この記事では、「恒等式」の意味や解き方を説明していきます。
恒等式の \(2\) つの解き方、「数値代入法」と「係数比較法」を丁寧に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
恒等式とは?
恒等式とは、変数がどんな値であっても成り立つ等式のことです。
恒等式と方程式の違い
等式には、「方程式」と「恒等式」の \(2\) 種類があります。
- 方程式:変数が特定の値のときだけ成り立つ等式。
- 恒等式:変数がどんな値であっても成り立つ等式。
(方程式の例)
-
- \(2x + 5 = 11\)
→ \(x = 3\) のときだけ成り立つ - \(x^2 = 2x − 3\)
→ \(x = − 3, 1\) のときだけ成り立つ
- \(2x + 5 = 11\)
(恒等式の例)
-
- \((x + 2)^2 = x^2 + 4x + 4\)
→ \(x\) にどんな値を代入しても成り立つ
- \((x + 2)^2 = x^2 + 4x + 4\)
上記の恒等式 \((x + 2)^2 = x^2 + 4x + 4\) に、試しにいくつかの \(x\) の値を代入してみましょう。
\(x = 0\) のとき
\((0 + 2)^2 = 0^2 + 4 \cdot 0 + 4\)
\(2^2 = 0 + 0 + 4\)
\(4 = 4\)
\(x = 5\) のとき
\((5 + 2)^2 = 5^2 + 4 \cdot 5 + 4\)
\(7^2 = 25 + 20 + 4\)
\(49 = 49\)
\(x = − 11\) のとき
\((− 11 + 2)^2 = (− 11)^2 + 4(− 11) + 4\)
\((− 9)^2 = 121 − 44 + 4\)
\(81 = 81\)
確かに、どの値を代入しても等式が成り立ちます。
恒等式は、読んで字の通り「恒(つね)に等しい式」の事なんですね。
恒等式の性質
恒等式には、次の \(2\) つの性質があります。
\(P(x) = Q(x)\) が \(x\) についての恒等式であるとき、\(x\) にどのような値を代入しても等号が成り立つ。
\(P(x) = Q(x)\) が \(x\) についての恒等式であるとき、\(P(x), Q(x)\) の同じ次数の項の係数がそれぞれ一致する。
つまり、
\begin{align}\color{red}{ax^2 + bx + c = Ax^2 + Bx + C}\end{align}
が \(\color{red}{x}\) についての恒等式ならば、
\begin{align}\color{red}{a = A, b = B, c = C}\end{align}
が成り立つ。
性質①は恒等式の定義そのものですね。
例えば、次のような恒等式があったとします。
\(3x^2 + 4x + 6 = Ax^2 + Bx + C\)
性質②より、左辺と右辺で同じ次数の項の係数は等しいので、
となります。
また、恒等式の左辺か右辺のどちらかが \(0\) の場合、各項の係数はすべて \(0\) になります。
例えば、次のような恒等式がある場合、
左辺と右辺が等しくなるためには、左辺も定数項だけ(しかも \(0\))になる必要があります。
したがって、
となります。
恒等式の解き方
恒等式の解き方には、「係数比較法」と「数値代入法」の \(2\) つの方法があります。
同じ例題を用いて、それぞれの解き方を詳しく勉強していきましょう。
【解き方①】係数比較法
係数比較法とは、恒等式の性質「左辺と右辺で同じ次数の項の係数が一致する」を利用して解く方法です。
以下の例題で、解き方の流れを確認しましょう。
等式
\(2x^2 + 4x − 4 \) \(= a(x + 1)(x − 2) + b(x + 1) + c(x − 2)\)
が \(x\) についての恒等式となるように、定数 \(a, b, c\) を求めよ。
与えられた式の両辺を \(x\) について降べきの順に整理します。
降べきの順
変数の次数が大きい方から項を並べること。
例題では、右辺を展開して、降べきの順に整理しましょう。
\(a(x + 1)(x − 2) + b(x + 1) + c(x − 2)\\= a(x^2 − x − 2) + bx + b + cx − 2c\\= ax^2 − ax − 2a + bx + b + cx − 2c\\= ax^2 − (a − b − c)x − 2a + b − 2c\)
元の恒等式を書き直すと、次のようになりますね。
\(\color{orange}{2}x^2 \color{limegreen}{+ 4}x \color{skyblue}{− 4} \) \(= \color{orange}{a}x^2 \color{limegreen}{− (a − b − c)}x \color{skyblue}{− 2a + b − 2c}\)
ここで、左辺と右辺の各項の係数を比較します。
左辺と右辺の係数は一致するので、
\(\left\{\begin{array}{l}\color{orange}{2} = \color{orange}{a} …①\\\color{limegreen}{4} = \color{limegreen}{− (a − b − c)} …②\\\color{skyblue}{− 4} = \color{skyblue}{− 2a + b − 2c} …③\end{array}\right.\)
以後、式を連立して定数を求めていくので、各式には必ず番号(①、②、③…)を振っておきましょう!
