二重根号の外し方を徹底解説!公式や証明、計算問題

この記事では、「二重根号」の外し方をわかりやすく、徹底的に解説していきます。

二重根号を外す公式やその証明、計算問題を解くためのポイントなども紹介していきます。この記事を通してぜひマスターしてくださいね。

 

二重根号とは?

二重根号とは、根号 ( \(\bf{\sqrt{ }}\) ) の中に根号が現れる値のことです。

補足

根号の記号\(\sqrt{ }\)は「ルート」と呼びます。

今までよく見てきたのは、\(\sqrt{2}\)、\(\sqrt{3}\)、\(\sqrt{5}\)、\(\sqrt{0}\) のように、根号の中が \(0\) 以上の整数でしたよね。

これらの値は小数で表せばだいたいどのくらいの大きさかわかります。

例えば、\(\sqrt{2}\) は \(2\) 乗すると \(2\) になる正の数であり、

\(\sqrt{2} = 1.41421356\cdots\)

となる無理数です。

 

ですが、

\(\sqrt{8 + 2\sqrt{15}}\)

のような二重根号は、どのくらいの大きさの数なのかわかりにくく、またほかの数と四則計算しようと思っても扱いにくいですよね。

 

そのため、二重根号の数値が出てきたら、二重根号を外す、つまり、二重根号の外側のルートを取り払うのが一般的です。

 

二重根号を外す公式

それでは、二重根号を外すための公式を確認していきましょう。

二重根号の外し方

\(\color{red}{p = a + b}\)、\(\color{red}{q = ab}\) となるとき、

  • \(\color{red}{\sqrt{p + 2\sqrt{q}} = \sqrt{a} + \sqrt{b}}\)
    (ただし、\(a > 0\), \(b > 0\))
  • \(\color{red}{\sqrt{p − 2\sqrt{q}} = \sqrt{a} − \sqrt{b}}\)
    (ただし、\(a > b > 0\))

大切なのは、「\(p = a + b、q = ab\)」となるような \(a\) と \(b\) のペアを見つけることです。

後ほど公式の証明で示すように、二重根号の公式は「因数分解」と同じ、ととらえておきましょう。

また、\(\sqrt{q}\) に \(2\) がかかっていることもポイントです。これがないときちんと根号を外すことができないので注意しましょう。

 

二重根号を外す公式の証明

ここでは、二重根号の外し方の公式を証明します。

 

普通に根号を外すには、ルートの中がある正の数の \(2\) 乗になっていればよかったですね。

\(\sqrt{A^2} = A\) \((A > 0)\)

二重根号の場合も、ルートの中が正の数の \(2\) 乗になっていれば、そのルートを外すことができます。

 

それでは、以下の \(2\) つの公式を証明しましょう。

二重根号の公式の証明

\(p = a + b\), \(q = ab\) となるとき、以下の等式が成り立つことを証明せよ。

① \(\sqrt{p + 2\sqrt{q}} = \sqrt{a} + \sqrt{b}\)

(ただし、\(a > 0\), \(b > 0\))

 

② \(\sqrt{p − 2\sqrt{q}} = \sqrt{a} − \sqrt{b}\)

(ただし、\(a > b > 0\))

 

与えられた関係式を用いて左辺を \(\sqrt{a}\), \(\sqrt{b}\) で表してみると、因数分解できることがわかります。

証明

 

① において、

\(\begin{align} \text{(左辺)} &= \sqrt{p + 2\sqrt{q}} \\ &= \sqrt{a + b + 2\sqrt{ab}} \\ &= \sqrt{a + 2\sqrt{ab} + b} \\ &= \sqrt{\sqrt{a}^2 + 2\sqrt{a}\sqrt{b} + \sqrt{b}^2} \\ &= \sqrt{(\sqrt{a} + \sqrt{b})^2} \end{align}\)

 

ここで、\(a > 0\)、\(b > 0\) より

\(\sqrt{a} + \sqrt{b} > 0\) であるから

\(\begin{align} \sqrt{(\sqrt{a} + \sqrt{b})^2} &= \sqrt{a} + \sqrt{b} \\ &= \text{(右辺)} \end{align}\)

 

