因数定理とは?因数の見つけ方や問題の解き方

この記事では、「因数定理」についてわかりやすく解説していきます。

因数の見つけ方や問題の解き方を紹介していくので、ぜひこの記事を通してマスターしてくださいね!

 

因数定理とは?

因数定理とは、以下の \(2\) つがどちらも成り立つことをいいます。

  • \(P(a) = 0\) ならば、整式 \(P(x)\) は \((x − a)\) を因数にもつ
  • 整式 \(P(x)\) が \((x − a)\) を因数にもつならば、\(P(a) = 0\) となる

因数定理は両方向に成り立つ必要十分条件ということですね。

因数定理

整式 \(P(x)\) が \((x − a)\) を因数にもつ \(\iff P(a) = 0\)

 

因数

ある数や整式などを積のかたちで表したときの、各数や各整式のこと。

例えば、\(15\) を \(3 \times 5\) で表したとき、「\(3\), \(5\) は \(15\) の因数」という。

 

因数定理の証明

以下の例を用いて、因数定理が成り立つことを確認してみましょう。

例題

整式 \(P(x) = x^2 + 3x + 2\) について、因数定理が成り立つことを示せ。

 

整式を因数分解して、因数を調べましょう。

\(x^2 + 3x + 2 = (x + 2)(x + 1)\) より、

\(P(x)\) は \((x + 2)\) を因数にもつ。

そして、\(x + 2 = 0\) を満たす値 \(x = −2\) を整式に代入し、答えが \(0\) になるか確かめます。

\(\begin{align} P(−2) &= (−2)^2 + 3(−2) + 2 \\ &= 0 \end{align}\)

これで、「整式 \(P(x)\) が \((x − a)\) を因数にもつ \(\Longrightarrow\) \(P(a) = 0\)」が示せました。

 

また、逆の命題「\(P(a) = 0\) \(\Longrightarrow\) 整式 \(P(x)\) が \((x − a)\) を因数にもつ」が成り立つことも明らかですね。

\(P(−2) = 0\) であり、 \(P(x)\) を因数分解すると確かに \((x + 2)\) をもつからです。

 

したがって、

整式 \(P(x)\) が \((x − a)\) を因数にもつ \(\iff P(a) = 0\)」、すなわち因数定理が成り立つことが示せました。

 

因数定理の使い方【例題】

それではさっそく、因数定理の使い方を学んでいきましょう。

例題

整式 \(x^3 − 3x^2 − 8x − 4\) を因数分解しなさい。

 

三次以上の方程式は、見ただけでぱっと因数分解するのは難しいですね。

このようなとき、因数定理を使います。

補足

ただし、因数分解の公式に当てはめられそうであればそれで解きましょう。

「因数分解」「高次方程式の解き方」については以下の記事も参考にしてみてください。

因数分解とは?公式や計算のやり方、問題の解き方 高次方程式とは?因数分解、因数定理による解き方と計算のコツ

 

因数定理から、\(P(a) = 0\) になる \(a\) の値を見つければ、\(P(x)\) が \((x − a)\) という因数をもつことがわかります。

\(P(x)\) に適当な値を代入して、答えが \(0\) になるかを確かめましょう。

\(P(x) = x^3 − 3x^2 − 8x − 4\) とおくと、

\(\begin{align}P(−1) &= (−1)^3 − 3(−1)^2 − 8(−1) − 4 \\ &= −1 − 3 + 8 − 4 \\ &= 0 \end{align}\)

\(P(−1) = 0\) となったので、\(P(x)\) は \((x + 1)\) を因数にもつことがわかりました。

ゆえに、与式を \((x + 1)\) でくくると、

 

\(\begin{align} P(x) &= x^3 − 3x^2 − 8x − 4 \\ &= \color{red}{(x + 1) (x^2 − 4x − 4)} \end{align}\)

となり、無事因数分解ができました!

このように、因数定理は高次方程式の最初の因数を見つける足がかりになるのですね。

因数の見つけ方や整式の割り算に関するコツは、これから詳しく説明していきます!

 

因数の見つけ方のコツ

ここでは、因数の見つけ方のコツを紹介していきます。

因数を見つけるためには、式の中で最も次数の項の係数と、定数項に着目します。

因数の候補となるのは次のような数です。

因数の候補

高次方程式 \(P(x) = 0\) を満たす有理数の解 \(x\) は、

\begin{align}\color{red}{\displaystyle \pm \frac{\text{定数項の約数}}{\text{最も次数の高い項の係数の約数}}}\end{align}

に限られる。

三次方程式 \(P(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d\) なら、「\(\displaystyle \pm \frac{d \text{ の約数} \ \ }{a \text{ の約数}\ \ }\)」のどれかから解が見つかるということになります!

 

先ほどと同じ例題で、このコツを使って因数を見つけてみましょう。

例題

整式 \(x^3 − 3x^2 − 8x − 4\) を因数分解しなさい。

 

まず、\(P(x) = x^3 − 3x^2 − 8x − 4\) とおきます。

この式において最も次数の高い項の係数は \(1\)、定数項は \(−4\) ですね。

\(1\) の約数は \(1\)、\(4\) の約数は \(1\), \(2\), \(4\) であるから、

\(\displaystyle \pm \frac{4 \text{ の約数}\ \ }{1 \text{ の約数}\ \ }\) を考えると

\(\pm 1\), \(\pm 2\), \(\pm 4\)

が因数の候補となりますね。

あとは、候補をひたすら \(P(x)\) に代入し、\(P(x) = 0\) となる値を探します。

このとき、絶対値が小さい数の方が代入計算が楽なので、小さい方から試していくようにしましょう。

\(\begin{align} P(1) &= 1^3 − 3 \cdot 1^2 − 8 \cdot 1 − 4 \\ &= 1 − 3 − 8 − 4 \\ &= −14 \end{align}\)

 

\(\begin{align} P(−1) &= (−1)^3 − 3(−1)^2 − 8(−1) − 4 \\ &= −1 − 3 + 8 − 4 \\ &= 0 \end{align}\)

\(P(−1) = 0\) となりましたね!

