二次不等式とは?解き方や解の範囲の求め方、判別式の問題

この記事では、「二次不等式」の定義や解の範囲の求め方をできるだけわかりやすく解説していきます。

また、判別式を利用した問題の解き方なども紹介していきますので、この記事を通してぜひマスターしてくださいね。

 

二次不等式とは?

二次不等式とは、不等式のうち、変数の次数が \(\bf{2}\) 次(\(\bf{2}\) 乗) の不等式のことです。

例えば、「\(x^2 − 5x + 1 > 0\)」のような不等式です。

不等式

左辺と右辺が \(<\), \(>\), \(\leq\), \(\geq\) などの不等号で結ばれた、大小関係を示す式。

不等式に含まれる変数 \(x\) の値の範囲を求めることを「不等式を解く」という。

 

二次不等式と解の範囲【公式】

ここでは、二次不等式の解の範囲を求める公式を説明します。

二次不等式と解の範囲

\(ax^2 + bx + c\) \((a > 0)\) について、

 

【\(ax^2 + bx + c = 0\) が解 \(p\), \(q\) \((p > q)\) をもつ場合】

① \(ax^2 + bx + c > 0\) のとき

  解の範囲は \(x < q\), \(x > p\)

② \(ax^2 + bx + c < 0\) のとき

  解の範囲は \(q < x < p\)

 

【\(ax^2 + bx + c = 0\) が解をもたない場合】

③ \(ax^2 + bx + c > 0\) のとき

  解の範囲は すべての実数

④ \(ax^2 + bx + c < 0\) のとき

 \(x\) を満たす解はない

 

 

二次不等式の解の範囲を考えるときには、二次関数 \(y = ax^2 + bx + c\) のグラフを思い浮かべるとわかりやすいです。

それでは、解の範囲 ① 〜 ④ について、詳しく説明していきます。

 

① x < q, x > p

\(ax^2 + bx + c = 0\) が解をもつ場合の不等式 \(ax^2 + bx + c > 0\) についてです。

不等式をグラフに置き換えると、\(y = ax^2 + bx + c > 0\) のとき、すなわち、\(y\) 座標が \(0\) よりも大きい部分で不等式が成り立ちます

したがって、\(ax^2 + bx + c = 0\) が解をもつ場合、\(ax^2 + bx + c > 0\) を満たす解の範囲は \(\color{red}{x < q,  x > p}\) です。

 

② q < x < p

\(ax^2 + bx + c = 0\) が解をもつ場合の不等式 \(ax^2 + bx + c < 0\) についてです。

不等式をグラフに置き換えると、 \(y = ax^2 + bx + c < 0\) のとき、すなわち、\(y\) 座標が \(0\) よりも小さい部分で不等式が成り立ちます

したがって、\(ax^2 + bx + c = 0\) が解をもつ場合、\(ax^2 + bx + c < 0\) を満たす解の範囲は \(\color{red}{q < x < p}\) です。

 

③ すべての実数

次に、\(ax^2 + bx + c = 0\) が解をもたない場合の不等式 \(ax^2 + bx + c > 0\) についてです。

\(y = ax^2 + bx + c > 0\) のとき、すなわち、\(y\) が \(0\) よりも大きい部分では \(x\) がどんな値であっても不等式が成り立ちます

したがって、\(ax^2 + bx + c = 0\) が解をもたない場合、\(ax^2 + bx + c > 0\) を満たす \(x\) の解の範囲はすべての実数です。

 

④ 解なし

\(ax^2 + bx + c = 0\) が解をもたない場合の不等式 \(ax^2 + bx + c < 0\) についてです。

\(y = ax^2 + bx + c < 0\) のとき、すなわち、\(y\) が \(0\) よりも小さい部分には、グラフが存在していません。

したがって、\(ax^2 + bx + c = 0\) が解をもたない場合、\(ax^2 + bx + c < 0\) を満たす \(x\) の解は存在しません(解なし)。

 

二次不等式の解き方【例題】

それでは、以下の例題を通して二次不等式の解き方を説明します。

例題

\(x^2 − x − 2 > 0\) を解け。

 

STEP.1
(左辺) = 0 が解をもつか調べる

まずは二次不等式の解の範囲の端が存在するかを知るために、\((\text{左辺}) = 0\) が解をもつかを調べます。

\((\text{左辺}) = 0\) が因数分解などでそのまま解けそうな場合は解き、判断できない場合は判別式を調べます。

例題では、\(x^2 − x − 2 = 0\) はそのまま因数分解できそうです。

\(x^2 − x − 2 = 0\) を解くと、

\((x + 1)(x − 2) = 0\)

\(x = 2, −1\)

\(x^2 − x − 2 = 0\) は、\(2\) つの解 \(2\), \(−1\) をもつことがわかりました。

 

 

STEP.2
二次不等式の解の範囲を求める

あとは、先ほど紹介した公式に当てはめて解の範囲を求めます。

\(x^2 − x − 2 > 0\) の解の範囲は

\(x > 2, x < − 1\)

となります。

 

Tips

不等号の向きと解の範囲の関係にいつも混乱してしまう人は、問題を解くたびにグラフを書いてみましょう。そうすれば、視覚的に答えが導けます

 

例題では、 \(x^2 − x − 2 > 0\) を満たす \(x\) の解の範囲は以下のように図示できますね。

特に最初のうちや、複雑な二次不等式を解くときは、グラフも書いてみることをオススメします!

