三角形の成立条件、辺と角の大小関係をわかりやすく解説!

この記事では、「三角形の成立条件」「三角形の辺と角の大小関係」について、できるだけわかりやすく解説していきます。

また、それらを土台として、三角形が鋭角・直角・鈍角三角形になるための条件も説明していくので、この記事を通してぜひマスターしてくださいね!

 

三角形の成立条件とは?

三角形の成立条件とは、 三角形が存在するかどうかを判定する条件のことです。

「三角形の存在条件」と教わる場合もありますね。

三角形の成立条件

\(3\) 辺の長さが \(a\), \(b\), \(c\)(ただし、\(a \geq b, c\))である三角形が存在する必要十分条件は、

\begin{align}\color{red}{a < b + c}\end{align}

これは、いちばん長い辺(最大辺)の長さがほかの \(2\) 辺の長さの和よりも小さければよい、ということを示しています。

実際に図を書いてみると、最大辺 \(a\) が \(b + c\) よりも長いと三角形を作れないのがわかります。

Tips

本来は \(a < b + c\)、\(b < c + a\)、\(c < a + b\) のすべてが成り立つ必要がありますが、すべての場合を調べる必要はありません。

最大辺で成り立てば、ほか \(2\) 辺についても必ず成り立ちます。

 

例題①「三角形が成立するか調べる」

三角形の成立条件の使い方を例題で説明します。

例題①

次の三角形が成立するかどうか求めなさい。

\(a = 9\), \(b = 5\), \(c = 3\) の三角形

 

最大辺の長さがほかの \(2\) 辺の長さの和よりも大きいかどうかで判断します。

解答

 

最も長い辺は \(a = 9\)

他の \(2\) 辺の和は \(b + c = 8\)

\(a > b + c\) となるので、この三角形は成立しない。

 

答え: 成立しない

 

例題②「成立条件で辺の長さを求める」

もう \(1\) 問、形式の違う問題を見てみましょう。

例題②

\(3\) 辺の長さが \(3\), \(8\), \(x\) となる三角形を作るとき、\(x\) のとり得る範囲を求めよ。

 

三角形の成立条件を元に立式すると、\(x\) の範囲が \(2\) つ出てきます。

その共通範囲を求めることで答えが出てきます。

解答

 

最大辺となる可能性がある辺の長さは、\(8\) または \(x\) である。

 

よって、三角形の成立条件より

\(\left\{\begin{array}{l} 8 < 3 + x\\ x < 3 + 8\end{array}\right.\)

が成り立てばよい。

 

\(8 < 3 + x\) より \(5 < x\) …①

 

\(x < 3 + 8\) より \(x < 11\) …②

 

①、②の共通範囲を求めて、

\(5 < x < 11\)

 

答え: \(\color{red}{5 < x < 11}\)

 

三角形の辺と角の大小関係とは?

三角形には、ある辺とそれに向かい合う角の大小関係が一致する、という性質(定理)があります。

三角形の辺と角の大小関係の定理

\(\triangle \mathrm{ABC}\) において、

\begin{align}\color{red}{\angle \mathrm{A} > \angle \mathrm{B} > \angle \mathrm{C} \Longleftrightarrow a > b > c}\end{align}

  •  大きい辺に向かい合う角は、小さい辺に向かい合う角より大きい。
  •  大きい角に向かい合う辺は、小さい角に向かい合う辺より大きい。

 

この定理を利用すると、各辺や角の大小を調べることができます。

 

例題「角の大小を調べる」

この定理を用いる例題を見てみましょう。

例題

\(a = 8\), \(b = 3\), \(c = 6\) の \(\triangle \mathrm{ABC}\) において、\(3\) つの角の大小を調べなさい。

 

\(3\) 辺の長さが明らかなので、対応する角の大小関係もわかります。

解答

 

\(3\) つの辺の大小関係は、

\(a > c > b\)

 

