ある関数において、x の値が \alpha だけ増加すると y の値が \beta だけ増加するとき、変化の割合 a は
\begin{align}\color{red}{a = \displaystyle \frac{y \ \text{の増加量}}{x \ \text{の増加量}} \ \ \ \ = \displaystyle \frac{\beta}{\alpha}}\end{align}
グラフ上の 2 点に注目し、x の変化量に対する y の変化量の割合を見るのがポイントです。
傾きと変化の割合の違い
傾きはグラフ上のある 1 点に注目した概念であるのに対して、変化の割合は 2 点間の変化に注目した概念です。
一次関数や定数関数などの直線のグラフにおいてのみ、傾きと変化の割合は等しくなります。直線では傾きがどこまでも一定であるためですね。
二次関数や三次関数などの曲線のグラフでは、注目する点の位置を変えれば、当然、傾きも変化の割合もさまざまな値をとります。
変域とは?
「変域」について説明します。
変域
x や y のような変数がとる値の範囲。
グラフでは横軸方向の範囲を「x の変域」、縦軸方向の範囲を「y の変域」といいます。
定義域と値域
x の変域を「定義域」、y の変域を「値域」と呼びます。
- 定義域
独立変数 x がとる値の範囲。 - 値域
従属変数 y がとる値の範囲。
x の値が定まる(定義される)ことではじめて y の値が定まることから、このように変域を呼び分けます。
以上で、関数の基礎知識についての解説は終わりです!
高校で習うさまざまな種類の関数についてまとめています。
