楕円とは?方程式の書き方、面積・焦点・接線の求め方

この記事では、「楕円」のグラフの形や方程式についてわかりやすく解説していきます。

焦点・接線や面積の求め方なども説明していくので、ぜひこの記事を通してマスターしてくださいね!

 

楕円とは?

楕円とは、\(2\) 定点 \(\mathrm{F}, \mathrm{F’}\) からの距離の和が一定である点 \(\mathrm{P}\) の軌跡です。

このとき、\(2\) 定点 \(\mathrm{F}, \mathrm{F’}\) を「焦点」といいます。

楕円は、円を押しつぶしたような形をしています。

補足

定義の非常に似ている双曲線と間違えないようにしましょう。

「双曲線」については、以下の記事で詳しく説明しています。

双曲線とは?関数のグラフや式、漸近線や焦点、媒介変数表示など

 

楕円の方程式とグラフ

それでは、楕円の方程式を確認しましょう。

楕円の方程式

\(2\) 定点 \(\mathrm{F}\), \(\mathrm{F’}\)(焦点)からの距離の和が一定となる点の軌跡が楕円であり、以下の方程式で表される。

\begin{align}\color{red}{\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1}\end{align}

 

ただし、

  • 横長の楕円(標準形)のとき
    \begin{align}\color{red}{a > b > 0}\end{align}
    中心:原点 \((0, 0)\)
    長軸の長さ:\(2a\)
    短軸の長さ:\(2b\)
    対称性:\(x\) 軸、\(y\) 軸、原点について対称
    焦点:\((\pm c, 0) = (\pm \sqrt{a^2 − b^2}, 0)\)
    焦点からの距離の和:\(2a\)
  • 縦長の楕円(焦点が \(\bf{y}\) 軸上)のとき
    \begin{align}\color{red}{b > a > 0}\end{align}
    中心:原点 \((0, 0)\)
    長軸の長さ:\(2b\)
    短軸の長さ:\(2a\)
    対称性:\(x\) 軸、\(y\) 軸、原点について対称
    焦点:\((0, \pm c) = (0, \pm \sqrt{b^2 − a^2})\)
    焦点からの距離の和:\(2b\)

 

楕円が横長になるか縦長になるかは、\(a\) と \(b\) の大きさによってのみ決まるのですね。

 

\(a > b\) のときは \(x\) 方向、\(b > a\) のときは \(y\) 方向と関連付けておくとよいでしょう。

 

また、\(2\) つの焦点から楕円上の任意の点への距離の和も押さえておきましょう。

補足

楕円の方程式は、焦点からの距離の和の式(点 \(\mathrm{P}\) の軌跡)から導かれています。

 

楕円の接線の方程式

楕円の接線の方程式には、任意の点 \((x_1, y_1)\) が与えられた場合と、傾き \(m\) が与えられた場合の \(2\) 通りの表し方があります。

楕円の接線の方程式

楕円 \(\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1\) の接線の方程式は、以下のように与えられる。

  • 点 \((x_1, y_1)\) における接線の方程式
    \begin{align}\color{red}{\frac{x_1x}{a^2} + \frac{y_1y}{b^2} = 1}\end{align}
  • 傾き \(m\) の接線の方程式
    \begin{align}\color{red}{y = mx \pm \sqrt{a^2m^2 + b^2}}\end{align}

問題に合わせて対応できるように、どちらも把握しておきましょう!

補足

「接線の方程式」については、以下の記事でより詳しく説明しています。

接線、接線の方程式とは?公式や微分による傾きの求め方

 

楕円の媒介変数表示

楕円は媒介変数表示もできます。

三角関数を使った以下の媒介変数表示が有名です。

楕円の媒介変数表示

楕円 \(\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1\) の媒介変数表示は、

\begin{align}\color{red}{\left\{\begin{array}{l}x = a\cos \theta\\y = b\sin \theta \end{array}\right.}\end{align}

媒介変数表示の仕方はいくらでもあり、上記はほんの一例です。

媒介変数表示された曲線の形を答える問題もあるので、柔軟に対応できるようにしておきましょう。

補足

「媒介変数表示」については以下の記事で説明しています。

媒介変数表示とは?グラフや計算(微分積分・ベクトル)

 

楕円の媒介変数表示の証明

楕円の媒介変数表示は、円の媒介変数表示から導けます。

円の媒介変数表示は、単位円でおなじみですね!

