線形計画法とは?例題(文章題)の解き方をわかりやすく解説!

この記事では、「線形計画法」についてできるだけわかりやすく解説していきます。

文章題などの解き方を例題を通してていねいに説明していきますので、ぜひこの記事を通してマスターしてくださいね。

 

線形計画法とは?

線形計画法とは、いくつかの一次不等式を満たす領域において、ある一次関数の値を最大化または最小化する変数の値を求める方法です。

高校数学では、「領域における最大・最小」の問題に線形計画法が関わっています。

しかし、線形計画法を単純な一次不等式・一次関数の領域の問題とあなどってはいけません。

 

線形計画法は、「一定の制限下で対象を最適化する」という目的に答えます。

つまり、「限られた材料、予算のなかで最大の利益や効率を得るにはどうすればいいか?」という問いに答えられるのです。

実際のビジネスの中で、線形計画法の考え方は生産効率化経営最適化に利用されています。

 

線形計画法による領域問題の解き方

線形計画法の問題は、次の \(3\) つの手順で解くことができます。

線形計画法による解法
  1. 与えられた不等式を満たす領域を図示する
  2. 求めたいものを別の文字(\(k\) など)でおく(= 目的関数)
  3. 領域内で目的関数を動かし、最大・最小を得る

 

実際に不等式と領域の例題で線形計画法の流れを確認しましょう。

例題

\(x, y\) が \(4\) つの不等式 \(x \geq 0\), \(y \geq 0\), \(x + 2y \leq 6\), \(2x + y \leq 6\) を満たすとき、\(x + y\) の最大値および最小値を求めよ。

 

STEP.1
与えられた不等式を満たす領域を図示する

まずは、与えられた不等式を満たす領域を座標平面上に図示します。

先に境界をなす直線の \(x\), \(y\) 切片直線同士の交点を求めておくとスムーズでしょう。

\(x + 2y = 6\) すなわち \(\displaystyle y = −\frac{1}{2} x + 3\) は

点 \((0, 3)\), \((6, 0)\) を通る。

\(2x + y = 6\) すなわち \(y = −2x + 6\) は

点 \((0, 6)\), \((3, 0)\) を通る。

 

\(x + 2y = 6\) より \(x = −2y + 6\)

\(2x + y = 6\) に代入して

\(2(−2y + 6) + y = 6\)

\(−3y + 12 = 6\)

\(3y = 6\)

\(y = 2\), \(x = −2 \cdot 2 + 6 = 2\)

よって \(x + 2y = 6\) と \(2x + y = 6\) の交点は \((2, 2)\)

 

情報が整理できたら、グラフを書きます。

不等式の表す領域は以下の図の斜線部である(ただし、境界を含む)。

 

STEP.2
求めたいものを別の文字でおく

次に、求めたいもの、ここでは \(x + y\) を別の文字 \(k\) でおきます

これが線形計画法の最大のポイントです。

\(\color{salmon}{x + y = k}\) …① とおく。

①は、線形計画法における「目的関数」と呼ばれます。

目的関数も一次式となっていることから、\(k\) の値によって上下に動く直線と考えることができます。

\(y = −x + k\) より、これは傾き \(−1\)、\(y\) 切片 \((0, k)\) の直線を表す。

 

STEP.3
領域内で目的関数を動かし、最大・最小を得る

あとは、この直線がどこにいるときに \(k\) が最大・最小となるかを考えれば自ずと答えが求められます。

図より、直線①は

点 \((2, 2)\) を通るとき \(k\) が最大となり、\(k = 2 + 2 = 4\)

点 \((0, 0)\) を通るとき \(k\) が最小となり、\(k = 0 + 0 = 0\)

 

答え:

最大値 \(\color{red}{4}\)、最小値 \(\color{red}{0}\)

Tips

最後に最大・最小となる点を探すときは、直線の傾きに注意してください。

今回は、①が境界線同士(\(x + 2y = 6\) と \(2x + y = 6\))の間にある位置で最大となりましたが、いつもそうとは限りません。

最大・最小となる点を見極めるときは、傾きの大小関係に注目しましょう。

 

完了

 

線形計画法の練習問題

それでは、線形計画法の練習問題に挑戦しましょう。

練習問題①「連立一次不等式と最大・最小」

練習問題①

\(x, y\) が連立不等式 \(x + y \geq 1\), \(2x + y \leq 6\), \(x + 2y \leq 4\) を満たすとき、\(2x + 3y\) の最大値と最小値を求めよ。

 

境界線の傾きと、目的関数の傾きの大小によく注意しましょう。

解答

 

