シグマ Σ とは?記号の意味や和の公式、証明や計算問題

この記事では、和の記号「シグマ \(\sum\)」の意味や公式をわかりやすく解説していきます。

公式の証明や計算問題の解き方も説明していきますので、ぜひこの記事を通してマスターしてくださいね。

 

シグマ \(\sum\) とは?

シグマ \(\sum\) とは、与えられた条件を満たす数の総和を表す省略記号です。

シグマ \(\sum\) を使うときは、次の \(3\) つを指定します。

① 変数、② はじめと終わりの値、③ 条件式

 

シグマ \(\sum\) の計算では、条件式の変数 \(k\) に代入する値を \(1\) ずつ増やし、それらを足していきます

つまり、「使う変数」「変数に代入するはじめと終わりの値」「具体的な条件式」がそろえば計算できます。

 

シグマ \(\sum\) は、規則的な数の足し算を表すのにとても便利です。

例えば、\(1\) から \(100\) までの自然数の足し算は、

\(1 + 2 + 3 + 4 + \cdots + 100\) \(= \color{salmon}{\displaystyle \sum_{k=1}^{100} k}\)

と表せます。

シグマ \(\sum\) を使うと、足し算を「\(◯ + ◯ + \cdots\)」と律儀に書くよりも、とてもスッキリと表現できますね。

 

「\(\sum\)」は、規則的に変化する数字を足し続ける計算。

そのため、数列の和を表すときなどによく使われます。

 

シグマ \(\sum\) の性質と証明

シグマ \(\sum\) の計算を行う上で、必ず利用する重要な性質があります。

Σ の性質

\(p\), \(q\) は \(k\) に無関係な定数とする。

  • \(\displaystyle \sum_{k=1}^n pa_k = p\sum_{k=1}^n a_k\)
  • \(\displaystyle \sum_{k=1}^n (a_k \pm b_k) = \sum_{k=1}^na_k \pm \sum_{k=1}^nb_k\)
  • \(\displaystyle \sum_{k=1}^n (pa_k \pm qb_k) = p\sum_{k=1}^n a_k \pm q\sum_{k=1}^n b_k\)
  • \(\displaystyle \sum_{k=1}^n a_k = \sum_{i=1}^n a_i\)

それぞれの性質とその証明を詳しく見ていきましょう。

 

【性質①】係数は外に出せる

条件式に係数がかかっている場合、\(\sum\) の外に出せます。

Σ の性質①

\begin{align}\color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^n pa_k = p\sum_{k=1}^n a_k}\end{align}

(\(p\) は \(k\) に無関係な定数)

足していくすべての項に同じ係数がかかっているので、当然くくり出すことができますね。

証明

 

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n pa_k\)

\(= pa_1 + pa_2 + pa_3 + \cdots + pa_n\)

\(= p(a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_n)\)

\(\displaystyle = p\sum_{k=1}^n a_k\)

 

(証明終わり)

 

【性質②】多項式では ∑ を分配できる

条件式が多項式の場合、多項式のまま \(\sum\) の計算をしても、最初から項ごとに \(\sum\) の計算をしても結果は同じです。

Σ の性質②

\begin{align}\color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^n (a_k \pm b_k) = \sum_{k=1}^n a_k \pm \sum_{k=1}^n b_k}\end{align}

 

性質①と合わせて、

\begin{align}\color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^n (pa_k \pm qb_k) = p\sum_{k=1}^n a_k \pm q\sum_{k=1}^n b_k}\end{align}

(\(p\), \(q\) は \(k\) に無関係な定数)

\(\sum\) の式を展開して並べ替えてみると、この性質が成り立つことがすぐにわかります。

証明

 

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n (a_k \pm b_k)\)

\(= (a_1 \pm b_1) + (a_2 \pm b_2) + \cdots + (a_n \pm b_n)\)

