この記事では、「二等辺三角形」の定義や定理(性質)をわかりやすく解説します。
二等辺三角形の角度・辺の長さ・面積の求め方、そして証明問題についても説明していくので、ぜひマスターしてくださいね!
目次
二等辺三角形の定義
二等辺三角形とは、\(2\) つの辺の長さが等しい三角形のことです。
二等辺三角形の等しい \(2\) 辺の間の角を「頂角」、その他の \(2\) つの角を「底角」といいます。そして、頂角に向かい合う辺を「底辺」といいます。
二等辺三角形の定義は、その名のとおり「\(2\) つの辺の長さが等しい三角形」であり、「\(2\) つの角が等しい三角形」ではないので注意しましょう。
\(2\) つの辺の長さが等しくなった結果、\(2\) つの底角も等しくなるのです。
二等辺三角形の書き方(作図方法)については以下の記事で説明しています。
正三角形・二等辺三角形・直角三角形の書き方(作図)まとめ!
二等辺三角形の定理(性質)
二等辺三角形には、\(2\) つの重要な定理(性質)があります。
定理① 底角の大きさが等しい
二等辺三角形の \(2\) つの底角の大きさは等しくなります。
定理② 頂角の二等分線は底辺を二等分する
二等辺三角形の頂角の二等分線は、底辺を垂直に二等分します。
つまり、頂角の二等分線が底辺の垂直二等分線でもあるのです。
これらの性質を利用して解く問題もあるので、必ず覚えておきましょう!
二等辺三角形の角度の求め方
二等辺三角形の性質を利用すると、どれか \(1\) つの角の大きさがわかれば、次のように角度が求められます。
頂角が \(a\)、底角が \(b\) の二等辺三角形について、
- 底角 \(b\) がわかっている場合
\begin{align}\color{red}{a = 180^\circ − 2b}\end{align} - 頂角 \(a\) がわかっている場合
\begin{align}\color{red}{b = \displaystyle \frac{180^\circ − a}{2}}\end{align}
三角形の内角の和が常に \(180^\circ\) であること、二等辺三角形の \(2\) つの底角の大きさが等しいことから、上記の公式が成り立ちます。
\(4\) パターンの例題を示しておきますので、見たい問題をクリックしてください。
\(\mathrm{AB} = \mathrm{AC}\)、\(\angle \mathrm{A} = 120^\circ\) のとき、\(\angle \mathrm{B}\) を求めよ。
\(\triangle \mathrm{ABC}\) は、頂角が \(\mathrm{A}\) の二等辺三角形ですね。
頂角 \(\angle \mathrm{A} = 120^\circ\) の二等辺三角形なので
\(\begin{align}\angle \mathrm{B} &= \displaystyle \frac{180^\circ − 120^\circ}{2} \\&= \frac{60^\circ}{2} \\&= 30^\circ\end{align}\)
答え: \(\color{red}{\angle \mathrm{B} = 30^\circ}\)
\(\mathrm{AB} = \mathrm{AC}\)、\(\angle \mathrm{C} = 40^\circ\) のとき、\(\angle \mathrm{A}\) を求めよ。
\(\triangle \mathrm{ABC}\) は、底角が \(\mathrm{B}\), \(\mathrm{C}\) の二等辺三角形ですね。
底角 \(\angle \mathrm{C} = 40^\circ\) の二等辺三角形なので
\(\begin{align}\angle \mathrm{A} &= 180^\circ − 2\angle \mathrm{C} \\&= 180^\circ − 2 \cdot 40^\circ \\&= 180^\circ − 80^\circ \\&= 100^\circ\end{align}\)
答え: \(\color{red}{\angle \mathrm{A} = 100^\circ}\)
次の \(\angle x\) の大きさを求めよ。
\(\triangle \mathrm{ABC}\) は、頂角が \(\mathrm{A}\) の二等辺三角形なので、底角の大きさ \(\angle \mathrm{B}, \angle \mathrm{C}\) はすぐに求められます。
同じ記号 ● で示されている部分は角度が等しいので、これを利用して最後は \(\angle x\) を含む小さな三角形に注目しましょう。
頂角 \(\angle \mathrm{A} = 48^\circ\) より
\(\begin{align}\angle \mathrm{B} &= \displaystyle \frac{180^\circ − 48^\circ}{2} \\&= \frac{132^\circ}{2} \\&= 66^\circ\end{align}\)
底角 \(\angle \mathrm{B}\) を二等分した角の大きさは \(\displaystyle \frac{66^\circ}{2} = 33^\circ\)
