素因数分解とは?やり方やコツ、利用問題(約数など)

この記事では、「素因数分解」の方法や問題の解き方をできるだけわかりやすく解説していきます。

素因数分解を利用した応用問題なども紹介していきますので、この記事を通してぜひマスターしてくださいね。

 

素因数分解とは?

素因数分解とは、ある自然数を素数のかけ算で表現することです。

素因数分解する際は、小さい素数から並べて、素数同士のかけ算で表現します。

このとき、同じ素数が複数かかっている場合は、累乗(指数)のかたちで表現します。

 

「自然数ってなんだっけ?」「素数??」となった方は、まずおさらいしましょう。

自然数

正の整数。ただし、「\(0\)」は含まない。

(自然数の例)

\(1\)、\(23\)、\(50\)、\(400\)、\(1080\)

(自然数でないものの例)

\(−43\)、\(−6\)、\(0\)、\(1.7\)、\(\sqrt{7}\)

 

素数

\(1\) とその数自身以外に約数をもたない自然数(正の整数)。

ただし、「\(1\)」は含まない。

(素数の例)

\(2\)、\(3\)、\(5\)、\(23\)、\(79\)

(素数でないものの例)

\(−5\)、\(0\)、\(1\)、\(4\)、\(6.7\)、\(72\)

 

素因数分解のやり方

素因数分解のやり方はとてもシンプルです。

分解したい数を素数でひたすら割っていき、最後の割り算の答えが素数になるまで繰り返します

例えば、「\(60\)」の素因数分解は次のような流れになります。

素因数分解のポイントは次の \(2\) 点です。

  1. L字の筆算を使うこと
  2. 小さい素数から割り算すること

なぜ小さい素数から割っていくかというと、ズバリ、ケアレスミスを防ぐためです。

「これで割れる!」と思いついた数字が実は素数ではなかった、というケアレスミスを防ぐために、小さい素数から割り始めることを習慣付けましょう!

 

素因数分解のコツ

ここでは、素因数分解する上で知っておくと役立つコツを説明します。

① 1 ~ 100 までの素数を把握しておく

小さい素数から割り算を始めるために、あらかじめ素数を小さい順に把握しておくと便利です。

1 ~ 100 までの素数

\(2\)、\(3\)、\(5\)、\(7\)、\(11\)、\(13\)、\(17\)、\(19\)、\(23\)、\(29\)、\(31\)、\(37\)、\(41\)、\(43\)、\(47\)、\(53\)、\(59\)、\(61\)、\(67\)、\(71\)、\(73\)、\(79\)、\(83\)、\(89\)、\(97\)

すべてを覚えるのは少し大変ですが、\(1\) 〜 \(30\) の間の素数は素因数分解の問題でよく出てくるので、見慣れておきましょう。

 

② 約数・倍数の見つけ方を知る

ある数を \(2\) や \(3\) などの小さな素数で割れるかどうかをすぐに判断できると、素因数分解がとても楽になります。

ここでは、\(\bf{2}\)、\(\bf{3}\)、\(\bf{5}\)、\(\bf{11}\) の倍数を判断する方法を紹介します。

2, 3, 5, 11 を約数にもつ数
  • \(\bf{2}\) の倍数
    下一桁が \(2\) の倍数である数(= 偶数)
    (例)
    \(1\underline{2}\)、\(3\underline{8}\)、\(55\underline{6}\)
  • \(\bf{3}\) の倍数
    各桁の数字を足すと \(3\) の倍数になる数
    (例)
    \(12(1 + 2 = \underline{3})\)
    \(135(1 + 3 + 5 = \underline{9})\)
    \(4476(4 + 4 + 7 + 6 = \underline{21})\)
  • \(\bf{5}\) の倍数
    下一桁が \(0\) または \(5\) である数
    (例)
    \(1\underline{0}\)、\(36\underline{5}\)、\(774\underline{0}\)
  • \(\bf{11}\) の倍数
    (偶数桁の和) − (奇数桁の和) が \(0\) または \(11\) の倍数となる数
    (例)
    \(88\)(\(8 − 8 = \underline{0}\))
    \(462\)(\((4 + 2) − 6 = \underline{0}\))
    \(2937\)(\((2 + 3) − (9 + 7) = \underline{− 11}\))

なお、\(7\) の倍数についても判定法が存在しますが、その方法を覚えるより、素直に \(7\) で割り算したほうが早いケースが多いです。

また、\(11\) 以降の素数の倍数についても、地道に割り算して探しましょう。

 

素因数分解の練習問題

実際に問題を解きながら、素因数分解の方法をマスターしましょう!