\(= (a_1 + a_2 + \cdots + a_n)\) \( \pm \ (b_1 + b_2 + \cdots + b_n)\)

\(\displaystyle = \sum_{k=1}^n a_k \pm \sum_{k=1}^n b_k\)

 

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n (pa_k \pm qb_k)\)

\(= (pa_1 \pm qb_1) + (pa_2 \pm qb_2) \,+ \) \(\cdots + (pa_n \pm qb_n)\)

\(= (pa_1 + pa_2 + \cdots + pa_n) \) \(\pm \,(qb_1 + qb_2 + \cdots + qb_n)\)

\(= p(a_1 + a_2 + \cdots + a_n) \) \(\pm \,q(b_1 + b_2 + \cdots + b_n)\)

\(\displaystyle = p\sum_{k=1}^n a_k \pm q\sum_{k=1}^n b_k\)

 

(証明終わり)

 

Tips

繰り返し計算である \(\sum\) の中身はシンプルな方がよいので、

  • 係数がかかっていたら前に出す
  • 多項式の \(\bf{\sum}\) は単項式の \(\bf{\sum}\) に分ける

を徹底しましょう!

(例)

  • \(\displaystyle \sum_{k=1}^n (3k^2 + 2) = 3\sum_{k=1}^n k^2 + \sum_{k=1}^n 2\)
  • \(\displaystyle \sum_{k=1}^n (8k^3 − 2k + 1) \) \(\displaystyle = 8\sum_{k=1}^n k^3 − 2\sum_{k=1}^n k + \sum_{k=1}^n 1\)
  • \(\displaystyle \sum_{k=1}^n (5^k + 3 \cdot 2^k) = \sum_{k=1}^n 5^k + 3\sum_{k=1}^n 2^k\)

 

【性質③】変数はなんでもいい

条件式の形が同じならば、変数が置き換わっても計算結果はまったく同じです。

Σ の性質③

\begin{align}\displaystyle \sum_{\color{red}{k}=1}^n a_\color{red}{k} = \sum_{\color{red}{i}=1}^n a_\color{red}{i}\end{align}

変数は慣習的に「\(k\)」が使われることが多いですが、別の文字が使われることも当然あります。

文字の違いに惑わされないようにしましょう!

 

シグマ \(\sum\) の公式と証明

シグマ \(\sum\) は規則的な数の足し算なので、足し算の結果にも規則性があります。

ここでは、代表的な和の公式を確認しましょう。

Σ の公式

\(c\), \(r\) は \(k\) に無関係な定数とする。

  • \(\displaystyle \sum_{k=1}^n c = nc\)
    特に \(\displaystyle \sum_{k=1}^n1 = n\)
  • \(\displaystyle \sum_{k=1}^n k = \frac{1}{2} n(n + 1)\)
  • \(\displaystyle \sum_{k=1}^n k^2 = \frac{1}{6} n(n + 1)(2n + 1)\)
  • \(\displaystyle \sum_{k=1}^n k^3 = \left\{ \frac{1}{2} n(n + 1) \right\}^2\)
  • \(\displaystyle \sum_{k=1}^n r^{k−1} = \frac{1 − r^n}{1 − r} = \frac{r^n − 1}{r − 1}\) \((r \neq 1)\)

それぞれの公式とその証明を詳しく見ていきましょう。

 

【公式①】定数項の和

定数項(変数を含まない項)の和を求めるときは、足す回数(= 項数)がポイントです。

Σ の公式① 定数項の和

\begin{align}\color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^n c = nc}\end{align}

特に \(\color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^n 1 = n}\)

(\(c\) は \(k\) に無関係な定数)

\(\sum\) の計算の意味を考えると、定数項 \(c\) を \(n\) 回足すことになりますね。

証明

 

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n c\)

\(= c + c + c + \cdots + c\)

(\(1 \sim n\) までの \(n\) 回)

\(= nc\)

 

(証明終わり)

 