② において、

\(\begin{align} \text{(左辺)} &= \sqrt{p − 2\sqrt{q}} \\ &= \sqrt{a + b − 2\sqrt{ab}} \\ &= \sqrt{a − 2\sqrt{ab} + b} \\ &= \sqrt{\sqrt{a}^2 − 2\sqrt{a}\sqrt{b} + \sqrt{b}^2} \\ &= \sqrt{(\sqrt{a} − \sqrt{b})^2} \end{align}\)

 

ここで、 \(a > b > 0\) より

\(\sqrt{a} − \sqrt{b} > 0\) であるから

\(\begin{align} \sqrt{(\sqrt{a} − \sqrt{b})^2} &= \sqrt{a} − \sqrt{b} \\ &= \text{(右辺)} \end{align}\)

 

したがって、等式①、②は成り立つ。

 

(証明終わり)

補足

②に関して、\(\sqrt{a}\) と \(\sqrt{b}\) の順序を入れ替えた \(\sqrt{b} − \sqrt{a}\) でも

\((\sqrt{b} − \sqrt{a})^2 = a + b − 2\sqrt{ab}\)

となりますが、\(\sqrt{b} − \sqrt{a} < 0\) なので、根号の中に入れることができません

二重根号の項の間がマイナスの場合は、二重根号の中身の符号について特に気を付けるようにしましょう!

 

二重根号の外し方

実際に例題で計算しながら、二重根号の外し方を理解していきましょう。

【例題①】公式どおり当てはめる

例題①

次の二重根号を外しなさい。

\(\sqrt{8 + 2\sqrt{15}}\)

 

公式を使って、外側のルートの中が \((\sqrt{a} + \sqrt{b})\) の \(2\) 乗、あるいは \((\sqrt{a} − \sqrt{b})\) の \(2\) 乗になるような値 \(a\), \(b\) のペアを見つけます。

この問題では、

  • \(a + b = 8\)
  • \(ab = 15\)

となる正の数 \(a\), \(b\) を探します。

まずは \(ab = 15\) に注目します。

\(2\) つの数をかけて \(15\) になる正の数の組み合わせは、\(1 \times 15\)、\(3 \times 5\) の \(2\) 通りです。

そのうち、足し算して \(8\) になる \(2\) 数は \(3\) と \(5\) ですね。

したがって答えは

\(\sqrt{8 + 2\sqrt{15}} = \color{red}{\sqrt{3} + \sqrt{5}}\)

となります。

 

実際に答えを \(2\) 乗してみると、

\(\begin{align} \color{salmon}{(\sqrt{3} + \sqrt{5})^2} &= \sqrt{3}^2 + 2\sqrt{3}\sqrt{5} + \sqrt{5}^2 \\ &= 3 + 2\sqrt{15} + 5 \\ &= \color{salmon}{8 + 2 \sqrt{15}} \end{align}\)

となり、二重根号の状態を \(2\) 乗したものと同じになりますね。

補足

この問題のように二重根号の中身が足し算の場合は、答えの項の順序はどちらでも構いません( \(\sqrt{3} + \sqrt{5}\) でも \(\sqrt{5} + \sqrt{3}\) でもOK)。

 

【例題②】式を工夫して公式に当てはめる

もう \(1\) 問見てみましょう。

例題②

次の二重根号を外しなさい。

\(\sqrt{9 − 6\sqrt{2}}\)

 

後ろの項が \(\bf{2\sqrt{q}}\) のかたちでないと、公式を使うことができません。

なので、まずは公式が使えるように後ろの項を無理やり変形します

\(6 = 2 \times 3\) なので、\(3\) を \(2\) 乗して \(\sqrt{ }\) の中に入れます。

\(\begin{align} \sqrt{9 − 6\sqrt{2}} &= \sqrt{9 − 2 \cdot 3\sqrt{2}} \\ &= \sqrt{9 − 2\sqrt{2 \cdot 3^2}} \\ &= \sqrt{9 − \color{salmon}{2\sqrt{18}}} \end{align}\)

 

変形できたら、

  •  \(a + b = 9\)
  •  \(ab = 18\)

となる \(a\), \(b\) を求めます。ただし、\(a > b\) に注意です。

まずは \(ab = 18\) に注目します。

\(2\) つの数をかけて \(18\) になる正の数の組み合わせは、\(1 \times 18\)、\(2 \times 9\)、\(3 \times 6\) の \(3\) 通りです。

