【作図の基本】垂線、垂直二等分線、角の二等分線の書き方

この記事では、コンパスと定規を使った作図の基本をわかりやすく解説していきます。

さまざまな図を描く際に必要となる垂線・垂直二等分線・角の二等分線の作図手順などを説明していきますので、ぜひマスターしてくださいね!

 

垂線の書き方

まずは、垂線(ある直線と垂直に交わる直線)の作図手順を説明します。

① 直線上にある点を通る垂線、② 直線上にない点を通る垂線の書き方を順番に示します。

① 直線上にある点を通る場合

例題

点 \(\mathrm{P}\) を通る直線 \(\ell\) の垂線を作図しなさい。

 

STEP.1
通る点を中心とする弧をかく

点 \(\mathrm{P}\) にコンパスの針を置き、小さめの弧をかきます。

このとき、直線 \(\ell\) と \(2\) 点で交わるように弧をかきましょう。

 

STEP.2
直線と弧の交点からさらに弧をかく

先ほどの弧と直線 \(\ell\) との交点にコンパスの針を置き、さらに弧をかきます。

このとき、コンパスの幅は必ず同じにして、\(2\) つの弧が交わるようにかきます。

 

STEP.3
通る点と 2 つの弧の交点を直線で結ぶ

STEP.2 でかいた \(2\) つの弧の交点と、 点 \(\mathrm{P}\) を直線で結びます。

この直線が、点 \(\mathrm{P}\) を通る直線 \(\ell\) の垂線です!

 

完了

 

② 直線上にない点を通る場合

例題

点 \(\mathrm{Q}\) を通る直線 \(\ell\) の垂線を作図しなさい。

 

STEP.1
通る点を中心とする弧をかく

点 \(\mathrm{Q}\) にコンパスの針を置き、弧をかきます。

このとき、直線 \(\ell\) と \(2\) 点で交わるように弧をかきましょう。

 

STEP.2
直線と弧の交点からさらに弧をかく

先ほどの弧と直線 \(\ell\) との交点にコンパスの針を置き、さらに弧をかきます。

このとき、コンパスの幅は必ず同じにして、\(2\) つの弧が交わるようにかきます。

 

STEP.3
通る点と 2 つの弧の交点を直線で結ぶ

STEP.2 でかいた \(2\) つの弧の交点と、点 \(\mathrm{Q}\) を直線で結びます。

この直線が、点 \(\mathrm{Q}\) を通る直線 \(\ell\) の垂線です!

 

完了

 

垂直二等分線の書き方

垂直二等分線(ある線分を垂直に二等分する直線)の作図手順を説明します。

例題

線分 \(\mathrm{AB}\) の垂直二等分線を作図しなさい。

 

STEP.1
線分の一端を中心とする弧をかく

線分の一端である点 \(\mathrm{A}\) にコンパスの針を置き、弧をかきます。

このとき、コンパスの幅は線分 \(\mathrm{AB}\) の半分よりも少し長くとります。

 

STEP.2
線分のもう一端を中心とする弧をかく

今度はもう一端の点 \(\mathrm{B}\) にコンパスの針を置き、先ほどと同じコンパスの幅で弧をかきます。

\(2\) つの弧は \(2\) 点で交わるはずです。

 

STEP.3
2 つの弧の交点を直線で結ぶ

最後に、\(2\) つの弧の \(2\) 交点を通る直線を引きます。

この直線が、線分 \(\mathrm{AB}\) の垂直二等分線です!

