集合とは?数学記号の読み方や意味、計算問題の解き方

この記事では、「集合」の意味や問題の解き方をできるだけわかりやすく解説していきます。

集合の表し方、記号の読み方や意味、重要な法則・公式などを紹介していきます。この記事を通してぜひマスターしてくださいね。

 

集合とは?

集合とは、何らかの条件によって明確にグループ分けできる「もの」の集まりのことです。

 

要素、全体集合と部分集合

集合に含まれる \(1\) つ \(1\) つの「もの」を、その集合の要素と呼びます。「要素」は、それ以上分割できない単位の「もの」です。

集合を考えるときは、まず最初に全体集合 \(\bf{U}\) を定義します。

そして、全体集合 \(U\) に含まれる個々の集合を部分集合と呼びます。

 

例えば、「人間」という全体集合には、「イチロー、タイガー・ウッズ、プーチン大統領・・・」といった要素が含まれます。

「人間」の中でも、「イチロー」は「日本人」、「タイガー・ウッズ」は「アメリカ人」というように、個々の部分集合に所属しています。

 

集合と要素の個数の表し方

集合の表し方には、次の \(2\) つの方法があります。

集合の表現方法
  1. 要素を \(1\) つ \(1\) つ書き並べる場合
    \(\color{red}{A = \{a, b, c, \cdots\}}\)
  2. 要素の満たす条件を示す場合
    \(\color{red}{A = \{x \mid \text{条件}\}}\)

 

また、要素の個数は次のように表します。

要素の個数

集合 \(A\) に含まれる要素の個数は

\begin{align}\color{red}{n(A)}\end{align}

 

例えば、 \(16\) の正の約数の集合を \(A\) とします。

集合 \(A\) とその個数を表してみましょう。

  • 要素を \(1\) つ \(1\) つ書き並べる場合
    \(\color{red}{A = \{ 1, 2, 4, 8, 16 \}}\)
  • 要素の満たす条件を示す場合
    \(\color{red}{A = \{x \mid x}\) \(\color{red}{16}\) の正の約数\(\color{red}{\}}\)

 

要素の個数は、\(\color{red}{n(A) = 5}\)

これが集合の表し方の基本になるので、しっかり押さえておきましょう!

 

集合の記号の読み方・意味

ここでは、集合の数学記号の読み方や意味を説明していきます。

よく使われる次の \(6\) つの記号について順番に学んでいきましょう。

 

要素 ∈

\(a\) が集合 \(A\) の要素であるとき、 記号 \(\in\) を使って「\(\color{red}{a \in A}\)」と表します。

 

部分集合 ⊂

集合 \(B\) が集合 \(A\) に含まれるとき、「\(B\) は \(A\) の部分集合である」といい、記号 \(\subset\) を使って「\(\color{red}{B \subset A}\)」と表します。

 

共通部分 ∩

集合 \(A\) と集合 \(B\) の両方に属する要素全体の集合を「\(A\) と \(B\) の共通部分」といい、記号 \(\cap\) を使って「\(\color{red}{A \cap B}\)」と表します。

補足

共通部分のことを「積集合」と呼ぶこともあります。

 

和集合 ∪

集合 \(A\) と集合 \(B\) のいずれかに属する要素全体の集合を「和集合」といい、記号 \(\cup\) を使って「\(\color{red}{A \cup B}\)」と表します。

 

空集合 ∅

\(1\) つも要素を持たない集合のことを「空集合」といい、記号 \(\color{red}{\emptyset}\) を使って表します。

 

補集合  ̄

全体集合 \(U\) に含まれる要素で、集合 \(A\) に属さない要素全体を「\(A\) の補集合」といい、集合の上に棒記号を付けて「\(\color{red}{\overline{A}}\)」と表します。

 

以上が、集合における \(6\) つの記号でした。

どれも大切なので、何回か読み返してしっかり覚えるようにしましょう!