あとは、① 〜 ③ を連立して定数 \(a, b, c\) を求めていきます。
① より、\(a = 2\)
② に \(a = 2\) を代入して
\(4 = − (2 − b − c)\)
\(4 = − 2 + b + c\)
\(b + c = 6\) …②’
③ に \(a = 2\) を代入して
\(− 4 = − 2 \cdot 2 + b − 2c\)
\(− 4 = − 4 + b − 2c\)
\(b − 2c = 0\) …③’
②’ − ③’ より、
\(\begin{array}{rr} b + c &= 6 \\ −) b − 2c &= 0 \\ \hline 3c &= 6 \end{array}\)
よって \(c = 2\)
②’ より
\(\begin{align}b &= 6 − c \\&= 6 − 2 \\&= 4\end{align}\)
よって、\(\color{red}{a = 2, b = 4, c = 2}\)
答えが求まりましたね!
「連立方程式」が苦手な人はこの機会に復習しておきましょう。
連立方程式とは?代入法と加減法、計算問題や文章題の解き方以上が、係数比較法による解き方です。
【解き方②】数値代入法
数値代入法とは、恒等式の性質「変数にどのような数を代入しても等号が成り立つ」を利用して解く方法です。
先ほどの例題で、解き方の流れを確認しましょう。
等式
\(2x^2 + 4x − 4 \) \(= a(x + 1)(x − 2) + b(x + 1) + c(x − 2)\)
が \(x\) についての恒等式となるように、定数 \(a, b, c\) を求めよ。
\(x\) に代入する値を選ぶポイントは、ズバリ「項がごっそり \(0\) になる \(x\) の値」を選ぶことです。
このとき、代入する \(x\) の個数は定数の個数と同じだけあれば十分です。
例題では定数の数が \(a, b, c\) の \(3\) つなので、\(x\) に代入する数も \(3\) つでOKです。
さて、例題の式であれば、\(x = 0, − 1, 2\) を代入すると項がごっそり消えそうです。
\(2\color{salmon}{x}^2 + 4\color{orange}{x} − 4\) \(= a\color{limegreen}{(x + 1)}\color{skyblue}{(x − 2)} + b\color{limegreen}{(x + 1)} + c\color{skyblue}{(x − 2)}\)
- \(x = 0\) を代入
→ \(x\) を因数にもつ項が消える - \(x = − 1\) を代入
→ \((x + 1)\) を因数にもつ項が消える - \(x = 2\) を代入
→ \((x − 2)\) を因数にもつ項が消える
実際に代入してみましょう。
与式に \(x = 0\) を代入すると、
\(2 \cdot 0^2 + 4 \cdot 0 − 4 \) \(= a(0 + 1)(0 − 2) + b(0 + 1) + c(0 − 2)\)
\(− 4 = − 2a + b − 2c\)
\(4 = 2a − b + 2c\) …①
与式に \(x = − 1\) を代入すると、
\(2(− 1)^2 + 4(− 1) − 4 \) \(= \) \(a(− 1 + 1)(− 1 − 2) + b(− 1 + 1) + c(− 1 − 2)\)
\(2 − 4 − 4 = a \cdot 0 \cdot (−3) + b \cdot 0 − 3c\)
\(− 6 = − 3c\)
\(\color{red}{c = 2}\)
与式に \(x = 2\) を代入すると、
\(2 \cdot 2^2 + 4 \cdot 2 − 4 \) \(= a(2 + 1)(2 − 2) + b(2 + 1) + c(2 − 2)\)
\(8 + 8 − 4 = a \cdot 3 \cdot 0 + 3b + c \cdot 0\)
\(12 = 3b\)
\(\color{red}{b = 4}\)
あとは、得られた連立方程式を解いて定数を求めるだけです。
すでに \(b, c\) がわかったので、①に代入して \(a\) を求めましょう。
\(b = 4, c = 2\) を ① に代入して、
\(4 = 2a − 4 + 2 \cdot 2\)
\(4 = 2a\)
\(\color{red}{a = 2}\)
これで、すべての定数を求めることができましたね。
ただし、これで終わりではありません。
最後に、「すべての \(x\) において恒等式が成り立つ」ことを示します。
STEP.2 まででは、「\(x\) が \(0, − 1, 2\) のときに恒等式が成り立つ」ことしか示せていません。
