ベクトル方程式とは?図形別の公式(直線・円)や問題の解き方

この記事では、「ベクトル方程式」についてできるだけわかりやすく解説していきます。

さまざまな図形(直線、円など)のベクトル方程式や問題の解き方を解説していきますので、この記事を通してぜひマスターしてくださいね。

 

ベクトル方程式とは?

ベクトル方程式とは、平面上または空間内にある図形をベクトルで表現した式のことです。

さまざまな図形は、数学的には点の集合と見ることができます。

ベクトルでは、点の位置を表す「位置ベクトル」という便利なツールがあります。

この位置ベクトルを利用した、ある図形上の任意の点が満たす関係式を「ベクトル方程式」と呼ぶのですね。

次の章から、具体的なベクトル方程式を確認していきましょう。

 

直線のベクトル方程式

まずは、直線のベクトル方程式です。

一般的に、直線が通る \(\bf{2}\) 点か、直線が通る \(\bf{1}\) 点と直線の傾きが定まれば、直線を特定できます。

このことから、直線のベクトル方程式には次の \(3\) パターンがあります。

直線のベクトル方程式

直線上の任意の点 \(\mathrm{P}\) の位置ベクトルを \(\vec{p}\) とし、\(s\), \(t\) を実数の変数とする。

 

[1] 直線が通る \(\bf{2}\) 点がわかっている場合

異なる \(2\) 点 \(\mathrm{A}(\vec{a})\), \(\mathrm{B}(\vec{b})\) を通る直線のベクトル方程式は

\(\color{red}{\vec{p} = (1 − t)\vec{a} + t\vec{b}}\)

または

\(\color{red}{\vec{p} = s\vec{a} + t\vec{b} (s + t = 1)}\)

 

[2] \(\bf{1}\) 点と、平行なベクトルがわかっている場合

定点 \(\mathrm{A}(\vec{a})\) を通り、ベクトル \(\vec{d}\) に平行な直線のベクトル方程式は

\begin{align}\color{red}{\vec{p} = \vec{a} + t\vec{d}}\end{align}

(ただし、 \(\vec{d} \neq \vec{0}\) )

 

[3] \(\bf{1}\) 点と、垂直なベクトル(法線ベクトル)がわかっている場合

定点 \(\mathrm{A}(\vec{a})\) を通り、ベクトル \(\vec{n}\) に垂直な直線のベクトル方程式は

\begin{align}\color{red}{\vec{n} \cdot (\vec{p} − \vec{a}) = 0}\end{align}

(ただし、\(\vec{n}\) は直線の法線ベクトル)

 

[1] は、内分点・外分点の考え方を利用しています(\(\mathrm{P}(\vec{p})\) を直線 \(\mathrm{AB}\) の内分点または外分点とみる)。

[2] は、ベクトルの定数倍と足し算をしていますね(直線に平行なベクトル \(\vec{d}\) を \(t\) 倍して、\(\vec{a}\) と足すことで、 \(\vec{p}\) を表現する)。

[3] では、ベクトルの垂直条件を利用しています(直線とその法線の内積は \(0\) となる)。

補足

ある直線に平行なベクトルを「方向ベクトル」、垂直なベクトルを「法線ベクトル」といいます。

方向ベクトルは \(\vec{d}\)、法線ベクトルは \(\vec{n}\) と表すのが一般的です。

なお、「法線ベクトル」については以下の記事で詳しく説明しています。

法線、法線ベクトルとは?方程式、2 直線のなす角の求め方

 

説明ばかりではなんだかよくわかりませんね。

練習問題を通して、直線のベクトル方程式への理解を深めましょう!

