この記事では、コンパスと定規を使った「さまざまな三角形の作図方法」をわかりやすく解説していきます。
正三角形・二等辺三角形・直角三角形などの書き方を説明していきますので、ぜひマスターしてくださいね!
【基本】三角形の書き方
まずは、\(3\) 辺の長さがわかっている三角形の基本の書き方を次の例題で説明します。
辺の長さが \(3 \ \text{cm}\), \(6 \ \text{cm}\), \(8 \ \text{cm}\) の三角形を作図しなさい。
三角形は、定規で \(1\) 辺の長さを、コンパスでほかの \(2\) 辺の長さをとれば簡単に作図できます。
定規で \(1\) 辺を書きます。
今回は、長さ \(8 \ \text{cm}\) の辺を選び、これを底辺としましょう。
コンパスと定規を使って、残りの \(2\) 辺を書きましょう。
まず、コンパスの幅(半径)を \(6 \ \text{cm}\) にとって底辺の一端にコンパスの針をおき、弧を \(1\) つ描きます。
同様に、今度はコンパスの幅(半径)を \(3 \ \text{cm}\) にとって底辺のもう一端から弧を \(1\) つ描きます。
それらの弧が交点をもつように作図するのがポイントです。
最後に、定規を使って \(2\) つの弧の交点と底辺の両端を直線で結びます。
これで、辺の長さが \(3 \ \text{cm}\), \(6 \ \text{cm}\), \(8 \ \text{cm}\) の三角形の完成です!
どんな三角形でもこの基本手順は同じです。
以降示す特別な三角形では、作図の際にその三角形特有の性質が利用できます。
正三角形の書き方
次に、正三角形の書き方を次の例題で説明していきます。
\(1\) 辺が \(3 \ \text{cm}\) の正三角形を作図しなさい。
正三角形は次の \(3\) つの手順で書くことができます。
定規で \(3 \ \text{cm}\) をとり、底辺を書きます。
書いた底辺を線分 \(\mathrm{AB}\) とします。
コンパスの幅(半径)を線分 \(\mathrm{AB}\) の長さ \((= 3 \ \text{cm})\) にとります。
先ほど書いた線分の両端、つまり \(\mathrm{A}\) と \(\mathrm{B}\) にコンパスの針をおき、弧を \(1\) つずつ描きます。
先ほど描いた \(2\) つの弧の交点を \(\mathrm{C}\) とします。
点 \(\mathrm{C}\) と点 \(\mathrm{A}\)、点 \(\mathrm{B}\) を定規を使って直線で結びます。
そうすると、\(1\) 辺の長さが \(3 \ \text{cm}\) の正三角形 \(\mathrm{ABC}\) が完成します!
二等辺三角形の書き方
次に、二等辺三角形の書き方を次の例題で説明していきます。
\(\mathrm{AB} = \mathrm{AC} = 5 \ \text{cm}\)、\(\mathrm{BC} = 8 \ \text{cm}\) の二等辺三角形を作図しなさい。
二等辺三角形は次の \(3\) つの手順で書くことができます。
底辺 \(\mathrm{BC}\) は \(8 \ \text{cm}\) なので、定規で \(8 \ \text{cm}\) の線分を引きます。
コンパスの幅を線分 \(\mathrm{AB}\) と \(\mathrm{AC}\) の長さ \((= 5 \ \text{cm})\) にとります。
底辺の両端、つまり \(\mathrm{B}\) と \(\mathrm{C}\) にコンパスの針をおき、弧を \(1\) つずつ書きます。
先ほど書いた \(2\) つの弧の交点が頂点 \(\mathrm{A}\) です。
点 \(\mathrm{A}\) と点 \(\mathrm{B}\)、点 \(\mathrm{C}\) を定規を使って直線で結びます。
これで、\(\mathrm{AB} = \mathrm{AC} = 5 \ \text{cm}\)、\(\mathrm{BC} = 8 \ \text{cm}\) の二等辺三角形の完成です!