三角形の内角の和は \(180^\circ\) であるから、
\(\angle x = 180^\circ − (66^\circ + 33^\circ) = 180^\circ − 99^\circ = 81^\circ\)
答え: \(\color{red}{\angle x = 81^\circ}\)
次の \(\angle x\) の大きさを求めよ。
二等辺三角形が \(2\) つ合わさって、\(1\) つの大きな二等辺三角形になっています。
特に具体的な角度が与えられていませんが、「底角の大きさが等しい」ことに注目して同じ角度に印をつけていきましょう。
二等辺三角形の底角の大きさが等しいことと、三角形の外角の性質より、
したがって、大きい二等辺三角形は頂角の大きさ \(x\)、底角の大きさ \(2x\) であるから、
\(x + 2x + 2x = 180^\circ\)
\(5x = 180^\circ\)
\(x = 36^\circ\)
答え: \(\color{red}{\angle x = 36^\circ}\)
二等辺三角形の辺の長さの求め方
二等辺三角形の辺の長さは、次のように求められます。
- 頂角から底辺に垂線を下ろし、直角三角形を得る
(頂角が \(90^\circ\) の場合はそのまま全体を見る) - 直角三角形について、
(i) 角度がすべてわかり、しかも有名角(\(30^\circ\), \(45^\circ\), \(60^\circ\), \(90^\circ\) など)である場合
→ 直角三角形の辺の比を利用
(ii) \(2\) 辺の長さがわかっている場合
→ 三平方の定理を利用
それぞれの詳しい求め方は、例題で解説します。
\(\mathrm{AB} = \mathrm{AC}\)、頂角が \(120^\circ\)、\(\mathrm{BC} = 8\) の二等辺三角形 \(\mathrm{ABC}\) において、辺 \(\mathrm{AB}\) の長さを求めよ。
頂角が \(120^\circ\) なので、二等分線を下ろすと \(30^\circ\), \(60^\circ\), \(90^\circ\) の直角三角形が得られます。この直角三角形の辺の比 \(1 : \sqrt{3} : 2\) を利用します。
頂角 \(\mathrm{A}\) の二等分線と底辺 \(\mathrm{BC}\) の交点を \(\mathrm{H}\) とおく。
底角の大きさは等しいので、
\(\begin{align}\angle \mathrm{B} = \angle \mathrm{C} &= \displaystyle \frac{180^\circ − \angle \mathrm{A}}{2} \\&= \frac{180^\circ − 120^\circ}{2} \\&= \frac{60^\circ}{2} \\&= 30^\circ\end{align}\)
\(\mathrm{AH}\) は頂角と底辺を \(2\) 等分するから、
\(\angle \mathrm{BAH} = \angle \mathrm{CAH} = \displaystyle \frac{1}{2}\angle \mathrm{A} = 60^\circ\)
\(\mathrm{BH} = \mathrm{CH} = \displaystyle \frac{1}{2}\mathrm{BC} = 4\)
\(\triangle \mathrm{ABH}\) において、
\(\mathrm{AB} : \mathrm{BH} = 2 : \sqrt{3}\)
\(\mathrm{AB} : 4 = 2 : \sqrt{3}\)
\(\sqrt{3} \cdot \mathrm{AB} = 4 \cdot 2\)
\(\displaystyle \mathrm{AB} = \frac{4 \cdot 2}{\sqrt{3}} = \frac{8\sqrt{3}}{3}\)
答え: \(\color{red}{\displaystyle \mathrm{AB} = \frac{8\sqrt{3}}{3}}\)
次の二等辺三角形 \(\mathrm{ABC}\) において、辺 \(\mathrm{AB}\) の長さを求めよ。
\(2\) 辺の長さがわかっている直角三角形に注目して、三平方の定理で斜辺の長さを求めます。
\(\mathrm{AH}\) は底辺 \(\mathrm{BC}\) を二等分するから
\(\mathrm{BH} = \mathrm{HC} = \displaystyle \frac{1}{2}\mathrm{BC} = 1\)
直角三角形 \(\mathrm{ABH}\) において、三平方の定理より
\(\begin{align}\mathrm{AB}^2 &= \mathrm{BH}^2 + \mathrm{AH}^2 \\&= 1^2 + (2\sqrt{2})^2 \\&= 1 + 8 \\&= 9\end{align}\)
\(\mathrm{AB} > 0\) より \(\mathrm{AB} = 3\)
答え: \(\color{red}{\mathrm{AB} = 3}\)