練習問題①「ある直線に平行な直線」

練習問題①

\(3\) 点 \(\mathrm{A}(\vec{a})\), \(\mathrm{B}(\vec{b})\), \(\mathrm{C}(\vec{c})\) を頂点にもつ \(\triangle \mathrm{ABC}\) がある。

辺 \(\mathrm{CA}\) を \(3 : 1\) に内分する点 \(\mathrm{M}(\vec{m})\) を通り、辺 \(\mathrm{AB}\) に平行な直線のベクトル方程式を求めよ。

 

問題文を見てもピンとこない場合は、とにかく図を描いてみましょう。

求めたい直線上に点 \(\mathrm{P}\) をとり、始点 \(\mathrm{O}\) からどこを通れば点 \(\mathrm{P}\) にたどり着くかな?と考えると、おのずとベクトル方程式が求められますよ。

解答

 

\(\vec{m}\) は辺 \(\mathrm{CA}\) を \(3 : 1\) に内分するから、

\(\vec{m} = \displaystyle \frac{\vec{c} + 3\vec{a}}{3 + 1} = \frac{\vec{c} + 3\vec{a}}{4}\)

 

求める直線上の点を \(\mathrm{P}(\vec{p})\)、\(\overrightarrow{\mathrm{MP}} = t\overrightarrow{\mathrm{AB}}\)(\(t\) は実数の変数)とおくと、

\(\begin{align}\vec{p} &= \overrightarrow{\mathrm{OM}} + \overrightarrow{\mathrm{MP}} \\ &= \vec{m} + t\overrightarrow{\mathrm{AB}}\\ &= \displaystyle \frac{\vec{c} + 3\vec{a}}{4} + t(\vec{b} − \vec{a})\\ &= \displaystyle \frac{1}{4} \vec{c} + \frac{3}{4} \vec{a} + t\vec{b} − t\vec{a} \\ &= \displaystyle \left( \frac{3}{4} − t \right) \vec{a} + t\vec{b} + \frac{1}{4} \vec{c} \end{align}\)

 

答え: \(\color{red}{\displaystyle \left( \frac{3}{4} − t \right) \vec{a} + t\vec{b} + \frac{1}{4} \vec{c}}\)

 

練習問題②「2 点を通る直線」

練習問題②

\(2\) 点 \(\mathrm{A}(2, 3)\), \(\mathrm{B}(−1, 8)\) を通る直線の方程式を媒介変数 \(t\) を用いて表せ。

また、\(t\) を消去した式で表せ。

 

\(2\) 点の成分が与えられています。

まずは、\(\bf{2}\) 点を通る直線のベクトル方程式を思い出して、成分を代入して計算を進めましょう。

解答

 

求める直線上の点を \(\mathrm{P}(x, y)\) とする。

 

\(\overrightarrow{\mathrm{OP}} = (1 − t)\overrightarrow{\mathrm{OA}} + t\overrightarrow{\mathrm{OB}}\) より、

\(\begin{align} (x, y) &= (1 − t)(2, 3) + t(−1, 8) \\ &= (2 − 2t, 3 − 3t) + (−t, 8t) \\ &= (2 − 3t, 3 + 5t) \end{align}\)

より、

\(\left\{\begin{array}{l} x = 2 − 3t \text{…①}\\ y = 3 + 5t \text{…②}\end{array}\right.\)

 

①より

\(3t = 2 − x\)

\(\displaystyle t = \frac{1}{3}(2 − x)\)

②に代入して

\(\begin{align} y &= 3 + \frac{5}{3}(2 − x) \\ &= 3 + \frac{10}{3} − \frac{5}{3}x \\ &= −\frac{5}{3}x + \frac{19}{3} \end{align}\)

 

答え:

\(t\) あり \((x, y) = (2 − 3t, 3 + 5t)\)

\(t\) なし \(\displaystyle y = −\frac{5}{3}x + \frac{19}{3}\)

 

練習問題③「1 点と法線ベクトルがわかっている直線」

練習問題③

点 \((2, −1)\) を通り、\(\vec{n} = (3, 4)\) に垂直な直線の方程式を求めよ。

 

法線ベクトルから直線の方程式を求める問題です。

直線上の点の成分を \((x, y)\) として式を立ててみましょう。

解答

 

求める直線上の点を \((x, y)\) とすると、直線の方程式は

\(3(x − 2) + 4\{y − (−1)\} = 0\)

\(3x − 6 + 4y + 4 = 0\)

\(3x + 4y − 2 = 0\)

 

答え: \(\color{red}{3x + 4y − 2 = 0}\)