練習問題①「84 を素因数分解」

練習問題①
\(84\) を素因数分解せよ。

 

L字の筆算で、もりもり割り算していきましょう。

解答

 

\(84\) を素因数分解すると、

\(\begin{align}84 &= 2 \times 2 \times 3 \times 7 \\&= 2^2 \times 3 \times 7\end{align}\)

 

答え: \(84 = 2^2 \times 3 \times 7\)

 

練習問題②「117 を素因数分解」

練習問題②
\(117\) を素因数分解せよ。

 

パッと見、何で割れるか判断しにくいですね。
こんなときは、約数・倍数の見つけ方 を参考にしましょう。

下一桁が \(7\)(奇数)のため、 \(2\) では割れません。
各桁を足し算してみると、\(1 + 1 + 7 = 9\) となり、\(3\) で割れますね!

ここをとっかかりに、割り算を進めましょう。

解答

 

\(117\) を素因数分解すると、

\(\begin{align}117 &= 3 \times 3 \times 13 \\&= 3^2 \times 13\end{align}\)

 

答え: \(117 = 3^2 \times 13\)

 

練習問題③「3174 を素因数分解」

練習問題③
\(3174\) を素因数分解せよ。

 

\(4\) 桁の数の素因数分解ですね…。

あせらずあわてず、小さい素数から割り算していきましょう。

解答

 

\(3174\) を素因数分解すると、

\(\begin{align}3174 &= 2 \times 3 \times 23 \times 23\\&= 2 \times 3 \times 23^2\end{align}\)

 

答え: \(3174 = 2 \times 3 \times 23^2\)

最後の素数、「\(23\)」を探すのが一苦労でしたね…。

練習問題以外にも、思いつく数字を試しに素因数分解してみて、計算に慣れていきましょう!

練習すればするほど、素因数分解のスピードが上がっていきます。

 

素因数分解の利用【応用問題】

最後に、素因数分解を利用した応用問題にチャレンジしてみましょう。

応用問題「最小の自然数を求める」

応用問題

(1) \(540\) に自然数 \(n\) をかけるとある数の \(2\) 乗となるとき、最小の自然数 \(n\) を求めよ。

 

(2) \(\sqrt{260n}\) を整数にする最小の自然数 \(n\) を求めよ。

 

素因数分解を利用した典型問題です。

どちらの問題も、「ある数の \(2\) 乗となるような数字を考える」という基本方針は同じです。

解答

 

(1)

\(540\) を素因数分解すると、

 

\(\begin{align}540 &= 2^2 \times 3^3 \times 5 \\&= (2 \times 3)^2 \times 3 \times 5\end{align}\)

 ↑ \(\bf{2}\) 乗になっていない部分を洗い出す

 

\(k\) を自然数とすると、\(n = 3 \times 5 \times k^2\) のとき

\(540n\)

\(= \{(2 \times 3)^2 \times 3 \times 5\} \times (3 \times 5 \times k^2)\)

\(= 2^2 \times 3^4 \times 5^2 \times k^2\)

\(= (2 \times 3^2 \times 5 \times k)^2\)

\(= (90k)^2\)

となり、\(540n\) が \(90k\) の \(2\) 乗となる。

 

したがって、\(k = 1\) のとき、\(n\) は最小値

\(n = 3 \times 5 \times 1^2 = 15\) をとる。

 

答え: \(n = 15\)

 

 

(2)

\(260\) を素因数分解すると、

\(260 = 2^2 \times 5 \times 13\)

 ↑ \(\bf{2}\) 乗になっていない部分を洗い出す

 

\(\sqrt{260n}\) が整数となるには、\(260n\) が整数の \(2\) 乗であればよい。

 

\(k\) を自然数とすると、\(n = 5 \times 13 \times k^2\) のとき

\(\begin{align}260n &= (2^2 \times 5 \times 13) \times (5 \times 13 \times k^2)\\&= 2^2 \times 5^2 \times 13^2 \times k^2\\&= (2 \times 5 \times 13 \times k)^2 \\&= (130k)^2\end{align}\)

となり、\(260n\) が \(130k\) の \(2\) 乗となる。

 

したがって、\(k = 1\) のとき、 \(n\) は最小値

\(n = 5 \times 13 \times 1^2 = 65\) をとる。

 

答え: \(n = 65\)

以上で応用問題も終わりです!

 

素因数分解のテクニックは、ほかの単元でも利用することがあるためとても重要です。

練習問題や応用問題を繰り返し解いて、素因数分解の基礎をマスターしてくださいね。

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