そのうち、足し算して \(9\) になる \(2\) 数は \(3\) と \(6\) ですね。

したがって、答えは

\(\sqrt{9 − 6\sqrt{2}} = \color{red}{\sqrt{6} − \sqrt{3}}\)

となります。

 

実際に答えを \(2\) 乗してみると、

\(\begin{align} \color{salmon}{(\sqrt{6} − \sqrt{3})^2} &= \sqrt{6}^2 − 2\sqrt{6}\sqrt{3} + \sqrt{3}^2 \\ &= 6 − 2\sqrt{18} + 3 \\ &= \color{salmon}{9 − 6\sqrt{2}} \end{align}\)

となり、二重根号の状態を \(2\) 乗したものと同じになります。

 

補足

ただし、すべての二重根号が外せるわけではないということに留意しておきましょう。

あくまでも、「\(a + b = p\), \(ab = q\)」を満たす \(2\) つの正の数のペアが存在する場合にのみ、二重根号を外すことができます。

見つからなければ、その二重根号は外せないということです。

 

二重根号の練習問題

それでは、実際に問題を解いてみましょう。

練習問題「式変形、場合分けありの問題」

練習問題

次の二重根号を外しなさい。

(1) \(\sqrt{2 + \sqrt{3}}\)

(2) \(\sqrt{7 − \sqrt{48}}\)

(3) \(\sqrt{2a + 3 − \sqrt{24a}}\)(ただし、 \(a > 0\))

 

二重根号を外す問題です。公式を使えるように式を変形しましょう。

解答

 

(1)

\(\begin{align} \sqrt{2 + \sqrt{3}} &= \sqrt{\frac{4 + 2\sqrt{3}}{2}} \\ &= \frac{\sqrt{(3 + 1) + 2\sqrt{3 \cdot 1}}}{\sqrt{2}} \\ &= \frac{\sqrt{3} + 1}{\sqrt{2}} \\ &= \frac{\sqrt{6} + \sqrt{2}}{2} \end{align}\)

 

答え: \(\displaystyle \frac{\sqrt{6} + \sqrt{2}}{2}\)

 

 

(2)

\(\begin{align} \sqrt{7 − \sqrt{48}} &= \sqrt{7 − \sqrt{2 \cdot 2 \cdot 12}} \\ &= \sqrt{7 – 2\sqrt{12}} \\ &= \sqrt{(3 + 4) − 2\sqrt{3 \cdot 4}} \\ &= \sqrt{4} − \sqrt{3} \\ &= 2 − \sqrt{3} \end{align}\)

 

答え: \(2 − \sqrt{3}\)

 

 

(3)

\(\sqrt{2a + 3 − \sqrt{24a}}\)

\(= \sqrt{2a + 3 − \sqrt{2 \cdot 2 \cdot 6a}}\)

\(= \sqrt{2a + 3 − 2\sqrt{6a}}\)

 

(i) \(2a > 3\) すなわち \(\displaystyle a > \frac{3}{2}\) のとき

\(\sqrt{2a + 3 − 2\sqrt{6a}} = \sqrt{2a} − \sqrt{3}\)

 

(ii) \(2a = 3\) すなわち \(\displaystyle a = \frac{3}{2}\) のとき

\(\begin{align} \sqrt{2a + 3 − 2\sqrt{6a}} &= \sqrt{6 − 2\sqrt{9}} \\ &= \sqrt{6 − 2 \cdot 3} \\ &= \sqrt{6 − 6} \\ &= 0 \end{align}\)

 

(iii) \(3 > 2a\) すなわち \(\displaystyle a < \frac{3}{2}\) のとき

\(\sqrt{2a + 3 − 2\sqrt{6a}} = \sqrt{3} − \sqrt{2a}\)

 

答え:

  • \(\displaystyle a > \frac{3}{2}\) のとき、\(\sqrt{2a} − \sqrt{3}\)
  • \(\displaystyle a = \frac{3}{2}\) のとき、\(0\)
  • \(\displaystyle a < \frac{3}{2}\) のとき、\(\sqrt{3} − \sqrt{2a}\)

以上で練習問題も終わりです!

 

二重根号の問題では、「公式が使えるように式を変形する」こと、「条件を満たす \(2\) つの正の数を見つける」ことがポイントです。

これらのことに気をつけて、練習を重ねることで、必ずマスターできるようになりますよ!

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