証明

 

楕円 \(\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1\) は、半径 \(a\) の円 \(x^2 + y^2 = a^2\) を \(y\) 軸方向に \(\displaystyle \frac{b}{a}\) 倍したものである。

 

よって、円 \(x^2 + y^2 = a^2\) 上の点 \((a\cos\theta, a\sin\theta)\) に対して、\(y\) 軸方向に \(\displaystyle \frac{b}{a}\) 倍した点を \(\mathrm{P}(x, y)\) とすると、

\begin{align}\left\{\begin{array}{l}x = \color{red}{a\cos \theta}\\y = a\sin\theta \times \displaystyle \frac{b}{a} = \color{red}{b\sin \theta} \end{array}\right.\end{align}

 

(証明終わり)

 

楕円の面積の公式

楕円の面積は、非常にシンプルな公式で求められます。

楕円の面積の公式

楕円 \(\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1\) \((a > 0, b > 0)\) の面積 \(S\) は

\begin{align}\color{red}{S = \pi ab}\end{align}

この公式、円の面積の公式「\(S = \pi r^2\)」に似ていますね。

実際に、楕円の面積の公式に \(a = b = r\) を代入すると、円の面積の公式に一致します。

\(a = b = r\) のとき、

\(\displaystyle \frac{x^2}{r^2} + \frac{y^2}{r^2} = 1\)

\(x^2 + y^2 = r^2\) (半径 \(r\) の円)

面積 \(S\) は

\(S = \pi \cdot r \cdot r = \pi r^2\)

補足

ちなみに、楕円の周長を求める公式は円周(円の周長)の公式に比べて非常に複雑なため、問題として聞かれることは少ないです。

また、「曲線の長さの求め方」については以下の記事を参考にしてください。

曲線の長さの求め方!積分公式や証明、問題の解き方

 

楕円の面積の公式は、主に \(2\) 通りの方法で導くことができます。

【証明①】図形の拡大・縮小

\(1\) つ目は、図形の拡大・縮小の考え方を利用します。

ただし、この証明では円の面積の公式が成り立つことが前提です。

証明

 

楕円 \(\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1\) の両辺を \(a^2\) 倍して

\(x^2 + \displaystyle \frac{a^2y^2}{b^2} = a^2\)

\(x^2 + \left(\displaystyle \frac{a}{b}y \right)^2 = a^2\)

これは、半径 \(a\) の円  \(x^2 + y^2 = a^2\) を \(y\) 軸方向に \(\displaystyle \frac{b}{a}\) 倍したものである。

 

図形を縦に \(\displaystyle \frac{b}{a}\) 倍すると、面積も \(\displaystyle \frac{b}{a}\) 倍になるので、楕円の面積 \(S\) は

\(\begin{align}S &= \pi a^2 \times \displaystyle \frac{b}{a} \\&= \color{red}{\pi ab}\end{align}\)

 

(証明終わり)

 

【証明②】積分

\(2\) つ目は、積分で直接面積を求める方法です。

置換積分法を使って計算します。

補足

「置換積分法」について忘れてしまった人は、以下の記事で復習しておきましょう。

置換積分法とは?公式やパターンを見抜くコツ(三角関数・ルートなど)
証明

 

楕円 \(\displaystyle \frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1\) を \(y\) について解くと

\(y = \pm b\sqrt{1 − \displaystyle \frac{x^2}{a^2}}\)

 

楕円は \(x\) 軸、\(y\) 軸について対称であるから、楕円の面積 \(S\) は図の斜線部の \(4\) 倍である。

 

よって、

\(S = \displaystyle 4\int_0^{a}b\sqrt{1 − \frac{x^2}{a^2}} \ dx\)

 

ここで、\(x = a\sin\theta\) とおくと

\(\displaystyle \frac{dx}{d\theta} = a \cos\theta\)

よって \(dx = a \cos\theta \, d\theta\)

\(x\) \(0 \longrightarrow a\)
\(\theta\) \(0 \longrightarrow \displaystyle \frac{\pi}{2}\)

 

\(0 \leq \theta \leq \displaystyle \frac{\pi}{2}\) において、\(\cos\theta \geq 0\) より

\(\begin{align}\displaystyle \sqrt{1 − \frac{x^2}{a^2}} &= \sqrt{1 − \frac{a^2\sin^2\theta}{a^2}} \\&= \sqrt{1 − \sin^2\theta} \\&= \cos\theta\end{align}\)

 