三角形の辺とその対角の大小関係は一致するので、角の大小関係は

\(\angle \mathrm{A} > \angle \mathrm{C} > \angle \mathrm{B}\)

 

答え: \(\color{red}{\angle \mathrm{A} > \angle \mathrm{C} > \angle \mathrm{B}}\)

 

三角形の鋭角・直角・鈍角条件

三角形が鋭角三角形、直角三角形、鈍角三角形のどれになるかを知るは、次の条件を調べます。

三角形の鋭角・直角・鈍角条件

\(\triangle \mathrm{ABC}\) の最大角が \(\mathrm{A}\) であるとき、

\(\triangle \mathrm{ABC}\) は \(\begin{align}\color{red}{\left\{\begin{array}{l}\text{鋭角三角形} \ (\angle \mathrm{A} < 90^\circ) \iff a^2 < b^2 + c^2\\\text{直角三角形} \ (\angle \mathrm{A} = 90^\circ) \iff a^2 = b^2 + c^2 \\ \text{鈍角三角形} \ (\angle \mathrm{A} > 90^\circ) \iff a^2 > b^2 + c^2\end{array}\right.}\end{align}\)

(見切れる場合は横へスクロール)

 

ただし、\(a\), \(b\), \(c\) は三角形の成立条件 \(a < b + c\) を満たす。

 

鋭角三角形になる条件 \(a^2 < b^2 + c^2\) と直角三角形になる条件 \(a^2 = b^2 + c^2\) は、おのずと三角形の成立条件 \(a < b + c\) を満たします。

一方、鈍角三角形になる条件 \(a^2 > b^2 + c^2\) は三角形の成立条件 \(a < b + c\) を常に満たすとは限らないので、あらかじめ三角形の成立条件を確認する必要があることに注意しましょう。

 

ちなみに、直角三角形になる条件は三平方の定理そのものです。

これを意識しておくと、斜辺 \(a\) が長いほど \(\angle \mathrm{A}\) が開き気味になるイメージから、鋭角・鈍角の条件も覚えやすいですね。

 

三角形の鋭角・直角・鈍角条件の導出

三角形の鋭角・直角・鈍角条件は、余弦定理から次のように導かれます。

証明

 

最大角が \(\mathrm{A}\) である \(\triangle \mathrm{ABC}\) について考える。

 

三角形の内角の和は常に \(180^\circ\) なので、最大角以外の \(2\) 角は必ず鋭角となる。

よって、三角形が鋭角三角形、直角三角形、鈍角三角形のどれであるかを調べるには、最大角 \(\mathrm{A}\) が鋭角、直角、鈍角のどれであるかを調べればよい。

 

\(\angle \mathrm{A}\) に注目すると、余弦定理より

\(\color{salmon}{\displaystyle \cos \mathrm{A} = \frac{b^2 + c^2 − a^2}{2bc}}\)

 

\(b > 0\)、\(c > 0\) より、 \(2bc > 0\) であるから

\(\cos \mathrm{A}\) と \(b^2 + c^2 − a^2\) の符号は一致する

 

よって、\(0^\circ < \angle \mathrm{A} < 180^\circ\) より

(見切れる場合は横へスクロール)

\(\begin{align}\ \ \ \angle \mathrm{A} \ \text{が鋭角} \ (0^\circ < \angle \mathrm{A} < 90^\circ) &\iff \cos \mathrm{A} > 0 \\&\iff b^2 + c^2 − a^2 > 0 \\&\iff a^2 < b^2 + c^2\end{align}\)

 

\(\begin{align}\ \ \ \angle \mathrm{A} \ \text{が直角} \ (\angle \mathrm{A} = 90^\circ) &\iff \cos \mathrm{A} = 0 \\&\iff b^2 + c^2 − a^2 = 0 \\&\iff a^2 = b^2 + c^2\end{align}\)

 

