この記事では、数学やグラフで出てくる「象限」の意味について、わかりやすく解説していきます。
ぜひこの記事を通してマスターしてくださいね!
目次
象限とは?
象限とは、座標平面を直交座標軸(\(x\) 軸と \(y\) 軸)で区切った \(4\) つの領域のことです。
第一象限・第二象限・第三象限・第四象限
\(4\) つの領域にはそれぞれ名前があり、右上から反時計回りに「第一象限」「第二象限」「第三象限」「第四象限」と呼ばれます。
ちなみに、\(x\) 軸、\(y\) 軸と原点はどの象限にも含まれません。
象限ごとの座標の符号
ある点が位置する象限ごとの \((x, y)\) 座標の正負は次のようになります。
位置する象限 | \(x\) 座標 | \(y\) 座標 |
---|---|---|
第一象限 | 正 | 正 |
第二象限 | 負 | 正 |
第三象限 | 負 | 負 |
第四象限 | 正 | 負 |
象限の配置と、\(x\), \(y\) 座標の正負の対応は必ず把握しておきましょう。
象限と三角関数
三角関数の問題では、ある動径がどの象限に含まれているのかを聞かれることがあります。
ここでは、動径の書き方と象限ごとの三角関数の符号について見ていきましょう。
動径とは?
動径とは、ある角度を半直線の回転で定義するとき、元の半直線(始線)に対して回転したと考えられる半直線のことです。
動径の正の回転方向は、象限と同じく反時計回りですね。
動径の書き方と象限
ある動径が存在する象限を調べるには、その動径を図示するのが基本です。
\(390^\circ\) の動径が含まれる象限を答えよ。
動径の一般角の公式
動径 \(\mathrm{OP}\) を表す \(1\) つの角を \(\alpha\) とすると、一般角 \(\theta\) は
\(\begin{align}\theta &= \alpha + 360^\circ n \ (\text{度数法}) \\&= \alpha + 2n\pi \ (\text{弧度法})\end{align}\)
\((n = 0, \pm 1, \pm 2, \cdots)\)
\(390^\circ\) の動径を考えると、
つまり、始線から \(1\) 周してさらに \(30^\circ\) 進むので、以下のように図示できます。
あとは、この動径が含まれる象限を答えるだけですね。
したがって、答えは第一象限です。
象限ごとの三角関数の符号
角 \(\theta\) が存在する象限に応じて、三角関数の符号は次のようになります。
位置する象限 | \(\sin \theta\) の符号 | \(\cos \theta\) の符号 | \(\tan \theta\) の符号 |
---|---|---|---|
第一象限 | 正 | 正 | 正 |
第二象限 | 正 | 負 | 負 |
第三象限 | 負 | 負 | 正 |
第四象限 | 負 | 正 | 負 |
\(\sin\) は縦軸(\(y\) 軸)の値、\(\cos\) は横軸(\(x\) 軸)の値、\(\tan\) は動径の傾きの値ととらえると、符号も理解しやすいですよ。
三角関数の問題では、それぞれがとりうる値の範囲を必ず調べましょう。
象限の練習問題
それでは、象限の練習問題を解いていきましょう。
練習問題①「点がどの象限にあるか」
座標平面において、次の点がどの象限にあるか答えなさい。
(1) \((−7, 2)\)
(2) \((9, 4)\)
(3) \((1, −3)\)
大体の位置でいいので、座標平面に点を打ってみましょう。
各象限の配置をしっかり覚えていれば楽勝ですね。
座標平面にそれぞれ点を打つと以下のようになる。
答え:
(1) 第二象限、(2) 第一象限、(3) 第四象限
練習問題②「動径が含まれる象限を答える」
次の角の動径が含まれる象限を答えよ。
(1) \(120^\circ\)
(2) \(\displaystyle \frac{5}{3} \pi\)
(3) \(−100^\circ\)
(4) \(\displaystyle \frac{13}{6} \pi\)
動径を図示し、どの象限に含まれているか確認してみましょう。
(1)
\(120^\circ = 120^\circ + 360^\circ \cdot 0\)
よって \(120^\circ\) の動径は以下のようになる。
図より、\(120^\circ\) の動径は第二象限に含まれる。
答え: 第二象限
(2)
\(\displaystyle \frac{5}{3} \pi = \frac{5}{3} \pi + 2\pi \cdot 0\)
\(\displaystyle \frac{3}{2} \pi < \frac{5}{3} \pi < 2\pi\) なので、 \(\displaystyle \frac{5}{3} \pi\) の動径は以下のようになる。
図より、\(\displaystyle \frac{5}{3} \pi\) の動径は第四象限に含まれる。
答え: 第四象限
(3)
\(−100^\circ = −100^\circ + 360^\circ \cdot 0\)
つまり、負の向きに \(100^\circ\) 進むので、\(−100^\circ\) の動径は以下のようになる。
図より、\(−100^\circ\) の動径は第三象限に含まれる。
答え: 第三象限
(4)
\(\displaystyle \frac{13}{6} \pi = \frac{1}{6} \pi + 2\pi \cdot 1\)
\(\displaystyle 0 < \frac{1}{6} \pi < \frac{1}{2} \pi\) なので、\(\displaystyle \frac{13}{6} \pi\) の動径は以下のようになる。
図より、\(\displaystyle \frac{13}{6} \pi\) の動径は第一象限に含まれる。
答え: 第一象限
以上で練習問題も終わりです!
象限について理解が深まりましたか?
グラフや三角関数を学んでいく上で基本的な内容になるので、この記事でしっかりと復習しておきましょうね!