反比例とは?式やグラフの書き方、記号、問題の解き方

この記事では「反比例」について、意味や式・グラフの書き方をわかりやすく解説していきます。

反比例の関数の問題や、変化の割合の求め方なども紹介していきますので、この機会にぜひマスターしてくださいね。

 

反比例とは?

反比例とは、\(2\) つの数の積が一定となる関係のことです。

\(2\) つの数について、一方が \(2\) 倍、 \(3\) 倍となると、もう一方の数が \(\displaystyle \frac{1}{2}\) 倍、\(\displaystyle \frac{1}{3}\) 倍となるとき、その \(2\) つの数は「反比例の関係にある」といいます。

 

反比例の定義

反比例の関係にある \(2\) つの数は次の式で表すことができます。

反比例の定義

\(y\) が \(x\) に反比例するとき、\(0\) でない定数 \(a\) を用いて次の式で表される。

\begin{align}\displaystyle \color{red}{ y = \frac{a}{x}}\end{align}

このとき、\(a\) を反比例の比例定数という。

 

反比例関係の例

例えば、下の表の「アメの個数」とアメを分ける「人数」は反比例の関係にあります。

アメを \(1\) 人で独占すると \(60\) 個です。アメを分ける人数を \(2\) 倍の \(2\) 人にすると、\(1\) 人当たりのアメの個数は \(\displaystyle\frac{1}{2}\) 倍の \(30\) 個になりますね。

 

アメの個数と分ける人数をそれぞれかけ算してみると、「\(60\)」という一定の値(= 定数)になります。

これが「反比例の比例定数」です。

これを用いて \(2\) つの数の関係を式に表すと、

\(\text{(1 人当たりのアメの個数)} = \displaystyle \frac{60}{\text{(分ける人数)}}\)

この式を言葉で説明すれば、「1 人当たりのアメの個数は分ける人数に反比例し、このときの比例定数は \(60\) である」ということになります。

補足

「比例定数」という言葉は比例でも反比例でも同じですが、意味はまったく異なるので注意しましょう。

 

反比例の記号

反比例の関係は次の記号で表すことができます。

反比例の記号

\(y\) が \(x\) に反比例するとき、記号「\(\propto^{−1}\)」を用いて

\begin{align}\color{red}{y \propto^{−1} x}\end{align}

と表せる。

 

先ほどの「\(1\) 人当たりのアメの個数は分ける人数に反比例する」は、比例記号を用いて

\((1 人当たりのアメの個数) \, \propto^{−1} (分ける人数)\)

と表せます。

必ず主語を左側におくのがルールです。

問題を解いていく中で出てくることは少ないかもしれませんが、いきなり出てきてもあせらないように覚えておきましょう!

 

反比例の比例定数の求め方【例題】

それでは、簡単な例題を通して反比例の比例定数を求める方法を説明していきます。

例題
\(x\) と \(y\) が反比例の関係にあり、\(x = 3\) のとき \(y = 6\) である。このときの比例定数と反比例の式を求めよ。

 

反比例の比例定数を求めれば、自ずと反比例の式もわかりますね。

反比例の式 \(\displaystyle y = \frac{a}{x}\) の両辺に \(x\) をかけると、

\(xy = a\)
\(a = xy\)

となります。

つまり、比例定数 \(a\) は \(x\) と \(y\) のかけ算で求められますね。

\(x = 3\), \(y = 6\) より、比例定数 \(a\) は

\(a = 3 \cdot 6 = \color{red}{18}\)

 

よって、反比例の式は \(\color{red}{\displaystyle y = \frac{18}{x}}\)

 と求められますね。

 

反比例のグラフの書き方

反比例のグラフは「(直角)双曲線」と呼ばれ、\(x\) 軸、\(y\) 軸に限りなく近づく \(2\) 本の曲線です。

比例定数が正の場合第一象限と第三象限に、負の場合第二象限と第四象限に双曲線が現れます。

Tips

曲線が限りなく近づく直線のことを「漸近線」と呼びます。

反比例の双曲線における漸近線は、\(x\) 軸と \(y\) 軸ですね。

双曲線以外にも漸近線に近づいていく図形があるので、この言葉は覚えておきましょう。

 

ここでは、反比例のグラフをきれいに、簡単に書く方法を紹介していきます。

例題

\(\displaystyle y = \frac{18}{x}\) のグラフを書け。

 

STEP.1
いくつかの座標を求める

グラフを書き始める前に、いくつかの点の座標を調べておきましょう。

反比例のグラフは曲線なので、通る点はより多く打つ方がきれいに書けます。

点の座標を調べるときは、\(x\) と \(y\) の対応表を作るといいでしょう。

求める座標は、\(x\) 座標と \(y\) 座標がどちらも整数のものが書きやすいのでオススメです。

比例定数の約数のペアを探すと簡単ですよ。

 

STEP.2
軸を用意する

座標を調べ終わったら、グラフを書き始めましょう。

\(x\) 軸、\(y\) 軸を書き、原点 \(\mathrm{O}\) を記入します。

 

STEP.3
点を打っていく

STEP.1 で調べた点をグラフ上に打っていきます。

面倒ですが、座標の値はしっかりと記入しましょう

 

STEP.4
なめらかな曲線を引く

最後に、STEP.3 で打った点を通るなめらかな曲線を \(2\) 本引けば、反比例のグラフの完成です。

Tips

反比例の曲線を引くときは、曲線が \(x\) 軸と \(y\) 軸(漸近線)に交わらないように注意しましょう。

\(x\) 軸と \(y\) 軸に限りなく近づけるけれど、絶対に交わらせないのがポイントです。

 