 

円のベクトル方程式

続いて、円のベクトル方程式です。

円のベクトル方程式には次の \(2\) パターンがあります。

円のベクトル方程式

\(\overrightarrow{\mathrm{OA}} = \vec{a}\), \(\overrightarrow{\mathrm{OB}} = \vec{b}\), \(\overrightarrow{\mathrm{OC}} = \vec{c}\), \(\overrightarrow{\mathrm{OP}} = \vec{p}\) とし、\(\mathrm{P}\) は円周上の任意の点とする。

 

[1] 中心が点 \(\bf{C}\)、半径 \(\bf{r}\) の円

\(\color{red}{|\vec{p} − \vec{c}| = r}\)

または

\(\color{red}{(\vec{p} − \vec{c}) \cdot (\vec{p} − \vec{c}) = r^2}\)

 

[2] 線分 \(\bf{AB}\) を直径とする円

\begin{align}\color{red}{(\vec{p} − \vec{a}) \cdot (\vec{p} − \vec{b}) = 0}\end{align}

 

\(1\) つ目は、円周上の点から中心への距離が半径に等しいことから導かれる式ですね。

\(2\) つ目は、直径に対する円周角が常に \(90^\circ\) 、つまり「\(\overrightarrow{\mathrm{AP}} \perp \overrightarrow{\mathrm{BP}}\)」となることを利用した内積の垂直条件の式です。

 

それでは、練習問題を見てみましょう。

練習問題「ベクトル方程式から図形を求める」

練習問題

平面上の異なる \(2\) つの定点 \(\mathrm{A}\), \(\mathrm{B}\) と任意の点 \(\mathrm{P}\) に対し、\(\overrightarrow{\mathrm{OA}} = \vec{a}\), \(\overrightarrow{\mathrm{OB}} = \vec{b}\), \(\overrightarrow{\mathrm{OP}} = \vec{p}\) とする。

ベクトル方程式 \(|3\vec{a} + 2\vec{b} − 5\vec{p}| = 10\) はどのような図形を表すか。

 

左辺がベクトルの絶対値で右辺が数値ということは、あるベクトルの大きさが常に一定ということです。

このような場合は、円のベクトル方程式を疑います

円のベクトル方程式 \(|\vec{p} − \vec{c}| = r\) の形になるように、式を変形していきましょう。

解答

 

\(|3\vec{a} + 2\vec{b} − 5\vec{p}| = 10\) を変形すると

\(\displaystyle \left| −5\vec{p} + 5 \cdot \frac{3\vec{a} + 2\vec{b}}{5} \right| = 10\)

\(\displaystyle 5\left| \vec{p} − \frac{3\vec{a} + 2\vec{b}}{5} \right| = 10\)

\(\displaystyle \left| \vec{p} − \frac{3\vec{a} + 2\vec{b}}{5} \right| = 2\)

 

よって、線分 \(\mathrm{AB}\) を \(2 : 3\) に内分する点を中心とする半径 \(2\) の円を表す。

 

答え: 線分 \(\mathrm{AB}\) を \(2 : 3\) に内分する点を中心とする半径 \(2\) の円

 

球面のベクトル方程式

実は、空間ベクトルにおける球面のベクトル方程式も、平面上の円のベクトル方程式とまったく同じ式になります。

球面のベクトル方程式

\(\overrightarrow{\mathrm{OA}} = \vec{a}\), \(\overrightarrow{\mathrm{OB}} = \vec{b}\), \(\overrightarrow{\mathrm{OC}} = \vec{c}\), \(\overrightarrow{\mathrm{OP}} = \vec{p}\) とし、\(\mathrm{P}\) は球面上の任意の点とする。

 

[1] 中心が点 \(\bf{C}\)、半径 \(\bf{r}\) の球面

\(\color{red}{|\vec{p} − \vec{c}| = r}\)

または

\(\color{red}{(\vec{p} − \vec{c}) \cdot (\vec{p} − \vec{c}) = r^2}\)

 