求めた定数を元の恒等式に代入して、左辺と右辺の各項の係数が本当に一致するかを確認します。
このとき、\(a = 2, b = 4, c = 2\) を与式に代入すると、
\(a(x + 1)(x − 2) + b(x + 1) + c(x − 2)\\= 2(x + 1)(x − 2) + 4(x + 1) + 2(x − 2)\\= 2(x^2 − x − 2) + 4x + 4 + 2x − 4\\= 2x^2 − 2x − 4 + 4x + 4 + 2x − 4\\= 2x^2 + 4x − 4\)
\((\text{左辺}) = (\text{右辺})\) となったので、与式は恒等式である。
左辺と右辺が一致したので、この式は恒等式であると示せました。
したがって、答えは \(a = 2, b = 4, c = 2\) と求まりました!
以上が、数値代入法による解き方でした。
係数比較法と違って、数値代入法では最後に恒等式であることを確認する手順があります。
一見、係数比較法よりも面倒に思えますが、式の中に因数分解された部分がいくつかあるときには数値代入法の方が簡単です。
どちらの解き方もマスターして、問題によって使い分けられるようになりましょう。
恒等式の練習問題
それぞれの解き方を学習したところで、練習問題にチャレンジしましょう。
練習問題①「定数 a, b, c, d を求めよ」
等式
\(3x^3 \) \(= \) \(ax(x − 2)(x + 1) + bx(x + 1) + cx + d\)
が \(x\) についての恒等式であるとき、定数 \(a, b, c, d\) の値を求めよ。
左辺の項が \(x^3\) だけなので、係数比較法を使って右辺の \(x^2\) の項, \(x\) の項, 定数項の係数がすべて \(0\) となるように計算すればよいですね。
右辺を展開して整理すると、
\(ax(x − 2)(x + 1) + bx(x + 1) + cx + d\\= ax(x^2 − x − 2) + bx^2 + bx + cx + d\\= ax^3 − ax^2 − 2ax + bx^2 + bx + cx + d\\= ax^3 + (− a + b)x^2 − (2a − b − c)x + d\)
与式は次のように書き直せる。
\(3x^3 \) \(= ax^3 + (− a + b)x^2 − (2a − b − c)x + d\)
左辺と右辺の係数を比較して、
\(\left\{\begin{array}{l}3 = a …①\\0 = − a + b …②\\0 = − 2a + b + c …③\\0 = d …④\end{array}\right.\)
①、④ より
\(a = 3, d = 0\)
② より
\(b = a = 3\)
③ より
\(\begin{align}c &= 2a − b\\&= 2 \cdot 3 − 3\\&= 6 − 3\\&= 3\end{align}\)
よって、
\(a = 3, b = 3, c = 3, d = 0\)
答え: \(a = 3, b = 3, c = 3, d = 0\)
練習問題②「定数 a, b, c を求めよ」
等式
\(ax(x + 1) + b(x − 3) + 2c \) \(= 2x^2 + 5x + 3\)
が \(x\) についての恒等式であるとき、定数 \(a, b, c\) の値を求めよ。
左辺に因数分解された項がいくつかありますね。
数値代入法で左辺の項が消えるような \(x\) の値を代入して、定数を求めてみましょう。
最後に恒等式が成り立つことを示すのを忘れないようにしてくださいね。
\(ax(x + 1) + b(x − 3) + 2c \) \(= 2x^2 + 5x + 3\)
が恒等式であるとき、
\(x = 0, − 1, 3\) を代入しても式は成り立つ。
\(x = 0\) を代入すると、
\(a \cdot 0 \cdot (0 + 1) + b(0 − 3) + 2c \) \(= 2 \cdot 0^2 + 5 \cdot 0 + 3\)
よって、\(− 3b + 2c = 3\) …①
\(x = − 1\) を代入すると、
\(a(− 1)(− 1 + 1) + b(− 1 − 3) + 2c \) \(= 2(− 1)^2 + 5(− 1) + 3\)
\(− 4b + 2c = 2 − 5 + 3\)
よって、\(− 4b + 2c = 0\) …②
\(x = 3\) を代入すると、
\(a \cdot 3 \cdot (3 + 1) + b(3 − 3) + 2c \) \(= 2 \cdot 3^2 + 5 \cdot 3 + 3\)