公式①の計算上の注意点

この公式を、「単純に \(n\) をかければいい!」と覚えるのは危険です。

重要なのは「定数項を足す回数 = 項数」なので、代入するはじめの値と終わりの値から、項数を必ず確認しましょう

項数の求め方

\(A\), \(B\) を自然数 \((A < B)\) とすると、\(\displaystyle \sum_{k= A}^B a_k\) の項数は

\begin{align}\color{red}{B − A + 1}\end{align}

(例)

  • \(\displaystyle \sum_{k=1}^n 1\)
    項数は \(n − 1 + 1 = n\) なので、
    \(\displaystyle \sum_{k=1}^n 1 = n \cdot 1 = \color{red}{n}\)
  • \(\displaystyle \sum_{k=3}^6 c\)
    項数は \(6 − 3 + 1 = 4\) なので、
    \(\displaystyle \sum_{k=3}^6 c = \color{red}{4c}\)
  • \(\displaystyle \sum_{k=2}^{n−1} 7\)
    項数は \((n − 1) − 2 + 1 = n − 2\) なので、
    \(\displaystyle \sum_{k=2}^{n−1} 7 = \color{red}{7(n − 2)}\)
Tips

項数を把握することは、以降の公式を使うときも重要です。

特に \(k = 1 \sim n\) 以外のときは、よ〜く注意しておきましょう!

 

【公式②】自然数の和

使用頻度の高い公式なので、必ず覚えましょう。

Σ の公式② 自然数の和

\begin{align}\color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^n k = \frac{1}{2} n(n + 1)}\end{align}

展開してみると、実は等差数列の和を求めていることがわかります。

等差数列とは?和の公式や一般項の覚え方、計算問題
証明

 

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n k \) \(= 1 + 2 + 3 + \cdots + n\)

これは初項 \(1\)、末項 \(n\)、項数 \(n\) の等差数列の和であるから、

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n k = \frac{1}{2} n(n + 1)\)

 

(証明終わり)

 

公式②の計算上の注意点

\(k = 1 \sim n\) のときは何も考えずに公式通りでOKです。

(例)

\(\begin{align}\displaystyle \sum_{k=1}^n 3k &= 3\sum_{k=1}^n k\\&= 3 \cdot \frac{1}{2} n(n + 1)\\&= \color{red}{\frac{3}{2} n(n + 1)}\end{align}\)

終わりの値が \(\bf{n}\) 以外のときは、公式 \(\displaystyle \frac{1}{2} \color{salmon}{n}(\color{salmon}{n} + 1)\) の \(n\) の部分に実際の値を代入すると考えましょう。

(例)

\(\begin{align}\displaystyle \sum_{k=1}^\color{salmon}{7} k &= \frac{1}{2} \cdot \color{salmon}{7}(\color{salmon}{7} + 1)\\&\displaystyle = \frac{1}{2} \cdot 7 \cdot 8\\&= \color{red}{28}\end{align}\)

 

\(\begin{align}\displaystyle \sum_{k=1}^{\color{salmon}{n−1}} k &= \frac{1}{2} (\color{salmon}{n − 1}) \{(\color{salmon}{n − 1}) + 1\}\\& \displaystyle = \color{red}{\frac{1}{2} (n − 1)n}\end{align}\)

一方、初項が \(\bf{k \neq 1}\) のときは要注意です。

スタートがずれていると考えづらいので、\(\displaystyle \sum_{k=A}^B k\) のときは次のように考えます。

Tips

\begin{align}\displaystyle \sum_{k=A}^B k &= (\text{$A \sim B$ の和)} \\&= \text{($1 \sim B$ の和)} − \text{($1 \sim (A−1)$ の和)}\\&= \sum_{k=1}^B k − \sum_{k=1}^{A − 1} k\end{align}

(見切れる場合は横へスクロール)

(例)