\(\begin{align}\ \ \ \angle \mathrm{A} \ \text{が鈍角} \ (90^\circ < \angle \mathrm{A} < 180^\circ) &\iff \cos \mathrm{A} < 0 \\&\iff b^2 + c^2 − a^2 < 0 \\&\iff a^2 > b^2 + c^2\end{align}\)

 

以上より、

\(\triangle \mathrm{ABC}\) は \(\begin{align}\color{red}{\left\{\begin{array}{l}\text{鋭角三角形} \ \iff a^2 < b^2 + c^2\\\text{直角三角形} \ \iff a^2 = b^2 + c^2 \\ \text{鈍角三角形} \ \iff a^2 > b^2 + c^2\end{array}\right.}\end{align}\)

 

(証明終わり)

 

例題「何三角形か調べる」

この条件を用いる例題を見てみましょう。

例題

\(3\) 辺の長さが \(5, 8, 9\) である三角形は、鋭角三角形・直角三角形・鈍角三角形のどれか。

 

最大辺の長さの \(2\) 乗と、それ以外の \(2\) 辺の長さの \(2\) 乗の和を比べます。

解答

 

\(a = 9, b = 8, c = 5\) とおく。

 

最大辺の長さ \(a\) の \(2\) 乗は

\(a^2 = 9^2 = 81\)

 

それ以外の \(2\) 辺の長さ \(b, c\) の \(2\) 乗の和は

\(b^2 + c^2 = 8^2 + 5^2 = 64 + 25 = 89\)

 

\(81 < 89\) より、\(a^2 < b^2 + c^2\) が成り立つから、この三角形は鋭角三角形である。

 

答え: 鋭角三角形

 

三角形の辺と角の計算問題

それでは最後に、三角形の辺と角に関する計算問題に挑戦しましょう。

計算問題①「3 辺が文字で表された三角形」

計算問題①

\(3\) 辺の長さが \(2x − 1\), \(x^2 − 2x\), \(x^2 − x + 1\) の \(\triangle \mathrm{ABC}\) がある。

(1) \(x\) のとりうる値の範囲を求めよ。

(2) \(\triangle \mathrm{ABC}\) の最大角の大きさを求めよ。

 

(1) は、「三角形の成立条件」を調べればいいですね。どの辺も最大辺になる可能性があるので、\(3\) 式の連立不等式になります。

また、「三角形の辺と角の大小関係」より、最大辺に向かい合う角が最大角となります。よって、(2) では最大辺を特定しましょう。

解答

 

(1)

三角形の成立条件より、

\(\left\{\begin{array}{l} 2x − 1 < (x^2 − 2x) + (x^2 − x + 1) \\ x^2 − 2x < (2x − 1) + (x^2 − x + 1) \\ x^2 − x + 1 < (x^2 − 2x) + (2x − 1)\end{array}\right.\)

 

\(\begin{align}&2x − 1 < (x^2 − 2x) + (x^2 − x + 1) \\&\iff 2x − 1 < 2x^2 − 3x + 1 \\&\iff 2x^2 − 5x + 2 > 0 \\&\iff (2x − 1)(x − 2) > 0 \\&\iff x < \displaystyle \frac{1}{2}, 2 < x \cdots ①\end{align}\)

 

\(\begin{align}&x^2 − 2x < (2x − 1) + (x^2 − x + 1) \\&\iff x^2 − 2x < x^2 + x\\&\iff 0 < 3x \\&\iff 0 < x \cdots ②\end{align}\)

 

\(\begin{align}&x^2 − x + 1 < (x^2 − 2x) + (2x − 1) \\&\iff x^2 − x + 1 < x^2 − 1 \\&\iff 2 < x \cdots ③\end{align}\)

 

①〜③の共通範囲を求めて

\(2 < x\)

 

答え: \(2 < x\)

 

 

(2) (見切れる場合は横へスクロール)