二等辺三角形の面積の求め方
二等辺三角形の面積を求めるときも、通常の三角形の面積の公式「底辺 × 高さ ÷ \(2\)」を利用します。
このとき、どこを高さととらえるかがポイントです。
底辺 \(a\)、高さ \(h\) の二等辺三角形の面積 \(S\) は
\begin{align}\color{red}{S = \displaystyle \frac{1}{2}ah}\end{align}
- 直角二等辺三角形の場合
直角をはさむ \(2\) 辺を底辺、高さとみる - 頂角の半分が有名角(\(30^\circ\), \(60^\circ\))の場合
頂角の二等分線を高さとみて、直角三角形の辺の比で高さを求める - 頂角の半分が有名角でない場合
底角から対辺に垂線を下ろし、高さとみる - 角度ではなく辺の長さだけがわかる場合
頂角の二等分線を高さとみて、三平方の定理で高さを求める
それぞれの例題は以下をクリックしてください。
次の三角形の面積を求めよ。
頂角が \(90^\circ\) の二等辺三角形は直角二等辺三角形です。
直角をなす \(2\) 辺を底辺および高さとみて、そのまま面積を求めましょう。
\(\triangle \mathrm{ABC}\) は直角二等辺三角形であるから、面積 \(S\) は
\(\begin{align}S &= \displaystyle \frac{1}{2}\mathrm{AB} \cdot \mathrm{AC} \\&= \displaystyle \frac{1}{2} \cdot 2 \cdot 2 \\&= 2\end{align}\)
答え: \(\color{red}{2}\)
\(\mathrm{AB} = \mathrm{AC}\)、頂角が \(120^\circ\)、\(\mathrm{BC} = 8\) の二等辺三角形 \(\mathrm{ABC}\) の面積 \(S\) を求めよ。
頂角の半分は \(60^\circ\) と有名角なので、直角三角形の辺の比が利用できそうです。
この場合は、頂角の二等分線を底辺に下ろして高さとみるとスムーズです。
底角は \(\displaystyle \frac{180^\circ − 120^\circ}{2} = 30^\circ\)
頂角 \(\mathrm{A}\) の二等分線と底辺 \(\mathrm{BC}\) の交点を \(\mathrm{H}\) とおく。
\(\mathrm{AH}\) は頂角と底辺を \(2\) 等分するから、
\(\angle \mathrm{BAH} = \angle \mathrm{CAH} = \displaystyle \frac{1}{2}\angle \mathrm{A} = 60^\circ\)
\(\mathrm{BH} = \mathrm{CH} = \displaystyle \frac{1}{2}\mathrm{BC} = 4\)
\(\triangle \mathrm{ABH}\) において、
\(\mathrm{AH} : \mathrm{BH} = 1 : \sqrt{3}\)
\(\mathrm{AH} : 4 = 1 : \sqrt{3}\)
\(\sqrt{3} \cdot \mathrm{AH} = 4 \cdot 1\)
\(\displaystyle \mathrm{AH} = \frac{4 \cdot 1}{\sqrt{3}} = \frac{4\sqrt{3}}{3}\)
よって、\(\triangle \mathrm{ABC}\) は底辺 \(\mathrm{BC}\)、高さ \(\mathrm{AH}\) の三角形であるから
\(\begin{align} S &= \frac{1}{2} \cdot \mathrm{BC} \cdot \mathrm{AH} \\ &= \frac{1}{2} \cdot 8 \cdot \frac{4\sqrt{3}}{3} \\ &= \frac{16\sqrt{3}}{3} \end{align}\)
答え: \(\color{red}{S = \displaystyle \frac{16\sqrt{3}}{3}}\)
\(\mathrm{AB} = \mathrm{AC} = 5\sqrt{2}\)、\(\angle \mathrm{A} = 135^\circ\) の二等辺三角形 \(\mathrm{ABC}\) の面積 \(S\) を求めよ。
頂角が \(135^\circ\)、底角が \(22.5^\circ\) となり、二等辺三角形の内側には有名角をもつ直角三角形をつくれません。
こんなときは、片方の底角から向かい合う辺に向かって垂線を下ろして高さとします。
底角 \(\mathrm{C}\) から対辺 \(\mathrm{AB}\) に垂線を下ろしたとき、直線 \(\mathrm{AB}\) との交点を \(\mathrm{H}\) とする。
このとき、\(\triangle \mathrm{ACH}\) は \(\angle \mathrm{H} = 90^\circ\), \(\angle \mathrm{A} = \angle \mathrm{C} = 45^\circ\) の直角二等辺三角形であるから、