[2] 線分 \(\bf{AB}\) を直径とする球面

\begin{align}\color{red}{(\vec{p} − \vec{a}) \cdot (\vec{p} − \vec{b}) = 0}\end{align}

点 \(\mathrm{C}\), \(\mathrm{P}\) の \(2\) 点、または点 \(\mathrm{A}\), \(\mathrm{B}\), \(\mathrm{P}\) の \(3\) 点だけに注目するので、それらの点を通る平面で球を切り開くと、平面上の円と同じように考えることができますね。

 

それでは、練習問題に挑戦しましょう。

練習問題「球面のベクトル方程式を求める」

練習問題

\(2\) 点 \(\mathrm{O}(\vec{o})\), \(\mathrm{A}(\vec{a})\) を直径の両端とする球面のベクトル方程式を求めよ。

 

球面であっても、円のベクトル方程式と同じなのでしたね。

始点 \(\mathrm{O}\) が球面上にあることに留意しながら、ベクトル方程式を導きましょう。

解答

 

 

求める球面上の点を \(\mathrm{P}(\vec{p})\) とおくと、

\(\mathrm{OP} \perp \mathrm{AP}\) より、

\(\vec{p} \cdot (\vec{p} − \vec{a}) = 0\)

 

答え: \(\color{red}{\vec{p} \cdot (\vec{p} − \vec{a}) = 0}\)

 

平面上の点の存在範囲

平面上のベクトルが異なる \(2\) つのベクトルに分解できることを利用すると、ある点が平面上のどのような位置に存在するかを調べることができます。

点の存在範囲となりうる代表的な図形は以下のとおりです。

平面上の点の存在範囲

\(\overrightarrow{\mathrm{OA}} = \vec{a}\), \(\overrightarrow{\mathrm{OB}} = \vec{b}\), \(\overrightarrow{\mathrm{OP}} = \vec{p}\) とする。

(ただし、\(\vec{a} \neq \vec{0}\), \(\vec{b} \neq \vec{0}\), \(\vec{a} \neq \vec{b}\)、\(s\) と \(t\) は実数の変数とする。)

 

\(\color{red}{\vec{p} = s\vec{a} + t\vec{b}}\) について、\(s\), \(t\) に条件があると、\(\vec{p}\) の終点 \(\mathrm{P}\) の存在範囲は次のようになる。

 

[1] 直線 \(\bf{AB}\)

\begin{align}\color{red}{s + t = 1}\end{align}

 

[2] 線分 \(\bf{AB}\)

\begin{align}\color{red}{s + t = 1, s \geq 0, t \geq 0}\end{align}

 

[3] \(\bf{\triangle OAB}\) の周および内部

\begin{align}\color{red}{s + t \leq 1, s \geq 0, t \geq 0}\end{align}

 

[4] 平行四辺形 \(\bf{OACB}\) の周および内部

\begin{align}\color{red}{0 \leq s \leq 1, 0 \leq t \leq 1}\end{align}

 

ベクトル \(\vec{p}\) を \(s\) 倍した \(\vec{a}\) と \(t\) 倍した \(\vec{b}\) の和に分解すると、\(s\) と \(t\) がとる値の範囲から、\(\bf{\vec{p}}\) の終点 \(\bf{P}\) が存在する範囲を特定できるのですね。

 

Tips

問題でよく登場する存在範囲は上記のとおりですが、\(s\), \(t\) の値を変えれば平面上に存在するあらゆる点を自由自在に表現できます

\(s\) や \(t\) の値と点の存在範囲の関係は次のようになっています。

覚える必要はまったくありませんが、なんとなくこういう規則で \(s\), \(t\) と点の存在範囲が連動しているんだな〜という感覚をつかんでみてください!