\(2 < x\) のとき、

\(\begin{align}(x^2 − x + 1) − (x^2 − 2x) = x + 1 > 0\end{align}\)

\(\begin{align}(x^2 − x + 1) − (2x − 1) &= x^2 − 3x + 2 \\&= (x − 1)(x − 2) > 0\end{align}\)

 

よって、最大辺の長さは \(x^2 − x + 1\) である。

 

この辺に向かい合う角を \(\theta\) とおくと、余弦定理より

\(\begin{align}\cos \theta &= \frac{(2x − 1)^2 + (x^2 − 2x)^2 −(x^2 − x + 1)^2}{2(2x − 1)(x^2 − 2x)} \\&= \frac{(4x^2 − 4x + 1) + (x^4 − 4x^2 + 4x^2) − (x^4 − 2x^3 + 3x^2 − 2x + 1)}{2x(2x − 1)(x − 2)} \\&= \frac{−2x^3 + 5x^2 − 2x}{2x(2x − 1)(x − 2)} \\&= \frac{−x(2x^2 − 5x + 2)}{2x(2x − 1)(x − 2)} \\&= \frac{−x(2x − 1)(x − 2)}{2x(2x − 1)(x − 2)} \\&= −\frac{1}{2}\end{align}\)

 

\(0^\circ < \theta < 180^\circ\) より、

\(\theta = 120^\circ\)

 

答え: \(\theta = 120^\circ\)

 

計算問題②「鈍角三角形になるには?」

計算問題②

\(3\) 辺の長さが \(2\), \(6\), \(x\) となる三角形 \(\triangle \mathrm{ABC}\) が、鈍角三角形になるような \(x\) の範囲を求めよ。

 

鈍角三角形になる条件を適用する前に、まずは \(\triangle \mathrm{ABC}\) が三角形として成り立つような \(x\) を「三角形の成立条件」で調べます。

解答

 

最大辺となる可能性がある辺の長さは、\(6\) と \(x\) である。

三角形の成立条件より、\(x\) のとりうる値の範囲は

\(\left\{\begin{array}{l} 6 < 2 + x\\ x < 2 + 6\end{array}\right.\)

\(6 < 2 + x\) より \(4 < x\)

\(x < 2 + 6\) より \(x < 8\)

すなわち \(4 < x < 8\)

 

(i) 最大辺の長さが \(6\)、すなわち \(4 < x < 6\) の場合

\(\triangle \mathrm{ABC}\) が鈍角三角形になる条件は、

\(6^2 > 2^2 + x^2\)

\(36 > 4 + x^2\)

\(x^2 < 32\)

\(−4\sqrt{2} < x < 4\sqrt{2}\)

\(4 < x < 6\) であるから

 \(4 < x < 4\sqrt{2}\) …①

 

 

(ii) 最大辺の長さが \(x\)、すなわち \(6 \leq x < 8\) の場合

\(\triangle \mathrm{ABC}\) が鈍角三角形になる条件は、

\(x^2 > 2^2 + 6^2\)

\(x^2 > 4 + 36\)

\(x^2 > 40\)

\(x < −2\sqrt{10}, \ 2\sqrt{10} < x\)

\(6 \leq x < 8\) であるから

 \(2\sqrt{10} < x < 8\) …②

 

①、②より、\(\triangle \mathrm{ABC}\) が鈍角三角形となる \(x\) の範囲は

\(4 < x < 4\sqrt{2}\)、\(2\sqrt{10} < x < 8\)

 

答え: \(4 < x < 4\sqrt{2}\)、\(2\sqrt{10} < x < 8\)

以上で問題も終わりです。

 

たかが三角形ですが、こうして条件を突き詰めると奥が深いですね。

見落としがちな条件でもあるので、しっかり頭に入れておいてくださいね!

2 COMMENTS

管理人

短辺の長さの和 a+b が長辺の長さ c に一致してしまうので、ぴったりとくっついて直線となります。三角形にはなれません。

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