\(\mathrm{CH} : \mathrm{AC} = 1 : \sqrt{2}\) より
\(\begin{align}\mathrm{CH} &= \displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}}\mathrm{AC} \\&= \displaystyle \frac{1}{\sqrt{2}} \cdot 5\sqrt{2} \\&= 5\end{align}\)
よって、\(\triangle \mathrm{ABC}\) は底辺 \(\mathrm{AB}\)、高さ \(\mathrm{CH}\) の三角形であるから
\(\begin{align} S &= \frac{1}{2} \cdot \mathrm{AB} \cdot \mathrm{CH} \\ &= \frac{1}{2} \cdot 5\sqrt{2} \cdot 5 \\ &= \displaystyle \frac{25\sqrt{2}}{2}\end{align}\)
答え: \(\color{red}{S = \displaystyle \frac{25\sqrt{2}}{2}}\)
\(\mathrm{AB} = \mathrm{AC} = 4\)、\(\mathrm{BC} = 6\) の二等辺三角形 \(\mathrm{ABC}\) の面積 \(S\) を求めよ。
角度ではなく \(3\) 辺の長さがわかっている場合には、頂角の二等分線を高さとおいて、三平方の定理を利用します。
頂角 \(\mathrm{A}\) の二等分線と底辺 \(\mathrm{BC}\) の交点を \(\mathrm{H}\) とおく。
\(\angle \mathrm{AHC} = 90^\circ\) であるから、\(\triangle \mathrm{AHC}\) において三平方の定理より
\(\begin{align}\mathrm{AH}^2 &= \mathrm{AC}^2 − \mathrm{HC}^2 \\&= 4^2 − 3^2 \\&= 16 − 9 \\&= 7\end{align}\)
\(\mathrm{AH} > 0\) より \(\mathrm{AH} = \sqrt{7}\)
よって、\(\triangle \mathrm{ABC}\) は底辺 \(\mathrm{BC}\)、高さ \(\mathrm{AH}\) の三角形であるから
\(\begin{align} S &= \frac{1}{2} \cdot \mathrm{BC} \cdot \mathrm{AH} \\ &= \frac{1}{2} \cdot 6 \cdot \sqrt{7} \\ &= 3\sqrt{7} \end{align}\)
答え: \(\color{red}{S = 3\sqrt{7}}\)
二等辺三角形の計算問題
それでは、二等辺三角形の計算問題に挑戦しましょう。
計算問題「底辺、角度、面積を求める」
図の \(\mathrm{AB} = \mathrm{AC}\) の二等辺三角形 \(\mathrm{ABC}\) において、以下の問いに答えなさい。
(1) \(\mathrm{BC}\) の長さを求めよ。
(2) \(\angle \mathrm{BAC}\) が \(70^\circ\) のときの \(\angle \mathrm{BDE}\) の大きさを求めよ。
(3) 二等辺三角形 \(\mathrm{ABC}\) の面積 \(S\) を求めよ。
二等辺三角形の性質や三平方の定理を使って解ける問題です。
わかっていることを図に書き込んでいくことでヒントが見えてきますよ。
(1)
\(\triangle \mathrm{ABD}\) において、三平方の定理より
\(\mathrm{AB}^2 = \mathrm{AD}^2 + \mathrm{BD}^2\)
\(9^2 = 3^2 + \mathrm{BD}^2\)
\(\mathrm{BD}^2 = 81 − 9 = 72\)
\(\triangle \mathrm{BCD}\) において、三平方の定理より
\(\begin{align}\mathrm{BC}^2 &= \mathrm{BD}^2 + \mathrm{CD}^2 \\&= 72 + 6^2 \\&= 72 + 36 \\&= 108 \end{align}\)
\(\mathrm{BC} > 0\) より、\(\mathrm{BC} = 6\sqrt{3}\)
答え: \(6\sqrt{3} \, \mathrm{cm}\)
(2)
\(\begin{align} \angle \mathrm{BDE} &= 180^\circ − (\angle \mathrm{ADB} + \angle \mathrm{CDE}) \\ &= 180^\circ − (90^\circ + \angle \mathrm{CDE}) \\ &= 90^\circ − \angle \mathrm{CDE} \text{ …①} \end{align}\)
\(\triangle \mathrm{CDE}\)において、