 

練習問題①「s + t ≠ 1 の点の存在範囲」

練習問題①

\(\triangle \mathrm{OAB}\) に対し、\(\overrightarrow{\mathrm{OP}} = s\overrightarrow{\mathrm{OA}} + t\overrightarrow{\mathrm{OB}}\)(\(s\), \(t\) は実数)とする。

\(s\), \(t\) が次の条件を満たしながら変化するとき、点 \(\mathrm{P}\) の描く図形を図示せよ。

\(s + t = 3\), \(s \geq 0\), \(t \geq 0\)

 

\(s\) と \(t\) の和が \(1\) 以外の場合なんて習っていないよ!と思うかもしれませんね。

そんなときは、和が \(1\) になるように \(s + t = 3\) を無理やり変形し、計算を進めましょう。

そうすると、新しい図形が見えてきますよ。

解答

 

\(s + t = 3\) より、

\(\displaystyle \frac{s}{3} + \frac{t}{3} = 1\)

 

\(\begin{align} \overrightarrow{\mathrm{OP}} &= s\overrightarrow{\mathrm{OA}} + t\overrightarrow{\mathrm{OB}} \\ &= \frac{s}{3} (3\overrightarrow{\mathrm{OA}}) + \frac{t}{3} (3\overrightarrow{\mathrm{OB}}) \end{align}\)

 

ここで、\(\displaystyle \frac{s}{3} = s’\)、\(\displaystyle \frac{t}{3} = t’\)、\(3\overrightarrow{\mathrm{OA}} = \overrightarrow{\mathrm{OA’}}\)、\(3\overrightarrow{\mathrm{OB}} = \overrightarrow{\mathrm{OB’}}\) とおくと、

 

\(\overrightarrow{\mathrm{OP}} = s’\overrightarrow{\mathrm{OA’}} + t’\overrightarrow{\mathrm{OB’}}\)

\(s’ + t’ = 1\) , \(s’ \geq 0\) , \(t’ \geq 0\)

 

 

よって、点 \(\mathrm{P}\) が描く図形は線分 \(\mathrm{A’B’}\)

 

答え:

 

練習問題②「s + t の不等式と点の存在範囲」

練習問題②

\(\mathrm{O}\) を原点、\(\mathrm{A}(2, 1)\), \(\mathrm{B}(1, 2)\)、\(\overrightarrow{\mathrm{OP}} = s\overrightarrow{\mathrm{OA}} + t\overrightarrow{\mathrm{OB}}\)(\(s\), \(t\) は実数)とする。

\(s\), \(t\) が次の関係を満たしながら変化するとき、点 \(\mathrm{P}\) の描く図形を図示せよ。

\(1 \leq s + t \leq 2\) , \(s \geq 0\) , \(t \geq 0\)

 

\(s\), \(t\) のどちらにも範囲の幅があるはずなので、このままだと考えにくいですね。

このような場合は、次の考え方で進めていきましょう。

Tips
  1. \(s + t = k\) とおく
  2. まず \(k\) を固定し、\(s\), \(t\) を動かす(点 \(\mathrm{P}\) が動ける図形の範囲を定める)
  3.  \(k\) を動かす(1 の図形が動ける範囲を定める)
解答

 

\(s + t = k\) とすると、

\(\displaystyle \frac{s}{k} + \frac{t}{k} = 1\)

\(1 \leq k \leq 2\)

 

\(k\overrightarrow{\mathrm{OA}} = \overrightarrow{\mathrm{OQ}}\)、\(k\overrightarrow{\mathrm{OB}} = \overrightarrow{\mathrm{OR}}\) とおくと、

\(\begin{align} \overrightarrow{\mathrm{OP}} &= s\overrightarrow{\mathrm{OA}} + t\overrightarrow{\mathrm{OB}} \\ &= \frac{s}{k} \overrightarrow{\mathrm{OQ}} + \frac{t}{k} \overrightarrow{\mathrm{OR}} \end{align}\)

\(\displaystyle \frac{s}{k} + \frac{t}{k} = 1\), \(\displaystyle \frac{s}{k} \geq 0\), \(\displaystyle \frac{t}{k} \geq 0\)

 

よって、点 \(\mathrm{P}\) は線分 \(\mathrm{QR}\) 上を動く。

さらに、\(k\) を \(1 \leq k \leq 2\) の範囲で動かすと、点 \(\mathrm{Q}\) は下図の線分 \(\mathrm{AA’}\) 上を動く。

よって、点 \(\mathrm{P}\) は四角形 \(\mathrm{ABB’A’}\) の周上および内部を動く。

 