\(\begin{align}\displaystyle \sum_{k=3}^n k &= \sum_{k=\color{salmon}{1}}^\color{salmon}{n} k − \sum_{k=\color{salmon}{1}}^\color{salmon}{2} k\\&= \frac{1}{2} n(n + 1) − (1 + 2)\\&= \frac{1}{2} n(n + 1) − 3\\&= \frac{1}{2} (n^2 + n − 6)\\&= \color{red}{\frac{1}{2} (n − 2)(n + 3)}\end{align}\)

 

\(\begin{align}\displaystyle \sum_{k=10}^{n−1} k &= \sum_{k=\color{salmon}{1}}^{\color{salmon}{n−1}} k − \sum_{k=\color{salmon}{1}}^\color{salmon}{9} k\\&= \frac{1}{2} (n − 1)n − \frac{1}{2} \cdot 9(9 + 1)\\&= \frac{1}{2} (n − 1)n − \frac{1}{2} \cdot 9 \cdot 10\\&= \frac{1}{2} (n^2 − n − 90)\\&= \color{red}{\frac{1}{2} (n − 10)(n + 9)}\end{align}\)

補足

もちろん、公式を「初項 \(1\)、末項 \(n\)、項数 \(n\) の等差数列の和」と意識できていればそのように計算しても構いません。

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n k = \frac{1}{2} n(n + 1)\) より

\begin{align}\displaystyle \sum_{k=A}^B k &= \frac{1}{2} \cdot \text{(項数)} \cdot \text{(初項 $+$ 末項)} \\&= \color{red}{\frac{1}{2} (B − A + 1)(A + B)}\end{align}

ただし、公式では \(n\) が末項でもあり項数でもあるので、焦っているとミスしやすいポイントです。

 

【公式③】平方数の和

見た目が少し複雑ですが、こちらも頑張って丸暗記しましょう!

Σ の公式③ 平方数の和

\begin{align}\color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^n k^2 = \frac{1}{6} n(n + 1)(2n + 1)}\end{align}

証明は少し面倒なので、さらっと流し読みすればOKです。

証明

 

\((k + 1)^3 = k^3 + 3k^2 + 3k + 1\) より、

\((k + 1)^3 − k^3 = 3k^2 + 3k + 1\) …①

 

①の恒等式の左辺および右辺の、\(k = 1, 2, \cdots, n\) の和を考えると、

(左辺の和)

\(\displaystyle = \sum_{k=1}^n \{(k + 1)^3 − k^3\}\)

\(\displaystyle = \sum_{k=1}^n (k + 1)^3 − \sum_{k=1}^n k^3\)

\(= \{2^3 + 3^3 + \cdots + (n + 1)^3\} \) \(−\, (1^3 + 2^3 + \cdots + n^3)\)

\(= (n + 1)^3 − 1^3\)

\(= (n + 1)^3 − 1\)

 

(右辺の和)

\(\displaystyle = \sum_{k=1}^n (3k^2 + 3k + 1)\)

\(\displaystyle = 3\sum_{k=1}^n k^2 + 3\sum_{k=1}^n k + \sum_{k=1}^n 1\)

\(\displaystyle = 3\sum_{k=1}^n k^2 + \frac{3}{2} n(n + 1) + n\)

 

(左辺の和) = (右辺の和) より、

\(\displaystyle (n + 1)^3 − 1 = 3\sum_{k=1}^n k^2 + \frac{3}{2} n(n + 1) + n\)

よって

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n k^2\)

\(\displaystyle = \frac{1}{3} \left\{ (n + 1)^3 − 1 − \frac{3}{2} n(n + 1) − n \right\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{3} \left\{ (n + 1)^3 − \frac{3}{2} n(n + 1) − (n + 1) \right\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{6} (n + 1)\{2(n + 1)^2 − 3n − 2\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{6} (n + 1)\{(2n^2 + 4n + 2) − 3n − 2\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{6} (n + 1)(2n^2 + n)\)