\(12a + 2c = 18 + 15 + 3\)
\(12a + 2c = 36\)
よって、\(6a + c = 18\) …③
① − ② より、
\(\begin{array}{rr} − 3b + 2c &= 3 \\ −) − 4b + 2c &= 0 \\ \hline b &= 3 \end{array}\)
① より
\(2c = 3b + 3\)
\(c = \displaystyle \frac{1}{2}(3b + 3)\)
\(b = 3\) を代入して
\(\begin{align}c &= \displaystyle \frac{1}{2}(3 \cdot 3 + 3)\\&= \displaystyle \frac{1}{2} \cdot 12\\&= 6\end{align}\)
③ より
\(6a = − c + 18\)
すなわち \(a = \displaystyle \frac{1}{6}(− c + 18)\)
\(c = 6\) を代入して
\(\begin{align}a &= \displaystyle \frac{1}{6}(− 6 + 18)\\&= \displaystyle \frac{1}{6} \cdot 12\\&= 2\end{align}\)
よって、\(a = 2 , b = 3 , c = 6\)
これを与式に代入すると、左辺は
\(ax(x + 1) + b(x − 3) + 2c\\= 2x(x + 1) +3(x − 3) + 12\\= 2x^2 + 2x + 3x − 9 + 12\\= 2x^2 + 5x + 3\)
\((\text{左辺}) = (\text{右辺})\) となったので、与式は恒等式である。
答え: \(a = 2 , b = 3 , c = 6\)
恒等式の応用問題
最後に、応用問題に挑戦しましょう。
応用問題①「整式の平方」
\(x^4 − 4x^3 − 3ax^2 + x + 2b\) がある整式の平方となるような定数 \(a , b\) の値を求めよ。
これまでの問題と違って、「恒等式」という言葉がなく、\((\text{左辺}) = (\text{右辺})\) の等式でもありません。
ポイントは、「ある整式の平方 (= \(2\) 乗)」という言葉です。
つまり、「問題の式が何かの \(2\) 乗になる」という恒等式を立てて、定数を求めましょう。
\(x^4 − 4x^3 − 3ax^2 + x + 2b \) \(= (x^2 + cx + d)^2\)
が恒等式となるような定数 \(a, b, c, d\) を求める。
右辺を展開して整理すると、
\((x^2 + cx + d)^2\\= x^4 + cx^3 + dx^2 + cx^3 + c^2x^2 + cdx + dx^2 + cdx + d^2\\= x^4 + 2cx^3 + (c^2 + 2d)x^2 + 2cdx + d^2\)
(見切れる場合は横へスクロール)
元の式は次のように書き直せる。
\(x^4 − 4x^3 − 3ax^2 + x + 2b \) \(= x^4 + 2cx^3 + (c^2 + 2d)x^2 + 2cdx + d^2\)
係数比較法により、
\(\left\{\begin{array}{l}− 4 = 2c …①\\− 3a = c^2 + 2d …②\\1 = 2cd …③\\2b = d^2 …④\end{array}\right.\)
① より、\(c = − 2\)
③ より
\(d = \displaystyle \frac{1}{2}c = \displaystyle \frac{1}{2}(− 2) = − \displaystyle \frac{1}{4}\)
\(c = − 2, d = − \displaystyle \frac{1}{4}\) を ② に代入し、
\(\begin{align}− 3a &= (− 2)^2 − 2 \cdot \displaystyle \frac{1}{4} \\&= 4 − \displaystyle \frac{1}{2} \\&= \displaystyle \frac{7}{2}\end{align}\)
よって \(a = − \displaystyle \frac{7}{6}\)
④ に \(d = − \displaystyle \frac{1}{4}\) を代入し、
\(2b = \left(− \displaystyle \frac{1}{4}\right)^2 = \displaystyle \frac{1}{16}\)
よって \(b = \displaystyle \frac{1}{32}\)
したがって、