よって、\(P(x)\) は \((x + 1)\) を因数にもつことがわかりました。

なんの根拠もない値を試していくよりは、はるかに早く因数を見つけることができるのでおすすめですよ!

 

整式の割り算のコツ

多項式を一次式で割るときの計算テクニックに、「組立除法」があります。

先ほどと同じ例題を組立除法で解いてみると、次のようになります。

(例)

 

\(P(x) = x^3 − 3x^2 − 8x − 4\) を \((x + 1)\) で割ると、

 

よって、

\(\begin{align} P(x) &= x^3 − 3x^2 − 8x − 4 \\ &= \color{red}{(x + 1) (x^2 − 4x − 4)} \end{align}\)

このように、あっという間に整式の割り算ができましたね。

筆算とやっていることは同じですが、文字 \(x\) を省略しているので時短になります。

補足

「組立除法」の詳しいやり方や原理については、以下の記事で説明しています。

興味のある人は、しっかり理解して使いこなしていきましょう!

組立除法とは?やり方や原理をわかりやすく解説!

 

因数定理の練習問題

それでは、実際に因数定理の練習問題を解いてみましょう!

練習問題①「三次方程式を解く」

練習問題①

次の三次方程式を解きなさい。

\(x^3 − x^2 − 4x + 4 = 0\)

 

因数定理を利用して、左辺を因数分解しましょう。

解答

 

\(P(x) = x^3 − x^2 − 4x + 4\) とおく。

\(\begin{align} P(1) &= 1^3 − 1^2 − 4 \cdot 1 + 4 \\ &= 1 − 1 − 4 + 4 \\ &= 0 \end{align}\)

よって、 \(P(x)\) は \((x − 1)\) を因数にもつ。

 

与式を \((x − 1)\) でくくると、

\(x^3 − x^2 − 4x + 4 = 0\)

\((x − 1)(x^2 − 4) = 0\)

\((x − 1)(x + 2)(x − 2) = 0\)

 

よって、 \(x = 1\) , \(−2\) , \(2\)

 

答え: \(x = 1, −2, 2\)

 

練習問題②「(x − 2) を因数にもつ整式」

練習問題②

\(P(x) = x^3 − ax^2 − 5x + 6\) は、\((x − 2)\) を因数にもつ。

このとき、\(a\) の値を求めなさい。

 

因数定理から、\((x − 2)\) を因数にもつのであれば、\(P(x)\) に \(x = 2\) を代入した答えは \(0\) となることを利用します。

解答

 

\(\begin{align} P(2) &= 2^3 − a \cdot 2^2 − 5 \cdot 2 + 6 \\ &= 8 − 4a − 10 + 6 \\ &= −4a + 4 \end{align}\)

 

因数定理より、

\(P(2) = 0\)

\(−4a + 4 = 0\)

\(a = 1\)

 

答え: \(1\)

 

練習問題③「ある数で割り切れ、ある数で余りが出る整式」

練習問題③

\(P(x) = x^3 + ax^2 + bx − 6\) は、\((x − 1)\) で割ると割り切れ、\((x − 2)\) で割ると \(20\) 余る。

このとき、\(a\), \(b\) の値を求めなさい。

 

因数定理を用いて、割り切れる場合は「\(P(x) = 0\)」、余りがある場合は「\(P(x) = \text{(余り)}\)」として立式し、連立方程式を解いて答えを求めます。

補足

整式を割った余りが出る場合に「\(P(x) = \text{(余り)}\)」とできることは、「剰余の定理」と呼ばれます。

剰余の定理とは?定理の証明や因数定理との違い、応用問題
解答

 

\(P(x)\) は \((x − 1)\) を因数にもつので、

因数定理より \(P(1) = 0\)

 

\(\begin{align}P(1) &= 1^3 + a \cdot 1^2 + b \cdot 1 − 6 \\ &= 1 + a + b − 6 \\ &= a + b − 5 \end{align}\)

\(a + b − 5 = 0\)

\(a + b = 5\) …①

 

また、\(P(x)\) は \((x − 2)\) で割ると \(20\) 余るので、

剰余の定理より \(P(2) = 20\)

 

\(\begin{align}P(2) &= 2^3 + a \cdot 2^2 + b \cdot 2 − 6 \\ &= 8 + 4a + 2b − 6 \\ &= 4a + 2b + 2 \end{align}\)

\(4a + 2b + 2 = 20\)

\(4a + 2b = 18\)

\(2a + b = 9\) …②

 

② − ①より、

\(a = 4\) …③

 

③を①に代入して、

\(4 + b = 5\)

\(b = 1\)

 

答え: \(a = 4、b = 1\)

以上で練習問題も終わりです!

 

因数定理は、高次方程式を解くためのとても重要な基礎知識です。

必ずマスターしておきましょう!

2 COMMENTS

Mu

コメントありがとうございます。
今後ともどうぞ当サイトをよろしくお願いいたします。

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