ベクトルによる三角形の面積の求め方!公式や証明、計算問題

この記事では、「ベクトルを使った三角形の面積の求め方」について、できるだけわかりやすく解説していきます。

公式の証明や計算問題なども解説していきますので、この記事を通してぜひマスターしてくださいね。

 

ベクトルによる三角形の面積の公式

三角形の面積は、\(2\) 辺のベクトルを使ってベクトル表示または成分表示することができます。

【公式①】ベクトル表示

まずはベクトル表示の公式です。

ベクトル表示による三角形の面積の公式

\(\triangle \mathrm{OAB}\) において、\(\overrightarrow{\mathrm{OA}} = \vec{a}\), \(\overrightarrow{\mathrm{OB}} = \vec{b}\) とすると、\(\triangle \mathrm{OAB}\) の面積 \(S\) は

\begin{align}\color{red}{\displaystyle S = \frac{1}{2} \sqrt{|\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 − (\vec{a} \cdot \vec{b})^2}}\end{align}

\(2\) 辺のベクトルの大きさと内積から三角形の面積が求められるのですね。

 

【公式②】成分表示

続いて、成分表示の公式を示します。

成分表示による三角形の面積の公式

\(\triangle \mathrm{OAB}\) において、\(\vec{a} = (a_1, a_2)\), \(\vec{b} = (b_1, b_2)\) のとき、\(\triangle \mathrm{OAB}\) の面積 \(S\) は

\begin{align}\color{red}{\displaystyle S = \frac{1}{2} |a_1 b_2 − a_2 b_1|}\end{align}

\(2\) 辺のベクトルの \(x\) 成分と \(y\) 成分を互い違いにかけ合わせるイメージです。

絶対値を忘れないようにしてくださいね!

 

補足

ちなみに、三角形の面積にはベクトル以外にもさまざまな求め方があります。

詳しくは、以下の記事をご覧ください!

三角形とは?面積公式、角度・辺の長さ・重心・比の計算

 

面積公式の証明

それでは、ベクトルの三角形の面積公式を証明してみましょう。

【証明①】ベクトル表示の公式

まずは、ベクトル表示の公式を証明します。

証明①

\(\overrightarrow{\mathrm{OA}} = \vec{a}\), \(\overrightarrow{\mathrm{OB}} = \vec{b}\) のとき、 \(\triangle \mathrm{OAB}\) の面積 \(S\) は

\begin{align}\displaystyle S = \frac{1}{2} \sqrt{|\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 − (\vec{a} \cdot \vec{b})^2}\end{align}

を示せ。

 

三角比の面積公式 \(S = \displaystyle \frac{1}{2} ab \sin \theta\) を「ベクトルの大きさ」と「ベクトルの内積」で表していきます。

ベクトルの内積

\begin{align}\vec{a} \cdot \vec{b} = |\vec{a}| |\vec{b}| \cos\theta\end{align}

ベクトルの内積とは?意味・公式や求め方、計算問題
証明

 

\(\vec{a}\) と \(\vec{b}\) のなす角を \(\theta\) \((0^\circ < \theta < 180^\circ)\) とすると、

\(\sin\theta > 0\) より \(\sin\theta = \sqrt{1 − \cos^2\theta}\)、

内積 \(\vec{a} \cdot \vec{b} = |\vec{a}| |\vec{b}| \cos\theta\) より \(\displaystyle \cos\theta = \frac{\vec{a} \cdot \vec{b}}{|\vec{a}| |\vec{b}|}\) であるから、

 

\(\begin{align}\displaystyle S &= \frac{1}{2} \mathrm{OA} \cdot \mathrm{OB} \sin\theta \\&= \frac{1}{2} |\vec{a}| |\vec{b}| \sqrt{1 − \cos^2\theta} \\&= \frac{1}{2} |\vec{a}| |\vec{b}| \sqrt{1 − \left( \frac{\vec{a} \cdot \vec{b}}{|\vec{a}| |\vec{b}|} \right)^2} \\&= \frac{1}{2} |\vec{a}| |\vec{b}| \sqrt{\frac{|\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 − (\vec{a} \cdot \vec{b})^2}{|\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2}} \\&= \frac{1}{2} |\vec{a}| |\vec{b}| \frac{\sqrt{|\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 − (\vec{a} \cdot \vec{b})^2}}{|\vec{a}| |\vec{b}|} \\&= \color{red}{\frac{1}{2} \sqrt{|\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 − (\vec{a} \cdot \vec{b})^2}}\end{align}\)

 

したがって \(\displaystyle S = \frac{1}{2} \sqrt{|\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 − (\vec{a} \cdot \vec{b})^2}\) が成り立つ。

 

(証明終わり)

 

【証明②】成分表示の公式

続いて、成分表示の公式を証明してみましょう。

証明②

\(\vec{a} = (a_1, a_2)\) , \(\vec{b} = (b_1, b_2)\) のとき、 \(\triangle \mathrm{OAB}\) の面積 \(S\) は

\begin{align}\displaystyle S = \frac{1}{2} |a_1 b_2 − a_2 b_1|\end{align}

を示せ。

 

先ほど証明したベクトル表示の公式に

  • \(|\vec{a}| = \sqrt{a_1^2 + a_2^2}\)
  • \(|\vec{b}| = \sqrt{b_1^2 + b_2^2}\)
  • \(\vec{a} \cdot \vec{b} = a_1 b_1 + a_2 b_2\)

を代入して整理していきます。

証明

 

\(S = \displaystyle \frac{1}{2} \sqrt{ |\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 − (\vec{a} \cdot \vec{b})^2 }\) において、

 

\(|\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 − (\vec{a} \cdot \vec{b})^2\)