よって

\(\begin{align}S &= \displaystyle 4\int_0^{a}b\sqrt{1 − \frac{x^2}{a^2}}\, dx \\&= 4\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} b\cos\theta \cdot a\cos\theta \, d\theta \\&= 4ab\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \cos^2\theta \, d\theta \\&= 2ab\int_{0}^{\frac{\pi}{2}} (1 + \cos 2\theta) \, d\theta \\&= 2ab \left[ \theta + \frac{1}{2}\sin2\theta \right]_0^{\frac{\pi}{2}} \\&= 2ab \left\{ \left( \frac{\pi}{2} + 0 \right) − (0 + 0) \right\} \\&= \color{red}{\pi ab}\end{align}\)

 

(証明終わり)

 

楕円の練習問題

それでは、楕円の問題を解いてみましょう。

覚えられるまでは公式と照らし合わせながら進めていってくださいね。

練習問題①「楕円のグラフを書く」

練習問題①

楕円 \(\displaystyle \frac{x^2}{12} + \frac{y^2}{4} = 1\) について、以下の問いに答えよ。

(1) 長軸・短軸の長さ、焦点の座標を求めよ。

(2) グラフを書け。

(3) 点 \((−1, 3)\) から楕円に引いた接線の方程式を求めよ。

 

公式と照らし合わせながら、丁寧に答えを求めていきましょう。

解答

 

(1)

\(\displaystyle \frac{x^2}{(2\sqrt{3})^2} + \frac{y^2}{2^2} = 1\) から、

長軸の長さは \(2\sqrt{3} \times 2 = 4\sqrt{3}\)

短軸の長さは \(2 \times 2 = 4\)

 

\(\sqrt{12 − 4} = \sqrt{8} = 2\sqrt{2}\)

焦点の座標は \((2\sqrt{2}, 0)\)、\((−2\sqrt{2}, 0)\)

 

答え:

長軸の長さ \(\color{red}{4\sqrt{3}}\)、短軸の長さ \(\color{red}{4}\)

焦点 \(\color{red}{(2\sqrt{2}, 0)}\)\(\color{red}{(−2\sqrt{2}, 0)}\)

 

 

(2) グラフは以下の通り。

答え:

 

(3)

接点の座標を \((x_1, y_1)\) とおくと、

接線の方程式は

\(\displaystyle \frac{x_1 x}{12} + \frac{y_1 y}{4} = 1\)

すなわち

\(x_1 x + 3y_1 y = 12\) …①

 

これが点 \((−1, 3)\) を通るから

\(−x_1 + 9y_1 = 12\)

よって

\(x_1 = 9y_1 − 12\) …②

 

また、接点は楕円上にあるから

\(x_1^2 + 3y_1^2 = 12\)

②を代入すると

\((9y_1 − 12)^2 + 3y_1^2 = 12\)

\(81y_1^2 − 216y_1 + 144 + 3y_1^2 = 12\)

\(84y_1^2 − 216y_1 + 132 = 0\)

\(7y_1^2 − 18y_1 + 11 = 0\)

因数分解すると

\((y_1 − 1)(7y_1 − 11) = 0\)

よって

\(\displaystyle y_1 = 1, \frac{11}{7}\)

 

②より、

\(y_1 = 1\) のとき \(x_1 = 9 − 12 = −3\)

\(\displaystyle y_1 = \frac{11}{7}\) のとき \(\displaystyle x_1 = \frac{99}{7} − 12 = \frac{15}{7}\)

 

それぞれ①に代入すると、接線の方程式は

\(−3x + 3y = 12\)、\(\displaystyle \frac{15}{7}x + \frac{33}{7}y = 12\)

すなわち

\(x − y = −4\)、\(5x + 11y = 28\)

 

答え: \(\color{red}{x − y = −4}\)\(\color{red}{5x + 11y = 28}\)

 

練習問題②「条件を満たす楕円を求める」

練習問題②

(1) \(2\) 点 \((2, 0)\), \((−2, 0)\) を焦点とし、この \(2\) 点からの距離の和が \(6\) である楕円の方程式を求めよ。

(2) 方程式 \(x^2 + 4y^2 + 4x − 24y + 36 = 0\) はどのような図形を表すか。また、焦点を求めよ。

 

(1) では、楕円上の点を \(\mathrm{P}(x, y)\) と表すとスムーズです。

(2) は標準形になるように式を変形しましょう。平方完成を利用します。

解答

(見切れる場合は横へスクロール)

 

(1)

楕円上の任意の点を \(\mathrm{P}(x, y)\) とおく。

\(\mathrm{F}(2, 0)\), \(\mathrm{F’}(−2, 0)\) とすると、

\(\mathrm{PF} + \mathrm{PF’} = 6\) より

\(\sqrt{(x − 2)^2 + y^2} + \sqrt{(x + 2)^2 + y^2} = 6\)