答え: 図の赤く塗りつぶした部分(境界線含む)。

 

空間ベクトルの共面条件

最後に、異なる \(4\) つの空間ベクトルの終点が同じ平面上にある条件を紹介します。

同じ平面上にある条件

点 \(\mathrm{P}(\vec{p})\) が、同一直線上にない \(3\) 点 \(\mathrm{A}(\vec{a})\), \(\mathrm{B}(\vec{b})\), \(\mathrm{C}(\vec{c})\) の定める平面上にある

\(\iff \color{red}{\overrightarrow{\mathrm{AP}} = s\overrightarrow{\mathrm{AB}} + t\overrightarrow{\mathrm{AC}}}\) となる実数 \(\color{red}{s, t}\) がある

\(\iff \color{red}{\vec{p} = s\vec{a} + t\vec{b} + u\vec{c}}\) となる実数 \(\color{red}{s, t, u}\) \(\color{red}{s + t + u = 1}\) を満たすものがある

 

考え方としては先ほどの点の存在範囲と同じです。

同じ平面上にさえあればよいので、実数 \(s\), \(t\)(または \(u\))が存在さえすればよく、範囲は絞らなくてよいのですね。

 

練習問題「4 点が同一平面上にあることを利用する」

問題で確認しましょう。

練習問題

\(4\) 点 \(\mathrm{A}(3, 1, 0)\), \(\mathrm{B}(2, 4, 1)\), \(\mathrm{C}(1, 0, −1)\), \(\mathrm{P}(x, 8, 1)\) が同一平面上にあるとき、定数 \(x\) の値を求めよ。

 

異なる \(4\) 点が同じ平面上にある条件から、式を立てましょう。

その前に、\(\mathrm{P}\) 以外の \(3\) 点がちゃんと平面をなしていること(同一直線上にないこと)を確認しておくことに注意です。

解答

 

\(\begin{align} \overrightarrow{\mathrm{AC}} &= (1, 0, −1) − (3, 1, 0) \\ &= (−2, −1, −1) \end{align}\)

\(\begin{align} \overrightarrow{\mathrm{AB}} &= (2, 4, 1) − (3, 1, 0) \\ &= (−1, 3, 1) \end{align}\)

より、\(\overrightarrow{\mathrm{AC}} = k\overrightarrow{\mathrm{AB}}\) を満たす実数 \(k\) は存在しないから、\(3\) 点 \(\mathrm{A}\), \(\mathrm{B}\), \(\mathrm{C}\) は一直線上にない。

 

点 \(\mathrm{P}\) が平面 \(\mathrm{ABC}\) 上にある条件は、

\(\overrightarrow{\mathrm{AP}} = s\overrightarrow{\mathrm{AB}} + t\overrightarrow{\mathrm{AC}}\)

となる実数 \(s\), \(t\) が存在することである。

 

\(\begin{align} \overrightarrow{\mathrm{AP}} &= (x, 8, 1) − (3, 1, 0) \\ &= (x − 3, 7, 1) \end{align}\)

より

\((x − 3, 7, 1) = s(−1, 3, 1) + t(−2, −1, −1)\)

\((x − 3, 7, 1) = (−s − 2t, 3s − t, s − t)\)

よって

\(\left\{\begin{array}{l} x − 3 = −s − 2t \text{…①}\\ 7 = 3s − t \text{…②}\\ 1 = s − t \text{…③}\end{array}\right.\)

 

② − ③より、

\(6 = 2s\)

\(s = 3\)

\(t = s − 1 = 3 − 1 = 2\)

 

①より

\(\begin{align} x &= −s − 2t + 3 \\ &= −3 − 4 + 3 \\ &= −4 \end{align}\)

 

答え: \(\color{red}{x = −4}\)

ここまでで、さまざまなベクトル方程式をご紹介してきました。いかがでしたか?

 

ベクトル方程式は種類も多く、丸暗記しようと思うととても負担になります。

どういう考えでベクトル方程式が立つかを理解し、あとはとにかくたくさんの問題を解いて慣れていきましょう!

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