\(\displaystyle = \frac{1}{6} n(n + 1)(2n + 1)\)

 

(証明終わり)

 

公式③の計算上の注意点

計算上の注意点は、公式② \(\displaystyle \sum_{k=1}^n k\) と同じです。

(例)

\(\begin{align}\displaystyle \sum_{k=1}^n 3k^2 &= 3\sum_{k=1}^n k^2\\&= 3 \cdot \frac{1}{6} n(n + 1)(2n + 1)\\&= \color{red}{\frac{1}{2} n(n + 1)(2n + 1)}\end{align}\)

 

\(\displaystyle \sum_{k=1}^{n−1} k^2\)

\(\displaystyle = \frac{1}{6} (n − 1)\{(n − 1) + 1\}\{2(n − 1) + 1\}\)

\(\displaystyle = \color{red}{\frac{1}{6} (n − 1)n(2n − 1)}\)

 

\(\displaystyle \sum_{k=5}^{20} k^2\)

\(\displaystyle = \sum_{k=\color{salmon}{1}}^{\color{salmon}{20}} k^2 − \sum_{k=\color{salmon}{1}}^\color{salmon}{4} k^2\)

\(\displaystyle = \frac{1}{6} \cdot 20(20 + 1)(2 \cdot 20 + 1) \) \(\displaystyle − \, \frac{1}{6} \cdot 4(4 + 1)(2 \cdot 4 + 1)\)

\(\displaystyle = \frac{1}{6} (20 \cdot 21\cdot 41 − 4 \cdot 5 \cdot 9)\)

\(\displaystyle = \frac{20}{6} (21 \cdot 41 − 9)\)

\(\displaystyle = \frac{10}{3} (861 − 9)\)

\(\displaystyle = \frac{10}{3} \cdot 852\)

\(\displaystyle = \color{red}{2840}\)

 

【公式④】立方数の和

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n k^3\) の公式は \(\displaystyle \sum_{k=1}^n k\) の公式を \(2\) 乗した形なので覚えやすいですね。

Σ の公式④ 立方数の和

\begin{align}\color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^n k^3 = \left\{ \frac{1}{2} n(n + 1) \right\}^2}\end{align}

先ほどの平方数の和と同様の考え方で証明できます(覚える必要はなし)。

証明

 

\((k + 1)^4 = k^4 + 4k^3 + 6k^2 + 4k + 1\) より、

\((k + 1)^4 − k^4 = 4k^3 + 6k^2 + 4k + 1\) …①

 

①の恒等式の左辺および右辺の、\(k = 1, 2, \cdots, n\) の和を考えると、

(左辺の和)

\(\displaystyle = \sum_{k=1}^n \{(k + 1)^4 − k^4\}\)

\(\displaystyle = \sum_{k=1}^n (k + 1)^4 − \sum_{k=1}^n k^4\)

\(= \{2^4 + 3^4 + \cdots + (n + 1)^4\} \) \(−\, (1^4 + 2^4 + \cdots + n^4)\)

\(= (n + 1)^4 − 1^4\)

\(= (n + 1)^4 − 1\)

 

(右辺の和)

\(\displaystyle = \sum_{k=1}^n (4k^3 + 6k^2 + 4k + 1)\)

\(\displaystyle = 4\sum_{k=1}^n k^3 + 6\sum_{k=1}^n k^2 + 4\sum_{k=1}^n k + \sum_{k=1}^n 1\)

\(\displaystyle = 4\sum_{k=1}^n k^3 + 6 \cdot \frac{1}{6} n(n + 1)(2n + 1) \) \(\displaystyle + \,4 \cdot \frac{1}{2} n(n + 1) + n\)

\(\displaystyle = 4\sum_{k=1}^n k^3 + n(n + 1)(2n + 1) \) \(+ \,2n(n + 1) + n\)

 