 

ドモルガンの法則

ドモルガンの法則とは、複数の集合の「和集合」および「共通部分」の補集合に関する \(2\) つの法則です。

\(1\) つ目は、複数の集合の和集合の補集合について成り立ちます。

ドモルガンの法則①

\(2\) つの集合 \(A\), \(B\) において、その和集合の補集合 \(\overline{A \cup B}\) は、\(A, B\) それぞれの補集合の共通部分 \(\overline{A} \cap \overline{B}\) と等しい。

\begin{align}\color{red}{\overline{A \cup B} = \overline{A} \cap \overline{B}}\end{align}

実際に図を書いてみると、法則が成り立つことがよくわかります。

 

ドモルガンの法則の \(2\) つ目は、複数の集合の共通部分の補集合について成り立ちます。

ドモルガンの法則②

\(2\) つの集合 \(A\), \(B\) において、その共通部分の補集合 \(\overline{A \cap B}\) は、\(A, B\) それぞれの補集合の和集合 \(\overline{A} \cup \overline{B}\) に等しい。

\begin{align}\color{red}{\overline{A \cap B} = \overline{A} \cup \overline{B}}\end{align}

この場合も、図を見てみると一目瞭然ですね。

Tips

ちなみに、ドモルガンの法則は集合の数が増えても成り立ちます

難関大の入試などで出てくるかもしれないので、頭の片隅に入れておきましょう!

\begin{align}\color{red}{\overline{A \cup B \cup C \cup \cdots} = \overline{A} \cap \overline{B} \cap \overline{C} \cap \cdots}\end{align}

\begin{align}\color{red}{\overline{A \cap B \cap C \cap \cdots} = \overline{A} \cup \overline{B} \cup \overline{C} \cup \cdots}\end{align}

 

ドモルガンの法則の覚え方

ドモルガンの \(2\) つの法則を並べて書いてみると、和集合共通部分を入れ替えただけなのがわかります。

  • 複数の集合の和集合の補集合は、それぞれの集合の補集合の共通部分になる。
  • 複数の集合の共通部分の補集合は、それぞれの集合の補集合の和集合になる。

記号で表しても同様で、 \(\bf{\color{skyblue}{\cup}}\) と \(\bf{\color{orange}{\cap}}\) を入れ替えただけです。

  • \(\overline{A \color{skyblue}{ \cup } B} = \overline{A} \color{orange}{ \cap } \overline{B}\)
  • \(\overline{A \color{orange}{ \cap } B} = \overline{A} \color{skyblue}{ \cup } \overline{B}\)

なので、どちらか片方の法則さえ覚えておけば、もう \(1\) つも簡単に思い出せますね!

 

例題「\(\overline{A \cup B}\)、\(\overline{A \cap B}\) を求める」

以下の例題で、ドモルガンの法則を使う練習をしておきましょう。

例題

全体集合 \(U = \{x \mid 0 \leq x \leq 7\) の整数\(\}\)、\(A = \{2, 4, 7\}\)、\(B = \{1, 2, 4, 5\}\) とするとき、 \(\overline{A \cup B}\) および \(\overline{A \cap B}\) をドモルガンの法則を使って求めなさい。

 

各集合に含まれる要素が明らかなのでそのまま解くこともできますが、ドモルガンの法則を使えと指示があるのでそれに従いましょう。

解答

 

集合 \(A\), \(B\) の補集合は次のとおり。

\(\overline{A} = \{0, 1, 3, 5, 6\}\)

\(\overline{B} = \{0, 3, 6, 7\}\)

 

ドモルガンの法則より、

\(\begin{align} \overline{A \cup B} &= \overline{A} \cap \overline{B} \\ &= \{0, 3, 6\} \end{align}\)

 

\(\begin{align} \overline{A \cap B} &= \overline{A} \cup \overline {B} \\ &= \{0, 1, 3, 5, 6, 7\} \end{align}\)

 

答え: 

\(\color{red}{\overline{A \cup B} = \{0, 3, 6\}}\)

\(\color{red}{\overline{A \cap B} = \{0, 1, 3, 5, 6, 7\}}\)

 

和集合の公式

和集合の公式とは、\(2\) つあるいは \(3\) つの集合の和集合に含まれる要素の数を求める公式です。

和集合の公式

【\(\bf{2}\) つの集合の場合】
集合 \(A\) と集合 \(B\) の和集合 \(A \cup B\) の要素の個数は次のとおりとなる。
\begin{align}\color{red}{n(A \cup B) = n(A) + n(B) − n(A \cap B)}\end{align}

 

【\(\bf{3}\) つの集合の場合】
集合 \(A\)、集合 \(B\)、集合 \(C\) の和集合 \(A \cup B \cup C\) の要素の個数は次のとおりとなる。
\(\color{red}{n(A \cup B \cup C)}\)