 

完了

 

角の二等分線の書き方

角の二等分線(ある角度を二等分する直線)の作図手順を説明します。

例題

\(\angle \mathrm{AOB}\) の二等分線を作図しなさい。

 

STEP.1
二等分する角の頂点から弧をかく

二等分線の起点となる頂点 \(\mathrm{O}\) にコンパスの針を置き、小さめの弧をかきます。

このとき、辺 \(\mathrm{OA}\), \(\mathrm{OB}\) と交わるまで弧をかきましょう。

 

STEP.2
辺と弧の交点からさらに弧をかく

先ほどの弧と辺 \(\mathrm{OA}\), \(\mathrm{OB}\) との交点にコンパスの針を置き、さらに弧をかきます。

このとき、コンパスの幅は必ず同じにして、\(2\) つの弧が交わるようにかきます。

 

STEP.3
2 つの弧の交点と頂点を直線で結ぶ

STEP.2 でかいた \(2\) つの弧の交点と、 角の頂点 \(\mathrm{O}\) を通る直線を引きます。

この直線が、\(\angle \mathrm{AOB}\) の二等分線です!

 

完了

角の二等分線という名の通り、角を二等分することを頭に置いておけば、とても簡単な作図ですね!

 

【応用】円の接線の書き方

円の接線は、垂線や垂直二等分線を利用して簡単にかくことができます。

① 円周上の点を通る接線、② 円の外部にある点を通る接線の順に作図手順を説明します。

① 円周上の点を通る場合

例題

点 \(\mathrm{A}\) を接点とする円の接線を作図しなさい。

 

円の接線が、円の中心を通る直線に対して垂直であることを利用します。

つまり、点 \(\mathrm{A}\) を通る直線 \(\mathrm{OA}\) の垂線を引けばいいですね。

STEP.1
円の中心と接点を通る直線を引く

円の中心 \(\mathrm{O}\) と接点 \(\mathrm{A}\) を通る直線を引きます。

 

STEP.2
接点を通る垂線を作図する

接点 \(\mathrm{A}\) を通る直線 \(\mathrm{OA}\) の垂線を作図します。

垂線の書き方(① 直線上にある点を通る場合)は以下の①、②、③、④でしたね。

この直線が、点 \(\mathrm{A}\) を接点とする円の接線です!

 

完了

 

② 円の外部にある点を通る場合

例題

点 \(\mathrm{B}\) を通る円の接線を作図しなさい。

 

円の接線は、円の中心を通る直線と直角に交わります。

そこで、直径に対する円周角が必ず直角(\(90^\circ\))となることを利用して、線分 \(\mathrm{OB}\) を直径にもつ別の円を利用するのがポイントです。

STEP.1
円の中心と外部の点を直線で結ぶ

円の中心 \(\mathrm{O}\) と外部の点 \(\mathrm{B}\) を直線で結び、線分 \(\mathrm{OB}\) を得ます。

 

STEP.2
線分の垂直二等分線を作図する

線分 \(\mathrm{OB}\) の垂直二等分線を作図します。

垂直二等分線の書き方は以下の①、②、③でしたね。

線分 \(\mathrm{OB}\) と垂直二等分線の交点が、線分 \(\mathrm{OB}\) の中点です。

 

STEP.3
線分の中点を中心とし、円の中心を通る円を書く

線分 \(\mathrm{OB}\) の中点にコンパスの針を置き、円の中心 \(\mathrm{O}\) までの距離をコンパスの幅にとって円をかきます。

円の中心 \(\mathrm{O}\) と外部の点 \(\mathrm{B}\) を通る円になっているはずです。

 

STEP.4
2 つの円の交点と外部の点を直線で結ぶ

\(2\) つの円の \(2\) 交点と、外部の点 \(\mathrm{B}\) をそれぞれ直線で結びます。

この \(2\) 直線が、点 \(\mathrm{B}\) を通る円の接線です!