(左辺の和) = (右辺の和) より、

\(\displaystyle (n + 1)^4 − 1 = \) \(\displaystyle 4\sum_{k=1}^n k^3 + n(n + 1)(2n + 1) + 2n(n + 1) + n\)

よって

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n k^3\)

\(\displaystyle = \frac{1}{4} \{(n + 1)^4 − 1 − n(n + 1)(2n + 1) \) \(\displaystyle−\, 2n(n + 1) − n\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{4} \{(n + 1)^4 − n(n + 1)(2n + 1) \) \(\displaystyle−\, 2n(n + 1) − (n + 1)\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{4} (n + 1)\{(n + 1)^3 − n(2n + 1) − 2n − 1\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{4} (n + 1)\{(n + 1)^3 − (2n^2 + 3n + 1)\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{4} (n + 1)\{(n + 1)^3 − (2n + 1)(n + 1)\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{4} (n + 1)^2 \{(n + 1)^2 − (2n + 1)\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{4} (n + 1)^2 (n^2 + 2n + 1 − 2n − 1)\)

\(\displaystyle = \frac{1}{4} (n + 1)^2 n^2\)

\(\displaystyle = \left\{ \frac{1}{2} n(n + 1) \right\}^2\)

 

(証明終わり)

 

公式④の計算上の注意点

計算上の注意点は、公式② \(\displaystyle \sum_{k=1}^n k\) と同じです。

(例)

\(\begin{align}\displaystyle \sum_{k=1}^n 5k^3 &= 5\sum_{k=1}^n k^3\\&= 5 \left\{ \frac{1}{2} n(n + 1) \right\}^2\\&= \color{red}{\frac{5}{4} n^2(n + 1)^2}\end{align}\)

 

\(\displaystyle \sum_{k=1}^{n−1} k^3 = \color{red}{\left\{ \frac{1}{2} (n − 1)n \right\}^2}\)

 

【公式⑤】等比数列の和

指数に変数を含むものは、等比数列を思い出しましょう。

Σ の公式⑤ 等比数列の和

\begin{align}\color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^n ar^{k−1} = \frac{a(1 − r^n)}{1 − r} = \frac{a(r^n − 1)}{r − 1}}\end{align}

(\(r\) は \(k\) に無関係な定数、ただし \(r \neq 1\))

展開してみると等比数列の和を求めていることがわかります。

等比数列とは?一般項や等比数列の和の公式、シグマの計算問題
証明

 

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n ar^{k−1}\)

\(= ar^0 + ar^1 + ar^2 + \cdots + ar^{n−1}\)

\(= a + ar + ar^2 + \cdots + ar^{n−1}\)

 

これは初項 \(a\)、公比 \(r\) の等比数列の和であるから、

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n r^{k−1} = \frac{a(1 − r^n)}{1 − r}\)

 

(証明終わり)

 

公式⑤の計算上の注意点

等比数列の和では、必ず初項公比項数を意識しましょう。

(例)

\(\begin{align}\displaystyle \sum_{k=1}^n r^k &= \sum_{k=1}^n r \cdot r^{k−1} \\&= \frac{r(1 − r^n)}{1 − r} \\&= \color{red}{\frac{r(r^n − 1)}{r − 1}}\end{align}\)

(初項 \(r\)、公比 \(r\)、項数 \(n\))(\(r \neq 1\))

 

\(\begin{align}\displaystyle \sum_{k=1}^{n−1} 3 \cdot 2^{k−1} &= \frac{3(2^{n−1} − 1)}{2 − 1}\\&= \color{red}{3(2^{n−1} − 1)}\end{align}\)

(初項 \(3\)、公比 \(2\)、項数 \(n − 1\))

 