\(\color{red}{= n(A) + n(B) + n(C)}\)\(\color{red}{\ − n(A \cap B) − n(B \cap C) − n(C \cap A)}\)\(\color{red}{\ + n(A \cap B \cap C)}\)

 

単純に各集合の要素を足し算すると、共通部分の要素は重複して足し算されます(図で色が濃くなっている部分)。

したがって、各集合の要素を足したものから共通部分の要素の数を引くことで、和集合の要素の数が求められます。

 

\(3\) つの和集合の公式は直感的にわかりにくいので、ベン図を見てみましょう。

\(3\) つの集合の要素の数を足すと、\(2\) 回重複して足される部分と、\(3\) 回重複して足される部分ができます。

そこで、集合 \(2\) つずつの共通部分 \(A \cap B\)、\(B \cap C\)、\(C \cap A\) の要素の数を引き、\(3\) つの共通部分の要素の数 \(n(A \cap B \cap C)\) を加えます。

そうすると、すべての要素の数を \(1\) 回ずつ数えられることになります。

 

例題「\(n(A \cup B)\) を求める」

和集合の公式の使い方を、以下の例題で練習しましょう。

例題

以下の \(2\) つの集合について、和集合の要素の数 \(n(A \cup B)\) を求めよ。

\(A = \{1, 2, 3, 4\}\)

\(B = \{3, 4, 5\}\)

 

和集合の公式を書き出し、公式に当てはめる数値を求めていきましょう。

解答

 

和集合の公式より

\(n(A \cup B) = n(A) + n(B) − n(A \cap B)\)

 

\(n(A) = 4\)、\(n(B) = 3\)、

\(A \cap B = \{3, 4\}\) より \(n(A \cap B) = 2\) であるから、

 

和集合の要素の個数は

\(\begin{align} n(A \cup B) &= n(A) + n(B) − n(A \cap B) \\ &= 4 + 3 − 2 \\ &= 5 \end{align}\)

 

答え: \(\color{red}{n(A \cup B) = 5}\)

実際に、集合 \(A\) と 集合 \(B\) の和集合は

\(A \cup B = \{1, 2, 3, 4, 5\}\)

ですので、要素の数 \(n(A \cup B)\) は公式で求めたとおり、\(5\) になりますね。

例題は公式を使うまでもないですが、特に要素の数が多いときはとても役に立ちますよ!

 

集合の練習問題

それでは、今まで学習してきた方法を使って実際に問題を解いてみましょう。

練習問題①「集合と要素の個数を求める」

練習問題①

全体集合 \(U = \{x \mid x\) は \(1\) から \(30\) までの自然数\(\}\)、部分集合 \(A = \{a \mid a\) は \(2\) の倍数\(\}\)、\(B = \{b \mid b\) は \(5\) の倍数\(\}\) のとき、次の集合とその要素の個数を求めよ。

(1) \(A \cap B\)

(2) \(A \cup B\)

(3) \(\overline{A}\)

(4) \(A \cap \overline{B}\)

 

集合の要素が数えられる程度の個数(数個〜数十個)の場合は、実際にベン図を書いてみると理解しやすいです。

解答

 

(1)

\(A\) と \(B\) の共通部分 \(A \cap B\) は \(10\) の倍数である。

全体集合 \(U\) が \(1\) から \(30\) までの自然数なので、

\(A \cap B = \{10, 20, 30\}\)

\(n(A \cap B) = 3\) である。

 

 

答え:

\(A \cap B = \{10, 20, 30\}\)

\(n(A \cap B) = 3\)

 

 

(2)

\(A\) と \(B\) の和集合 \(A \cup B\) は \(2\) の倍数または \(5\) の倍数である。

全体集合 \(U\) が \(1\) から \(30\) までの自然数なので、

\(A \cup B\) \(= \{2, 4, 5,\) \(6, 8, 10,\) \(12, 14, 15,\) \(16, 18, 20,\) \(22, 24, 25,\) \(26, 28, 30\}\)

 

\(n(A \cup B) = 18\)

 

 

答え:

\(A \cup B\) \(= \{2, 4, 5,\) \(6, 8, 10,\) \(12, 14, 15,\) \(16, 18, 20,\) \(22, 24, 25,\) \(26, 28, 30\}\)

\(n(A \cup B) = 18\)

 

 

(3)

\(A\) の補集合は \(2\) の倍数でない \(30\) 以下の自然数である。

よって、

\(\overline{A}\) \(= \{1, 3, 5,\) \(7, 9, 11,\) \(13, 15, 17,\) \(19, 21, 23,\) \(25, 27, 29\}\)