\(a = − \displaystyle \frac{7}{6}, b = \displaystyle \frac{1}{32}, c = − 2, d = − \displaystyle \frac{1}{4}\)
答え: \(a = − \displaystyle \frac{7}{6}, b = \displaystyle \frac{1}{32}\)
応用問題②「整式の割り算」
\(x^3 + ax^2 + 4x − 1\) を \(x^2 − x − 6\) で割ると、商が \(bx + 1\) となる。
このとき、定数 \(a, b\) と、余りを求めよ。
この問題のポイントは、「余りをどう表すか」です。
三次式を二次式で割った余りなので、余りは一次式以下になります。
定数 \(c, d\) を用いると、余りを \(cx + d\) と置くことができますね。
\(x^3 + ax^2 + 4x − 1\) を \(x^2 − x − 6\) で割った余りを \(cx + d\)(\(c, d\) は定数)とおくと、
\(x^3 + ax^2 + 4x − 1 \) \(= (x^2 − x − 6)(bx + 1) + cx + d\)
が恒等式となるような定数 \(a, b, c, d\) を求めればよい。
右辺を変形して、
\((x^2 − x − 6)(bx + 1) + cx + d \) \(= (x − 3)(x + 2)(bx + 1) + cx + d\)
元の式は次のように書き直せる。
\(x^3 + ax^2 + 4x − 1 \) \(= (x − 3)(x + 2)(bx + 1) + cx + d\)
この式が恒等式であるとき、
\(x = 0, − 2, 3\) を代入しても式は成り立つ。
\(x = 0\) を代入すると、
\(0^3 + a \cdot 0^2 + 4 \cdot 0 − 1 \) \(= (0 − 3)(0 + 2)(b \cdot 0 + 1) + c \cdot 0 + d\)
\(− 1 = (− 3) \cdot 2 \cdot 1 + d\)
\(− 1 = − 6 + d\)
\(d = 5\)
\(x = − 2\) を代入すると、
\((− 2)^3 + a(− 2)^2 + 4(− 2) − 1 \) \(= (− 2 − 3)(− 2 + 2){b(− 2) + 1} − 2c + d\)
\(− 8 + 4a − 8 − 1 \) \(= (− 5) \cdot 0 \cdot (− 2b + 1) − 2c + d\)
\(4a − 17 = − 2c + d\)
\(d = 5\) より
\(4a − 17 = − 2c + 5\)
\(4a + 2c = 22\)
\(2a + c = 11\) …①
\(x = 3\) を代入すると、
\(3^3 + a \cdot 3^2 + 4 \cdot 3 − 1 \) \(= (3 − 3)(3 + 2)(b \cdot 3 + 1) + c \cdot 3 + d\)
\(27 + 9a + 12 − 1 \) \(= 0 \cdot 5 \cdot (3b + 1) + 3c + d\)
\(9a + 38 = 3c + d\)
\(d = 5\) より
\(9a + 38 = 3c + 5\)
\(9a − 3c = − 33\)
\(3a − c = − 11\) …②
① + ② より、
\(\begin{array}{rr} 2a + c =& 11 \\ +) 3a − c =& − 11 \\ \hline 5a =& 0 \end{array}\)
よって \(a = 0, c = 11\)
\(a = 0, c = 11, d = 5\) を元の式に代入すると、
\(x^3 + 4x − 1 \) \(= (x^2 − x − 6)(bx + 1) + 11x + 5\)
左辺と右辺の係数が等しくなるような定数 \(b\) を求めればよい。
右辺を展開して、
\((x^2 − x − 6)(bx + 1) + 11x + 5 \)
\(= bx^3 − bx^2 − 6bx + x^2 − x − 6 + 11x + 5 \)
\(= bx^3 + (1 − b)x^2 + (10 − 6b)x − 1\)
(見切れる場合は横へスクロール)
\(b = 1\) のとき、
\(bx^3 + (1 − b)x^2 + (10 − 6b)x − 1 \) \(= x^3 + 4x − 1\)
となり、左辺と右辺の係数が等しくなる。
したがって、\(a = 0, b = 1, c = 11, d = 5\)
答え: \(a = 0, b = 1\)、余り \(11x + 5\)
以上で応用問題も終わりです!
いろいろな問題を解いて、恒等式の意味や解き方をしっかりと押さえていきましょう!