\(\sqrt{(x − 2)^2 + y^2} = 6 − \sqrt{(x + 2)^2 + y^2}\)

 

両辺を \(2\) 乗して

\((x − 2)^2 + y^2 = 36 − 12\sqrt{(x + 2)^2 + y^2} + (x + 2)^2 + y^2\)

\(x^2 − 4x + 4 + y^2 = 36 − 12\sqrt{(x + 2)^2 + y^2} + x^2 + 4x + 4 + y^2\)

\(−4x = 36 − 12\sqrt{(x + 2)^2 + y^2} + 4x\)

\(12\sqrt{(x + 2)^2 + y^2} = 8x + 36\)

\(3\sqrt{(x + 2)^2 + y^2} = 2x + 9\)

 

さらに両辺を \(2\) 乗して

\(9(x + 2)^2 + 9y^2 = 4x^2 + 36x + 81\)

\(9x^2 + 36x + 36 + 9y^2 = 4x^2 + 36x + 81\)

\(5x^2 + 9y^2 = 45\)

 

よって

\(\displaystyle \frac{x^2}{9} + \frac{y^2}{5} = 1\)

 

答え: \(\color{red}{\displaystyle \frac{x^2}{9} + \frac{y^2}{5} = 1}\)

 

 

(2)

\(x^2 + 4x + 4y^2 − 24y + 36 = 0\)

\((x + 2)^2 − 4 + 4(y − 3)^2 − 36 + 36 = 0\)

\((x + 2)^2 + 4(y − 3)^2 = 4\)

\(\displaystyle \frac{(x + 2)^2}{4} + (y − 3)^2 = 1\)

この図形は、楕円 \(\displaystyle \frac{x^2}{4} + y^2 = 1\) を \(x\) 軸方向に \(−2\)、\(y\) 軸方向に \(3\) だけ平行移動したものである。

 

また、

\(\sqrt{4 − 1} = \sqrt{3}\) より

焦点は \((\sqrt{3} − 2, 3)\)、\((−\sqrt{3} − 2, 3)\)

 

答え:

楕円 \(\color{red}{\displaystyle \frac{x^2}{4} + y^2 = 1}\) \(\color{red}{x}\) 軸方向に \(\color{red}{−2}\)\(\color{red}{y}\) 軸方向に \(\color{red}{3}\) だけ平行移動した図形

焦点 \(\color{red}{(\sqrt{3} − 2, 3)}\)\(\color{red}{(−\sqrt{3} − 2, 3)}\)

 

練習問題③「媒介変数表示が示す曲線を答える」

練習問題③

次の媒介変数表示が示す曲線を答えよ。

(1) \(x = 3\cos\theta + 2\), \(y = 4\sin\theta + 1\)

(2) \(x = \sqrt{2t}\), \(y = \sqrt{1 − t}\)

 

媒介変数を消去できるように式変形してみましょう。

媒介変数が角(\(\theta\) など)のときは、三角関数の性質を利用するとうまくいきます。

解答

 

(1)

\(x = 3\cos\theta + 2\) より

\(\displaystyle \cos\theta = \frac{x − 2}{3}\) …①

\(y = 4\sin\theta + 1\) より

\(\displaystyle \sin\theta = \frac{y − 1}{4}\) …②

 

三角関数の相互関係より

\(\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1\)

①、②を代入して

\(\displaystyle \frac{(x − 2)^2}{9} + \frac{(y − 1)^2}{16} = 1\)

 

答え: 楕円 \(\color{red}{\displaystyle \frac{(x − 2)^2}{9} + \frac{(y − 1)^2}{16} = 1}\)

 

 

(2)

\(x = \sqrt{2t} \geq 0\), \(y = \sqrt{1 − t} \geq 0\) より

両辺を \(2\) 乗して

\(x^2 = 2t\)

\(y^2 = 1 − t\)

よって

\(\displaystyle y^2 = 1 − \frac{x^2}{2}\)

\(\displaystyle \frac{x^2}{2} + y^2 = 1\)

 

したがって、楕円 \(\displaystyle \frac{x^2}{2} + y^2 = 1\) の \(x \geq 0\), \(y \geq 0\) の部分である。

 

答え:

楕円 \(\color{red}{\displaystyle \frac{x^2}{2} + y^2 = 1}\) \(\color{red}{(x \geq 0, y \geq 0)}\)

以上で問題も終わりです!

 

方程式が複雑な楕円ですが、定義や特徴を押さえておけば怖くありません。

他の曲線と合わせて、しっかりと理解してくださいね!

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