\(\begin{align} \angle \mathrm{CDE} &= 180^\circ − (\angle \mathrm{CED} + \angle \mathrm{ECD}) \\ &= 180^\circ − (90^\circ + \angle \mathrm{ECD}) \\ &= 90^\circ − \angle \mathrm{ECD} \text{ …②} \end{align}\)
①、②より、
\(\begin{align} \angle \mathrm{BDE} &= 90^\circ − (90^\circ − \angle \mathrm{ECD}) \\ &= \angle \mathrm{ECD} \text{ …③} \end{align}\)
\(\triangle \mathrm{ABC}\) は二等辺三角形なので、\(2\) つの底角は等しい。
よって、
\(\begin{align} \angle \mathrm{ECD} &= \frac{180^\circ − 70^\circ}{2} \\ &= 55^\circ \end{align}\)
ゆえに③より、
\(\angle \mathrm{BDE} = 55^\circ\)
答え: \(55^\circ\)
(3)
二等辺三角形 \(\mathrm{ABC}\) の面積は、底辺を \(\mathrm{AC}\)、高さを \(\mathrm{BD}\) ととらえると求められる。
(1) の結果から
\(\mathrm{BD}^2 = 72\)
\(\mathrm{BD} > 0\) より、\(\mathrm{BD} = 6\sqrt{2}\)
\(\begin{align} S &= \frac{1}{2} \cdot \mathrm{AC} \cdot \mathrm{BD} \\ &= \frac{1}{2} \cdot 9 \cdot 6\sqrt{2} \\ &= 27\sqrt{2} \end{align}\)
答え: \(27\sqrt{2} \, \mathrm{cm}^2\)
二等辺三角形の証明問題
ある三角形が二等辺三角形であることを証明する方法を説明します。
二等辺三角形の成立条件
三角形が二等辺三角形であることを証明するためには、次のどちらかを示せばよいです。
- \(2\) つの辺の長さが等しい
- \(2\) つの角の大きさが等しい
証明問題「二等辺三角形であることの証明」
それでは、実際に問題を通して証明のやり方を説明していきます。
\(\mathrm{AD} \ // \ \mathrm{BC}\) の台形 \(\mathrm{ABCD}\) がある。
\(\mathrm{AD} = \mathrm{DE}\) であり、\(\mathrm{AE}\) の延長線と \(\mathrm{BC}\) の延長線が交わる点を \(\mathrm{F}\) とする。
このとき、\(\triangle \mathrm{CEF}\) が二等辺三角形であることを証明せよ。
まずは、わかっていることを図に書き込んでいきます。
辺の長さの情報はあまりないので、角度に注目しましょう。
- \(\mathrm{AD} = \mathrm{DE}\) → \(\triangle \mathrm{ADE}\) は二等辺三角形
- その底角は等しい → \(\angle \mathrm{DAE} = \angle \mathrm{DEA}\) …①
- 対頂角は等しい → \(\angle \mathrm{DEA} = \angle \mathrm{CEF}\) …②
- \(\mathrm{AD} \ // \ \mathrm{BC}\) から、錯角は等しい → \(\angle \mathrm{DAE} = \angle \mathrm{CFE}\) …③
①、②、③より \(\angle \mathrm{CEF} = \angle \mathrm{CFE}\)、つまり、「\(\triangle \mathrm{CEF}\) の \(2\) つの底角が等しい」ことが示せます。
これらを文章に落とし込めば、証明の完成です!
仮定 \(\mathrm{AD} = \mathrm{DE}\) より、\(\triangle \mathrm{AED}\) は二等辺三角形なので、\(2\) つの底角は等しい。
よって、
\(\angle \mathrm{DAE} = \angle \mathrm{DEA}\) …①
対頂角は等しいので、
\(\angle \mathrm{DEA} = \angle \mathrm{CEF}\) …②
仮定より \(\mathrm{AD} \ // \ \mathrm{BC}\) なので、錯角は等しい。
よって
\(\angle \mathrm{DAE} = \angle \mathrm{CFE}\) …③
①、②、③より
\(\angle \mathrm{CEF} = \angle \mathrm{CFE}\)
よって、\(2\) つの底角が等しいので、 \(\triangle \mathrm{CEF}\) は二等辺三角形である。
(証明終わり)
以上で証明問題も終わりです!
二等辺三角形の性質は、問題を解くときに当たり前の知識として使います。
シンプルな内容ばかりなので、必ず覚えておきましょうね!