 

完了

 

二次不等式の練習問題

では、さっそく二次不等式の簡単な問題を解いてみましょう。

練習問題①「因数分解できる不等式」

練習問題①

次の二次不等式の解の範囲を求めよ。

\(3x^2 + 5x − 2 > 0\)

 

まずは、\(x\) の解の範囲の端となる値を求めます。

今回の問題では左辺を因数分解できそうです。

解答

 

\(3x^2 + 5x − 2 > 0\) の左辺を因数分解すると、

\((3x − 1)(x + 2) > 0\)

\((\text{左辺}) = 0\) のとき、\(\displaystyle x = \frac{1}{3}\) , \(−2\)

 

グラフに表すと、 \(y = 3x^2 + 5x − 2 > 0\) となる範囲は以下のようになる。

 

したがって、求める解の範囲は

\(x < −2\), \(\displaystyle x > \frac{1}{3}\)

 

答え: \(x < − 2, \displaystyle x > \frac{1}{3}\)

 

練習問題②「判別式で解く1」

練習問題②

次の二次不等式の解の範囲を求めよ。

\(2x^2 − 5x + 1 < 0\)

 

この問題は因数分解できません。

そこで、まず \(2x^2 − 5x + 1 = 0\) が解をもつかどうかを判別式で調べます。

解をもつことがわかったら、解の公式で \(x\) の解の範囲の端となる値を求めましょう。

解答

 

\(2x^2 − 5x + 1 = 0\) の判別式を \(D\) とすると、

\(\begin{align} D &= (− 5)^2 − 4 \cdot 2 \cdot 1 \\ &= 25 − 8 \\ &= 17 > 0 \end{align}\)

 

\(D > 0\) より、\(2x^2 − 5x + 1 = 0\) は \(2\) つの実数解をもつ。

 

解の公式より、

\(\begin{align} x &=  \frac{−(−5) \pm \sqrt{D}}{2 \cdot 2} \\ &= \frac{5 \pm \sqrt{17}}{4} \end{align}\)

 

\(y = 2x^2 − 5x + 1\) とおくと、

\(y = 2x^2 − 5x + 1 < 0\) となる \(x\) の値の範囲は、以下のようになる。

 

したがって、求める解の範囲は

\(\displaystyle \frac{5 − \sqrt{17}}{4} < x < \frac{5 + \sqrt{17}}{4} \)

 

答え: \(\displaystyle \frac{5 − \sqrt{17}}{4} < x < \frac{5 + \sqrt{17}}{4}\)

 

練習問題③「判別式で解く2」

練習問題③

次の二次不等式の解の範囲を求めよ。

\(3x^2 − 4x + 2 < 0\)

 

この問題も左辺が因数分解できないので、まずは \(\text{(左辺)} = 0\) の判別式を計算します。

\(\text{(左辺)} = 0\) の解がある場合とない場合で、不等式の解の範囲は大きく異なるので、慎重に考えていきましょう!

解答

 

\(3x^2 − 4x + 2 = 0\) の判別式を \(D\) とおくと、

\(\begin{align} D &= (−4)^2 − 4 \cdot 3 \cdot 2 \\ &= 16 − 24 \\ &= −8 < 0 \end{align}\)

 

\(D < 0\) より、\(3x^2 − 4x + 2 = 0\) は実数解をもたない。

 

\(y = 3x^2 − 4x + 2\) とおくと、すべての \(x\) の範囲でグラフが \(x\) 軸より上にあるため、\(y = 3x^2 − 4x + 2 < 0\) となる \(x\) は存在しない。

 

したがって、 \(3x^2 − 4x + 2 < 0\) を満たす \(x\) は存在しない。

 

答え: 解なし

 

練習問題④「判別式で解く3」

練習問題④

次の二次不等式の解の範囲を求めよ。

\(− 6x^2 − 5x − 3 < 0\)

 

\(x^2\) の項がマイナスの場合は、プラスに直してから考えた方が楽です。

この問題も左辺が因数分解できないので、練習問題③と同様に考えていきましょう。

解答

 

\(−6x^2 − 5x − 3 < 0\) より、

\(6x^2 + 5x + 3 > 0\)

 