境界線の関数はそれぞれ

\(x + y = 1\) すなわち \(y = −x + 1\) …①

\(2x + y = 6\) すなわち \(y = −2x + 6\) …②

\(x + 2y = 4\) すなわち \(\displaystyle y = −\frac{1}{2} x + 2\) …③

 

①と②の交点は \((5, −4)\)

②と③の交点は \(\displaystyle \left( \frac{8}{3}, \frac{2}{3} \right)\)

③と①の交点は \((−2, 3)\)

 

よって不等式の表す領域は下図の斜線部である(ただし、境界を含む)。

 

ここで、\(2x + 3y = k\) …④ とおくと、

\(\displaystyle y = −\frac{2}{3} x + \frac{k}{3}\) より、これは傾き \(\displaystyle −\frac{2}{3}\)、\(y\) 切片 \(\displaystyle \frac{k}{3}\) の直線を表す。

 

図より、直線④が点 \(\displaystyle \left( \frac{8}{3}, \frac{2}{3} \right)\) を通るとき \(k\) は最大で、

\(\begin{align} k &= 2 \cdot \frac{8}{3} + 3 \cdot \frac{2}{3} \\ &= \frac{16 + 6}{3} \\ &= \frac{22}{3} \end{align}\)

 

また、直線④が点 \((5, −4)\) を通るとき \(k\) は最小で、

\(\begin{align} k &= 2 \cdot 5 + 3 \cdot (−4) \\ &= 10 − 12 \\ &= −2 \end{align}\)

 

答え:

最大値 \(\color{red}{\displaystyle \frac{22}{3}}\) (\(\color{red}{\displaystyle x = \frac{8}{3}, y = \frac{2}{3}}\) のとき)

最小値 \(\color{red}{−2}\) (\(\color{red}{x = 5, y = −4}\) のとき)

 

練習問題②「利益を求める文章題」

練習問題②

ある会社の製品 A および B を \(1\) 個作るのに要する電力はそれぞれ \(2\ \mathrm{kW/h}\), \(3\ \mathrm{kW/h}\)、ガスはそれぞれ \(2\ \mathrm{m}^3\), \(1\ \mathrm{m}^3\) である。

なお、製造に使用できる電力の上限は \(19\ \mathrm{kW/h}\)、ガスの上限は \(13\ \mathrm{m}^3\) である。

\(1\) 製品あたりの利益が A は \(7\) 万円、B が \(5\) 万円であるとき、A と B を何個ずつ作れば利益が最大となるか。また、そのときの利益を求めよ。

 

文章題の場合は、まず条件を不等式で表しましょう。

Tips

このとき、問題文の情報を次のような表に整理するとより理解しやすくなります。

 

A の個数、B の個数、消費電力量、消費ガス量に関する \(4\) つの不等式が立てられます。

あとは、通常の線形計画法の手順で最大を求めましょう。

解答

 

A を \(x\) 個、B を \(y\) 個作るとすると、

\(x \geq 0\) …①, \(y \geq 0\) …②

電力の制限から \(2x + 3y \leq 19\) …③

ガスの制限から \(2x + y \leq 13\) …④

 

この条件のもと、利益 \(7x + 5y\) (万円) を最大にする \(x\), \(y\) の値を求めればよい。

 

③の境界は \(2x + 3y = 19\) すなわち \(\displaystyle y = −\frac{2}{3} x + \frac{19}{3}\)

④の境界は \(2x + y = 13\) すなわち \(y = −2x + 13\)

それらの交点は \((5, 3)\)

 

よって、不等式①〜④の表す領域は以下の図の斜線部である(ただし、境界を含む)。

 

\(7x + 5y = k\) …⑤ とおくと、

\(\displaystyle y = −\frac{7}{5} x + \frac{k}{5}\) より、傾き \(\displaystyle −\frac{7}{5}\)、\(y\) 切片 \(\displaystyle \frac{k}{5}\) の直線を表す。

 

\(\displaystyle −2 < −\frac{7}{5} < −\frac{2}{3}\) であるから、直線⑤が点 \((5, 3)\) を通るとき \(k\) は最大となる。

このとき、

\(k = 7 \cdot 5 + 5 \cdot 3 = 35 + 15 = 50\) (万円)

 

答え: A を \(\color{red}{5}\) 個、B を \(\color{red}{3}\) 個作るとき利益は最大値 \(\color{red}{50}\) 万円をとる

以上で問題も終わりです。

 

線形計画法は生産効率化や経営最適化にも使われる非常に便利な実学です。

高校生でも十分理解できる内容なので、この機会にぜひ知識を深めてくださいね!

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