シグマ \(\sum\) の計算問題

最後に、計算問題に挑戦しましょう。

計算問題①「和を \(\sum\) で表す」

まずは、\(\sum\) の意味を確認する問題です。

計算問題①

(1) \(\displaystyle \sum_{k=1}^5 (2k + 3)\) を具体的な値の和の式で表せ。

(2) \(1 \cdot 1^2 + 3 \cdot 2^2 + 5 \cdot 3^2 + 7 \cdot 4^2 + 9 \cdot 5^2\) を \(\sum\) を用いて表せ。

 

(1) では、条件式の変数 \(k\) の部分に、はじめの値から終わりの値まで順に代入し、足せば良いですね。

また、(2) のような問題では、一般項(第 \(k\) 項)がどんな形になるかをまず考えましょう。

解答

 

(1)

\(\displaystyle \sum_{k=1}^5 (2k + 3)\)

\(= (2 \cdot 1 + 3) + (2 \cdot 2 + 3) + (2 \cdot 3 + 3) \) \(+\, (2 \cdot 4 + 3) + (2 \cdot 5 + 3)\)

\(= 5 + 7 + 9 + 11 + 13\)

 

答え: \(\color{red}{5 + 7 + 9 + 11 + 13}\)

 

 

(2)

数列 \(1 \cdot 1^2\), \(3 \cdot 2^2\), \(5 \cdot 3^2\), \(7 \cdot 4^2\), \(9 \cdot 5^2\)

の第 \(k\) 項は \((2k − 1)k^2\) であるから、

\(1 \cdot 1^2 + 3 \cdot 2^2 + 5 \cdot 3^2 + 7 \cdot 4^2 + 9 \cdot 5^2\) \(\displaystyle = \sum_{k=1}^5 (2k − 1)k^2\)

 

答え: \(\color{red}{\displaystyle \sum_{k=1}^5 (2k − 1)k^2}\)

 

計算問題②「\(\sum\) 計算」

続いて、\(\sum\) の公式を使った計算問題です。

計算問題②

次の和を求めよ。

(1) \(\displaystyle \sum_{k=1}^n (2k^2 − k + 7)\)

(2) \(\displaystyle \sum_{k=5}^{n−1} (4k + 3)\)

 

\(\sum\) 計算は、いかに楽できるかが勝負です。

共通の係数や項はすぐにくくって、展開を最小限にしましょう。

また、\(k = 1 \sim n\) 以外のときは、展開と代入のプロセスを分けるとミスが減りますよ。

解答

 

(1)

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n (2k^2 − k + 7)\)

\(\displaystyle = 2\sum_{k=1}^n k^2 − \sum_{k=1}^n k + \sum_{k=1}^n 7\)

\(\displaystyle = \frac{2}{6} n(n + 1)(2n + 1) − \frac{1}{2} n(n + 1) + 7n\)

\(\displaystyle = \frac{1}{6} n\{2(n + 1)(2n + 1) − 3(n + 1) + 42\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{6} n(4n^2 + 6n + 2 − 3n − 3 + 42)\)

\(\displaystyle = \frac{1}{6} n(4n^2 + 3n + 41)\)

 

答え: \(\color{red}{\displaystyle \frac{1}{6} n(4n^2 + 3n + 41)}\)

 

 

(2)

\(\displaystyle \sum_{k=1}^n (4k + 3)\)

\(\displaystyle = 4\sum_{k=1}^n k + \sum_{k=1}^n 3\)

\(\displaystyle = 4 \cdot \frac{1}{2} n(n + 1) + 3n\)

\(= n\{2(n + 1) + 3\}\)

\(= n(2n + 5)\)

より、

 

\(\displaystyle \sum_{k=5}^{n−1} (4k + 3)\)

\(\displaystyle = \sum_{k=1}^{n−1} (4k + 3) − \sum_{k=1}^4 (4k + 3)\)

\(= (n − 1)\{2(n − 1) + 5\} − 4(2 \cdot 4 + 5)\)

\(= (n − 1)(2n + 3) − 52\)

\(= 2n^2 + n − 3 − 52\)

\(= 2n^2 + n − 55\)

\(= (2n + 11)(n − 5)\)

 

答え: \(\color{red}{(2n + 11)(n − 5)}\)

 

計算問題③「少し複雑な \(\sum\) 計算」

ここまでできれば、\(\sum\) への理解はバッチリです!