\(= (a_1^2 + a_2^2)(b_1^2 + b_2^2) − (a_1 b_1 + a_2 b_2)^2\)

\(= (a_1^2 b_1^2 + a_1^2 b_2^2 + a_2^2 b_1^2 + a_2^2 b_2^2) \) \(− \ (a_1^2 b_1^2 + 2a_1 b_1 a_2 b_2 + a_2^2 b_2^2)\)

\(= a_1^2 b_2^2 − 2a_1 b_1 a_2 b_2 + a_2^2 b_1^2\)

\(= (a_1 b_2 − a_2 b_1)^2\)

より、

 

\(\begin{align}S &= \displaystyle \frac{1}{2} \sqrt{ |\vec{a}|^2 |\vec{b}|^2 − (\vec{a} \cdot \vec{b})^2 } \\&= \displaystyle \frac{1}{2} \sqrt{(a_1 b_2 − a_2 b_1)^2} \\&= \color{red}{\displaystyle \frac{1}{2} |a_1 b_2 − a_2 b_1|} \end{align}\)

 

したがって、

\(\displaystyle S = \frac{1}{2} |a_1 b_2 − a_2 b_1|\)

は成り立つ。

 

(証明終わり)

計算は大変でしたが、無事導けましたね!

補足

証明の中で、根号を外すときに

\begin{align}\sqrt{(a_1 b_2 + a_2 b_1)^2} = |a_1 b_2 + a_2 b_1|\end{align}

と、絶対値がつくことに注意してください。

一般に、\(x\) を実数とするとき、

\begin{align}\sqrt{x^2} = |x|\end{align}

となるのでしたね。

 

ベクトルによる三角形の面積の計算問題

それでは、ベクトルを用いて、三角形の面積を実際に計算してみましょう!

計算問題①「大きさと内積から求める」

計算問題①

\(|\overrightarrow{\mathrm{OA}}| = 4\), \(|\overrightarrow{\mathrm{OB}}| = 5\), \(\overrightarrow{\mathrm{OA}} \cdot \overrightarrow{\mathrm{OB}} = 8\) のとき、\(\triangle \mathrm{OAB}\) の面積 \(S\) を求めよ。

 

ベクトル表示の公式に代入しましょう。

解答

 

\(\begin{align} S &= \frac{1}{2} \sqrt{|\overrightarrow{\mathrm{OA}}|^2 |\overrightarrow{\mathrm{OB}}|^2 − (\overrightarrow{\mathrm{OA}} \cdot \overrightarrow{\mathrm{OB}})^2} \\ &= \frac{1}{2} \sqrt{4^2 \cdot 5^2 − 8^2} \\ &= \frac{1}{2} \sqrt{400 − 64} \\ &= \frac{1}{2} \sqrt{336} \\ &= \frac{1}{2} \cdot 4\sqrt{21} \\ &= 2\sqrt{21} \end{align}\)

 

答え: \(2\sqrt{21}\)

 

計算問題②「原点を頂点にもつ三角形」

計算問題②

座標平面上で、\(3\) 点 \(\mathrm{O}(0, 0)\), \(\mathrm{A}(1, 3)\), \(\mathrm{B}(2, 5)\) を頂点とする三角形の面積を求めよ。

 

頂点の座標がわかっているときは、成分表示の公式を使います。

頂点の \(1\) つが原点 \(\mathrm{O}\) なので、ここをベクトルの始点としましょう。

解答

 

\(\vec{a} = \overrightarrow{\mathrm{OA}}\), \(\vec{b} = \overrightarrow{\mathrm{OB}}\) とすると、

\(\vec{a} = (1,3)\), \(\vec{b} = (2,5)\)

 

したがって、求める面積を \(S\) とすると、

\(\begin{align} S &= \frac{1}{2} |a_1 b_2 − a_2 b_1| \\ &= \frac{1}{2} |1 \cdot 5 − 3 \cdot 2| \\ &= \frac{1}{2} |5 − 6| \\ &= \frac{1}{2} |−1| \\ &= \frac{1}{2} \end{align}\)

 

答え: \(\displaystyle \frac{1}{2}\)

 

計算問題③「頂点の座標から求める」

計算問題③

座標平面上で、\(3\) 点 \(\mathrm{A}(1, 1)\), \(\mathrm{B}(−2, 3)\), \(\mathrm{C}(3, −3)\) を頂点とする三角形の面積を求めよ。

 

今度は原点を通らない三角形です。

公式が使えるように、先に \(\overrightarrow{\mathrm{AB}}\) と \(\overrightarrow{\mathrm{AC}}\) の成分を計算しましょう。

解答

 

 

\(\begin{align} \overrightarrow{\mathrm{AB}} &= \overrightarrow{\mathrm{OB}} − \overrightarrow{\mathrm{OA}} \\ &= (−2, 3) − (1, 1) \\ &= (−3, 2) \end{align}\)

 

\(\begin{align} \overrightarrow{\mathrm{AC}} &= \overrightarrow{\mathrm{OC}} − \overrightarrow{\mathrm{OA}} \\ &= (3, −3) − (1, 1) \\ &= (2, −4) \end{align}\)

 

求める面積を \(S\) とすると、

\(\begin{align} S &= \frac{1}{2} |(−3) \cdot (−4) − 2 \cdot 2| \\ &= \frac{1}{2} |12 − 4| \\ &= \frac{1}{2} \cdot 8 \\ &= 4 \end{align}\)

 

答え: \(4\)

以上で計算問題も終わりです!

 

図形の問題など、三角形の面積を求める問題は定番中の定番です。

ベクトルを使った求め方にも慣れていきましょう!

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