\(n(\overline{A}) = 15\)

 

 

答え:

\(\overline{A}\) \(= \{1, 3, 5,\) \(7, 9, 11,\) \(13, 15, 17,\) \(19, 21, 23,\) \(25, 27, 29\}\)

\(n(\overline{A}) = 15\)

 

 

(4)

\(A \cap \overline{B}\) は、 \(2\) の倍数であるが、 \(5\) の倍数ではない要素の集合である。

全体集合が \(1\) から \(30\) までの自然数なので、

\(A \cap \overline{B}\) \(= \{2, 4, 6,\) \(8, 12, 14,\) \(16, 18, 22,\) \(24, 26, 28\}\)

\(n(A \cap \overline{B}) = 12\)

 

 

答え:

\(A \cap \overline{B}\) \(= \{2, 4, 6,\) \(8, 12, 14,\) \(16, 18, 22,\) \(24, 26, 28\}\)

\(n(A \cap \overline{B}) = 12\)

 

練習問題②「要素を書き出す」

練習問題②

全体集合 \(U\) が \(1\) ~ \(20\) までの自然数であり、この全体集合の部分集合で、要素が \(3\) の倍数の集合を \(A\)、要素が \(5\) の倍数の集合を \(B\) とするとき、次の集合を要素を書き並べる方法で表せ。

(1) \(\overline{A} \cup \overline{B}\)

(2) \(\overline{A} \cap \overline{B}\)

 

練習問題①のようにベン図を用いてもよいですが、ドモルガンの法則に注目するとより簡単に求められます。

解答

 

(1)

ドモルガンの法則より、

\(\overline{A} \cup \overline{B} = \overline{A \cap B}\)

求める集合は \(A\) と \(B\) の共通部分の補集合である。

共通部分 \(A \cap B\) は \(15\) の倍数であるから、

\(A \cap B = \{15\}\)

求める集合はその補集合で、

\(\{1, 2, 3,\) \(4, 5, 6,\) \(7, 8, 9,\) \(10, 11, 12,\) \(13, 14, 16,\) \(17, 18, 19, 20\}\)

 

答え:

\(\{1, 2, 3,\) \(4, 5, 6,\) \(7, 8, 9,\) \(10, 11, 12,\) \(13, 14, 16,\) \(17, 18, 19, 20\}\)

 

 

(2)

ドモルガンの法則より、

\(\overline{A} \cap \overline{B} =\overline{A \cup B}\)

よって、求める集合は \(A\) と \(B\) の和集合の補集合である。

 

和集合 \(A \cup B = \{3, 5, 6, 9, 10, 12, 15, 18, 20\}\) より、求める集合は以下となる。

\(\{1, 2, 4, 7, 8, 11, 13, 14, 16, 17, 19\}\)

 

答え: \(\{1, 2, 4, 7, 8, 11, 13, 14, 16, 17, 19\}\)

 

練習問題③「3 または 7 で割り切れる整数」

練習問題③

\(1\) から \(1000\) までの整数のうち、\(3\) または \(7\) で割り切れるものはいくつあるか。

 

全体集合が大きいので、すべての要素を調べるのは大変です。

和集合の公式を利用してみましょう。

解答

 

\(U = \{x \mid 1\) から \(1000\) までの整数\(\}\)

\(A = \{x \mid 3\) の倍数\(\}\)

\(B = \{x \mid 7\) の倍数\(\}\)

とする。

 

\(1000 \div 3 = 333\) 余り \(1\) より、

\(n(A) = 333\)

 

\(1000 \div 7 = 142\) 余り \(6\) より、

\(n(B) = 142\)

 

\(1000 \div 21 = 47\) 余り \(13\) より、

\(n(A \cap B) = 47\)

 

和集合の公式より、

\(\begin{align} n(A \cup B) &= n(A) + n(B) − n(A ∩ B) \\&= 333 + 142 − 47 \\ &= 428 \end{align}\)

 

したがって、\(3\) または \(7\) で割り切れる集合の要素の数は \(428\) 個

 

答え: \(428\) 個

以上で練習問題も終わりです!

 

集合は新しく覚えることがたくさんあり、理解するのが少し大変だったかもしれません。

でも大丈夫。

集合をベン図で表して理解したり、例題や練習問題を反復したりすることで、必ずマスターできるようになりますよ!

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