完了

 

反比例の計算問題

それでは、反比例の問題に慣れていきましょう。

計算問題①「分数を含む反比例の式」

計算問題①

\(y\) は \(x\) に反比例し、\(\displaystyle x = \frac{1}{3}\) のとき \(y = − 2\) である。以下の問題に答えよ。

(1) 反比例の式を求めよ。

(2) \(x = − 4\) のとき \(y\) の値を求めよ。

(3) この反比例のグラフを書け。

 

分数が出てくる問題でも解き方は同じなので、あせらず計算しましょう。

ただし、グラフを書くときに点の座標に分数が含まれることだけは覚悟しておきましょう。

解答

 

(1)

\(\displaystyle x = \frac{1}{3}\) のとき \(y = − 2\) なので、比例定数 \(a\) は

\(\displaystyle a = \frac{1}{3} \cdot (−2) = −\frac{2}{3}\)

 

よって、式は

\(\displaystyle y = \frac{−\frac{2}{3}}{x} = −\frac{2}{3x}\)

 

答え: 

比例定数 \(\displaystyle \color{red}{−\frac{2}{3}}\)

反比例の式 \(\displaystyle \color{red}{y = −\frac{2}{3x}}\)

 

 

(2)

\(x = − 4\) を \(\displaystyle y = −\frac{2}{3x}\) に代入すると

\(\displaystyle y = −\frac{2}{3 \cdot (−4)} = \frac{1}{6}\)

 

答え: \(\displaystyle \color{red}{y = \frac{1}{6}}\)

 

 

(3)

答え:

 

計算問題②「式、変化の割合、グラフを求める」

計算問題②

\(y\) は \(x\) に反比例し、\(x = 2\) のとき \(y = 4\) である。以下の問題に答えよ。

(1) 反比例の式を求めよ。

(2) \(x\) が \(−8\) から \(−4\) に増加するときの変化の割合を求めよ。

(3) この反比例のグラフを書け。

 

比例では変化の割合と比例定数が等しいですが、反比例では範囲によって異なります。

変化の割合の公式を思い出して解いてみましょう。

変化の割合

\(x\) の変化量に対する \(y\) の変化量の割合。

\begin{align}\displaystyle (\text{変化の割合}) = \frac{(y \, \text{の変化量})}{(x \, \text{の変化量})}\end{align}

解答

 

(1)

\(x = 2\) のとき \(y = 4\) なので、比例定数 \(a\) は

\(a = 2 \cdot 4 = 8\)

よって式は

\(\displaystyle y = \frac{8}{x}\)

 

答え: 

比例定数 \(\color{red}{8}\)

反比例の式 \(\displaystyle \color{red}{y = \frac{8}{x}}\)

 

 

(2)

\(x = −8\) のとき、

\(\displaystyle y = \frac{8}{−8} = −1\)

 

\(x = −4\) のとき、

\(\displaystyle y = \frac{8}{−4} = −2\)

 

よって、\(x\) が \(−8\) から \(−4\) に増加するときの変化の割合は

\(\displaystyle \frac{(−2) − (−1)}{(−4) − (−8)} = \frac{−2 + 1}{−4 + 8} = −\frac{1}{4}\)

 

答え: \(\displaystyle \color{red}{−\frac{1}{4}}\)

 

 

(3)

答え:

 

反比例の応用問題

最後に応用問題に挑戦して、反比例への理解をさらに深めましょう!

応用問題①「水槽の文章題」

応用問題①

(1) \(45 \ \mathrm{L}\) の水が入る水槽に毎分 \(x \ \mathrm{L}\) の水を入れると \(y\) 分でいっぱいになるとする。

このとき、\(x\) と \(y\) の関係を式に表せ。

(2) (1) で求めた式をグラフに表せ。

 

問題文の中に反比例という言葉はありませんが、実はこれも反比例の問題です。

解答

 

(1)

\(45 \ \mathrm{L}\) の水が入る水槽に毎分 \(x \ \mathrm{L}\) の水を入れると \(y\) 分でいっぱいになることから、

\(xy = 45\) が成り立つ。

 

よって \(\displaystyle y = \frac{45}{x}\)

 

答え: \(\displaystyle \color{red}{y = \frac{45}{x}}\)

 

 

(2)

答え:

 

応用問題②「変域から式を求める」

応用問題②

\(y\) は \(x\) に反比例し、\(x\) の変域が \(2 \leq x \leq 8\) のとき、\(y\) の変域が \(2 \leq y \leq 8\) となる。

このとき、\(y\) を \(x\) の式で表せ。

 

「変域」という範囲をヒントに式を作る問題ですね。

少し難しそうに見えますが、手順を覚えてしまえばどうということはないので実際に解いて確認しましょう。

解答

 

\(x\) の変域が \(2 \leq x \leq 8\) のとき \(y\) の変域が \(2 \leq y \leq 8\) となることより、反比例のグラフは \((2, 8)\), \((8, 2)\) までの間となる。

 

比例定数 \(a\) は、

\(a = xy = 2 \cdot 8 = 16\)

よって、求める式は \(\displaystyle y = \frac{16}{x}\)

 

答え: \(\displaystyle \color{red}{y = \frac{16}{x}}\)

おつかれさまでした、これで応用問題も終了です。

 

反比例は少し複雑そうに見えるかもしれませんが、たくさん練習すれば必ず解けるようになります。

ぜひマスターしてくださいね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です