直角二等辺三角形の書き方
次に、直角二等辺三角形の書き方を次の例題で説明していきます。
下図の線分 \(\mathrm{AB}\) を斜辺とする直角二等辺三角形 \(\mathrm{ABC}\) を作図しなさい。
直角二等辺三角形を書く際は、円の直径に対する円周角が \(90^\circ\) となる性質を利用します。
斜辺 \(\mathrm{AB}\) を直径とする円の周上に\(\mathrm{AC} = \mathrm{BC}\) となるような点 \(\mathrm{C}\) をとればよいですね。
コンパスの幅を \(\mathrm{AB}\) の半分以上、\(\mathrm{AB}\) 以下の長さにしておきます。
そのコンパスで斜辺の両端 \(\mathrm{A, B}\) から弧を描き、\(2\) 交点を得ます。
定規を使ってその \(2\) 交点を直線で結んだものが斜辺 \(\mathrm{AB}\) の垂直二等分線です。
そして、垂直二等分線と斜辺 \(\mathrm{AB}\) の交点が \(\mathrm{AB}\) の中点です。
斜辺の中点にコンパスの針を合わせ、斜辺の一端にコンパスの長さを合わせます。
そのまま、斜辺を直径とする円を描きましょう。半円描ければ十分です。
先ほど引いた垂直二等分線と円の交点が直角となる頂点 \(\mathrm{C}\) です。
定規を使って頂点 \(\mathrm{C}\) と斜辺の両端 \(\mathrm{A}\), \(\mathrm{B}\) を結びます。
これで、線分 \(\mathrm{AB}\) を斜辺とする直角二等辺三角形 \(\mathrm{ABC}\) の完成です!
直角三角形の書き方
最後に、直角三角形の書き方を次の例題で説明していきます。
下図の線分 \(\mathrm{AB}\) を斜辺とし、\(\angle \mathrm{ABC} = 60^\circ\) の直角三角形 \(\mathrm{ABC}\) を作図しなさい。
今回書きたいのは、\(\angle \mathrm{C} = 90^\circ\), \(\angle \mathrm{B} = 60^\circ\), \(\angle \mathrm{A} = 30^\circ\) の直角三角形ですね。
円の直径に対する円周角が \(90^\circ\) となる性質を利用すれば、直角は作図できますね。
また、\(60^\circ\) や \(30^\circ\) も正三角形の書き方を参考すれば簡単に作図できますよ。
コンパスの幅を \(\mathrm{AB}\) の半分以上、\(\mathrm{AB}\) 以下の長さにしておきます。
そのコンパスで斜辺 \(\mathrm{AB}\) の両端から弧を描き、\(2\) 交点を得ます。
定規を使ってその \(2\) 交点を直線で結んだものが \(\mathrm{AB}\) の垂直二等分線です。
そして、垂直二等分線と斜辺の交点が斜辺 \(\mathrm{AB}\) の中点です。
斜辺の中点にコンパスの針を合わせ、斜辺の一端にコンパスの長さを合わせます。
そのまま、斜辺を直径とする円を描きましょう。半円描ければ十分です。
\(\angle \mathrm{B} = 60^\circ\) を得るため、頂点 \(\mathrm{B}\) を中心に先ほどの円と同じ半径の円を描きます。
\(2\) 円の交点が頂点 \(\mathrm{C}\) となり、\(\angle \mathrm{ABC} = 60^\circ\) が得られます。
最後に、定規を使って頂点 \(\mathrm{C}\) と斜辺の両端を結びます。
これで、斜辺 \(\mathrm{AB}\)、\(\angle \mathrm{ABC} = 60^\circ\) の直角三角形 \(\mathrm{ABC}\) の完成です!
このほかの角度でも、有名角 \(90^\circ\), \(60^\circ\) の書き方がわかっていればそれらの組み合わせで作図できます。
詳しくは以下の記事で説明しています。
【作図の基本】垂線、垂直二等分線、角の二等分線の書き方いかがでしたか?
基本を押さえれば、三角形の作図は難しくありません。
ぜひマスターしてくださいね!