 

このように、書き足した円の直径 \(\mathrm{OB}\) に対する円周角が \(90^\circ\) であることを利用していたのですね。

 

完了

 

【応用】さまざまな角度の作図

作図の基本を押さえておけば、さまざまな角度を作図も簡単です。

ここでは、\(90^\circ\), \(60^\circ\), \(45^\circ\), \(30^\circ\) の作図手順を説明します。

例題

直線 \(\ell\) 上の点 \(\mathrm{A}\) を通る角(\(90^\circ\), \(60^\circ\), \(45^\circ\), \(30^\circ\))を作図しなさい。

 

90° の作図

\(90^\circ\) ということは、直線 \(\ell\) と垂直に交わる直線、すなわち垂線をかけばよいですね。

垂線の書き方(① 直線上にある点を通る場合と同じ流れで作図できます。

STEP.1
角の頂点を中心とする弧をかく

点 \(\mathrm{A}\) にコンパスの針を置き、小さめの弧をかきます。

このとき、直線 \(\ell\) と \(2\) 点で交わるように弧をかきましょう。

 

STEP.2
直線と弧の交点からさらに弧をかく

先ほどの弧と直線 \(\ell\) との交点にコンパスの針を置き、さらに弧をかきます。

このとき、コンパスの幅は必ず同じにして、\(2\) つの弧が交わるようにかきます。

 

STEP.3
角の頂点と 2 つの弧の交点を直線で結ぶ

STEP.2 でかいた \(2\) つの弧の交点と、点 \(\mathrm{A}\) を直線で結びます。

これで、点 \(\mathrm{A}\) を頂点とした \(90^\circ\) の角が作図できました!

 

完了

 

60° の作図

\(60^\circ\) は、正三角形をイメージすることで作図できます。

STEP.1
角の頂点を中心とする弧をかく

点 \(\mathrm{A}\) にコンパスの針を置き、弧をかきます。

このとき、直線 \(\ell\) と \(1\) 点で交わるように弧をかきましょう。

 

STEP.2
弧と直線の交点から同じ大きさの弧をかく

先ほどの弧と直線 \(\ell\) との交点にコンパスの針を置き、同じ大きさの弧をかきます。

コンパスの幅は必ず同じにして、\(2\) つの弧が \(1\) 点で交わるようにかきます。

 

STEP.3
角の頂点と 2 つの弧の交点を直線で結ぶ

STEP.2 でかいた \(2\) つの弧の交点と、 点 \(\mathrm{A}\) を直線で結びます。

これで、点 \(\mathrm{A}\) を頂点とした \(60^\circ\) の角が作図できました!

 

完了

 

45°の作図

\(45^\circ\) は、一度 \(90^\circ\) を作図したあと、その角の二等分線を引くことで作図できます。

STEP.1
90°を作図する

点 \(\mathrm{A}\) を頂点とする \(90^\circ\) の角を作図します。

\(90^\circ\) の作図手順は以下の①、②、③、④でしたね。

 

STEP.2
90°の角の二等分線を引く

\(90^\circ\) の角の二等分線を作図します。

角の二等分線の書き方は以下の①、②、③、④でしたね。

これで、点 \(\mathrm{A}\) を頂点とした \(45^\circ\) の角が作図できました!

 

完了

 

30° の作図

\(30^\circ\) は、一度 \(60^\circ\) を作図したあと、その角の二等分線を引くことで作図できます。

STEP.1
60°を作図する

点 \(\mathrm{A}\) を頂点とする \(60^\circ\) の角を作図します。

\(60^\circ\) の作図手順は以下の①、②、③でしたね。

 

STEP.2
60°の角の二等分線を引く

\(60^\circ\) の角の二等分線を作図します。

角の二等分線の書き方は以下の①、②、③、④でしたね。

これで、点 \(\mathrm{A}\) を頂点とした \(30^\circ\) の角が作図できました!

 

完了

以上、代表的な角度の作図手順を示しましたが、ほかにもいろいろな角度を作図できます。

例えば \(30^\circ\) の二等分線を引けば \(15^\circ\) が作図できますし、\(45^\circ\) と \(30^\circ\) を組み合わせれば \(75^\circ\) も作図できますね。

 

いかがでしたか?

垂線・垂直二等分線・角の二等分線を利用すると、さまざまな作図問題に対応できます。

ぜひマスターしてくださいね!

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