計算問題③

次の和を求めよ。

(1) \(\displaystyle \sum_{i=1}^n (2^i − 1)\)

(2) \(\displaystyle \sum_{m=1}^n \left( \sum_{k=1}^m k \right)\)

(3) \(1^2 \cdot n + 2^2 \cdot (n−1) + 3^2 \cdot (n−2) \,+ \) \(\cdots + (n−1)^2 \cdot 2 + n^2 \cdot 1\)

 

変数の文字が違っても、根本的な意味は変わりません。

(3) では、\(\sum\) 計算に関係する部分、しない部分を見極めましょう。

解答

 

(1)

\(\displaystyle \sum_{i=1}^n (2^i − 1)\)

\(\displaystyle = \sum_{i=1}^n 2^i − \sum_{i=1}^n 1\)

\(\displaystyle = \frac{2(2^n − 1)}{2 − 1} − n\)

\(= 2^{n+1} − n − 2\)

 

答え: \(\color{red}{2^{n+1} − n − 2}\)

 

 

(2)

\(\displaystyle \sum_{m=1}^n \left( \sum_{k=1}^m k \right)\)

\(\displaystyle = \sum_{m=1}^n \left\{ \frac{1}{2} m(m + 1) \right\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{2} \sum_{m=1}^n (m^2 + m)\)

\(\displaystyle = \frac{1}{2} \left( \sum_{m=1}^n m^2 + \sum_{m=1}^n m \right)\)

\(\displaystyle = \frac{1}{2} \left\{ \frac{1}{6} n(n + 1)(2n + 1) + \frac{1}{2} n(n + 1)\right\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{6} n(n + 1)\{(2n + 1) + 3\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{12} n(n + 1)(2n + 4)\)

\(\displaystyle = \frac{1}{6} n(n + 1)(n + 2)\)

 

答え: \(\color{red}{\displaystyle \frac{1}{6} n(n + 1)(n + 2)}\)

 

 

(3)

数列 \(1^2 \cdot n\), \(2^2 \cdot (n−1)\), \(3^2 \cdot (n−2)\), \(\cdots\), \((n−1)^2 \cdot 2\), \(n^2 \cdot 1\)

の第 \(k\) 項は \(k^2 \cdot \{n − (k − 1)\} = k^2(n − k + 1)\)

また、項数は \(n\) であるから、

 

\(1^2 \cdot n + 2^2 \cdot (n−1) + 3^2 \cdot (n−2)\, + \) \(\cdots + (n−1)^2 \cdot 2 + n^2 \cdot 1\)

\(\displaystyle = \sum_{k=1}^n k^2(n − k + 1)\)

\(\displaystyle = \sum_{k=1}^n \{k^2(n + 1) − k^3\}\)

\(\displaystyle = (n + 1)\sum_{k=1}^n k^2 − \sum_{k=1}^n k^3\)

\(\displaystyle = \frac{1}{6} n(n + 1)^2(2n + 1) − \frac{1}{4} n^2(n + 1)^2\)

\(\displaystyle = \frac{1}{12} n(n + 1)^2 \{2(2n + 1) − 3n\}\)

\(\displaystyle = \frac{1}{12} n(n + 1)^2(n + 2)\)

 

答え: \(\color{red}{\displaystyle \frac{1}{12} n(n + 1)^2(n + 2)}\)

以上で問題も終わりです。

 

複雑な計算に見えるシグマ \(\sum\) ですが、規則的な数の総和を表すのにとても便利な道具です。

記号の意味や計算公式をしっかり理解して、ぜひマスターしてくださいね!

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