\(6x^2 + 5x + 3 = 0\) の判別式を \(D\) とおくと、

\(\begin{align} D &= 5^2 − 4 \cdot 6 \cdot 3 \\ &= 25 − 72 \\ &= −47 < 0 \end{align}\)

 

\(D < 0\) より、実数解をもたない。

 

\(y = 6x^2 + 5x + 3\) とおくと、すべての \(x\) の範囲でグラフが \(x\) 軸より上にあるため、\(y = 6x^2 + 5x + 3 > 0\) は \(x\) がどんな値であっても成り立つ。

 

したがって、\(6x^2 + 5x + 3 > 0\) を満たす \(x\) の範囲はすべての実数である。

 

答え: すべての実数

 

二次不等式の応用問題

最後に、少し難易度の高い問題を解いてみましょう!

応用問題①「定数項 k の範囲を求める」

応用問題①

\(k\) を定数とする。次の二次不等式が解をもたないような \(k\) の範囲を求めよ。

\(x^2 − 6x + k < 0\)

 

二次不等式 \(x^2 − 6x + k < 0\) が解をもたないということは、関数 \(y = x^2 − 6x + k\) が \(x\) 軸と接する、または交わらないと考えることができます。

そうなるためには、\(x^2 − 6x + k = 0\) の判別式が \(D \leq 0\) である必要がありますね。

判別式と不等号の関係性がよくわからない人は、まずグラフを書いてどのような状態であればよいかを想像するようにしましょう。

解答

 

\(x^2 − 6x + k < 0\) が解をもたないためには、 \(y = x^2 − 6x + k\) が \(x\) 軸と接する、または交わらなければよい。

 

\(x^2 − 6x + k = 0\) の判別式を \(D\) とおくと、

\(\begin{align} D &= (−6)^2 − 4 \cdot 1 \cdot k \\ &= 36 − 4k \\ &= 4(9 − k) \end{align}\)

 

\(D \leq 0\) になればよいので、

\(4(9 − k) \leq 0\)

\(9 − k \leq 0\)

\(9 \leq k\)

 

答え: \(9 \leq k\)

 

応用問題②「係数 k の範囲を求める」

応用問題②

\(k\) を定数とする。次の二次不等式の解がすべての実数となるような \(k\) の範囲を求めよ。

\(2kx^2 − 5x + 2 \geq 0\)

 

この問題では、\(x^2\) の係数に未知数 \(k\) が含まれています。

\(x^2\) の係数の正負によってグラフの形が変わるので、場合分けが必要です。

それぞれグラフを書いてみて、確認していきましょう。

解答

 

\(y = 2kx^2 − 5x + 2\) とおき、グラフと \(x\) 軸との交点について考える。

 

(i) \(k > 0\) のとき

\(x^2\) の係数が正となるから、グラフは下に凸となる。

このとき、\(2kx^2 − 5x + 2 \geq 0\) の解がすべての実数となるためには、\(y = 2kx^2 − 5x + 2\) が \(x\) 軸と接するか、交わらなければよい。

 

\(2kx^2 − 5x + 2 = 0\) の判別式を \(D\) とおくと、

\(\begin{align} D &= (−5)^2 − 4 \cdot 2k \cdot 2 \\ &= 25 − 16k \end{align}\)

 

\(D \leq 0\) となればよいから、

\(25 − 16k \leq 0\)

\(−16k \leq −25\)

よって \(\displaystyle k \geq \frac{25}{16}\)

 

 

(ii) \(k = 0\) のとき

\(2kx^2 − 5x + 2\) に \(k = 0\) を代入すると、

\(2 \cdot 0 \cdot x^2 − 5x + 2 = −5x + 2\)

 

不等式は \(−5x + 2 \geq 0\) となる。

これを解くと、

\(−5x + 2 \geq 0\)

\(−5x \geq −2\)

\(\displaystyle x \leq \frac{2}{5}\)

 

したがって、\(k = 0\) のとき解の範囲は \(\displaystyle x \leq \frac{2}{5}\) となり、すべての実数とはならない。

よって不適。

 

 

(iii) \(k < 0\) のとき

\(x^2\) の係数が負となるから、グラフは上に凸となる。

このとき、\(k\) がどのような値であってもグラフは下に伸びるため、どこかで \(x\) 軸と交わり、\(y < 0\) となる部分が存在する。

 

したがって、 \(k < 0\) のとき、すべての実数が解となることはない。

よって不適。

 

(i) ~ (iii) より、求める \(k\) の範囲は \(\displaystyle k \geq \frac{25}{16}\)

 

答え: \(\displaystyle k \geq \frac{25}{16}\)

以上で、すべての問題は終わりです!

 

二次不等式は、グラフに変換して考えるとわかりやすかったですね。

二次関数のグラフや判別式への理解を深めるのにも重要な単元なので、しっかりイメージをつかんでおきましょう。

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