接線、接線の方程式とは?公式や微分による傾きの求め方

この記事では、「接線」についてわかりやすく解説します。

接線の方程式を求める公式や、微分と傾きの関係についても説明していきますので、ぜひマスターしてくださいね!

 

接線とは?

接線とは、曲線上のある \(1\) 点で接する直線です。このとき共有する点を「接点」といいます。

接線の定義

曲線上の \(2\) 点 \(\mathrm{A}\), \(\mathrm{B}\) を結ぶ直線があるとき、\(\mathrm{B}\) を限りなく \(\mathrm{A}\) に近づけたときの極限の直線を、この曲線の「点 \(\mathrm{A}\) における接線」といい、\(\mathrm{A}\) を接点という。

「\(1\) 点で接する」ことを計算的に求めるために、「\(2\) 点を限りなく近づける」という極限の考え方を利用します。

なお、接線は曲線上の特定の点(接点)に注目して決まる概念なので、接点以外の場所では曲線と交わることもあります。

 

微分と接線の傾き

曲線上のある点における接線の傾きは、その点における微分係数の値になります。

微分係数と接線の傾き

曲線 \(f(x)\) の \(x = a\) における微分係数 \(f'(a)\) は、点 \(\mathrm{A}(a, f(a))\) における接線の傾きを表す。

\begin{align}\displaystyle f’(a) &= \lim_{h \to 0} \frac{f(a + h) − f(a)}{h} \\&= (\text{点 A における接線の傾き})\end{align}

先ほど確認した接線の定義は、導関数や微分係数の考え方そのままですよね。

補足

「導関数と微分係数」については、以下の記事で説明しています。

導関数と微分係数の違いとは?それぞれの定義・公式・求め方

 

接線と法線の関係

ある接線に対して垂直に交わる直線を「法線」と呼びます。

接線と法線

曲線 \(y = f(x)\) 上の点 \(\mathrm{A}(a, f(a))\) を通り、点 \(\mathrm{A}\) における接線に垂直な直線をこの曲線の「点 \(\mathrm{A}\) における法線」という。

接線と法線は対で覚えておきましょう!

補足

「法線」については以下の記事でより詳しく説明しています。

法線、法線ベクトルとは?方程式、2 直線のなす角の求め方

 

接線の方程式【公式】

ここでは、接線の方程式を求める公式について説明します。

一般に、傾きと通る \(1\) 点がわかっている直線の方程式は以下の公式で求められましたね。

直線の方程式

傾き \(m\) で、点 \((x_1, y_1)\) を通る直線の方程式は

\begin{align}y − y_1 = m(x − x_1)\end{align}

\((\text{接線の傾き}) = (\text{微分係数})\) であることと、上記の直線の公式さえ押さえていれば、曲線がどんな表示形式で表されていても接線の方程式は簡単に求められます!

 

曲線 y = f(x) の接線の方程式

一般に、関数 \(y = f(x)\) で与えられる曲線上の接線の方程式は以下の公式で求められます。

接線の方程式(陽関数表示)

曲線 \(y = f(x)\) 上の点 \(\mathrm{A}(a, f(a))\) における接線の方程式は

\begin{align}\color{red}{y − f(a) = f’(a)(x − a)}\end{align}

補足

\(y = f(x)\) という表示形式は、「陰関数表示 \(F(x, y) = 0\)」に対して「陽関数表示」と呼ばれます。

 

陰関数・媒介変数表示された曲線の接線の方程式

ある曲線が陰関数表示または媒介変数表示されている場合でも、接線の方程式は同様に求められます。

接線の方程式(陰関数表示・媒介変数表示)

曲線の方程式が、\(F(x, y) = 0\) や \(t\) を媒介変数として \(x = f(t)\), \(y = g(t)\) で表されるとき、曲線上の点 \((x_1, y_1)\) における接線の方程式は

\begin{align}\color{red}{y − y_1 = m(x − x_1)}\end{align}

ただし、\(m\) は導関数 \(\displaystyle \frac{dy}{dx}\) に \(x = x_1\), \(y = y_1\) を代入して得られる値である。

導関数を求めるときに、陰関数の微分や媒介変数表示における微分の知識が必要になります。

補足

「陰関数」「媒介変数表示」の微分については、それぞれ以下の記事で説明しています。

陰関数とは?意味や陽関数との違い、微分のやり方、グラフ 媒介変数表示とは?グラフや計算(微分積分・ベクトル)

 

接線の方程式の求め方【例題】

ここでは、接線の方程式の求め方を問題のパターン別に解説していきます。

接点の座標が与えられている場合

まずは、接点の座標が与えられている場合です。

例題①

曲線 \(y = x^3 – 2x + 1\) 上の点 \((2, 5)\) における接線の方程式を求めよ。



導関数に \(x\) 座標を代入すると接線の傾き(微分係数)がわかります。

あとは、接線の方程式の公式に代入するだけです。

解答

 

\(f(x) = x^3 – 2x + 1\) とすると

\(f’(x) = 3x^2 − 2\)

\(f’(2) = 10\)

より、点 \((2, 5)\) における接線の傾きは \(10\)

 

よって求める接線の方程式は

\(y − 5 = 10(x − 2)\)

\(y = 10x − 15\)

 

答え: \(\color{red}{y = 10x − 15}\)

 

接線の傾きが与えられている場合

続いて、接線の傾きが与えられている場合です。

例題②

曲線 \(y = x + \sqrt{x}\) に接し、傾きが \(\displaystyle \frac{3}{2}\) である直線の方程式を求めよ。



接点の座標を文字でおき、接線の方程式を作ります

傾きが \(\displaystyle \frac{3}{2}\) に等しいことを利用して、接点の座標を求めましょう。

解答

 

\(\displaystyle f(x) = x + \sqrt{x} = x + x^{\frac{1}{2}}\) より

\(f’(x) = 1 + \displaystyle \frac{1}{2}x^{−\frac{1}{2}} = 1 + \frac{1}{2\sqrt{x}}\)

 

点 \((a, f(a))\) における接線の方程式は

\(y − f(a) = \left(1 + \displaystyle \frac{1}{2\sqrt{a}}\right)(x − a)\)

 

この直線の傾きが \(\displaystyle \frac{3}{2}\) であるとき、

\(1 + \displaystyle \frac{1}{2\sqrt{a}} = \displaystyle \frac{3}{2}\)

\(\displaystyle \frac{1}{2\sqrt{a}} = \displaystyle \frac{1}{2}\)

\(\sqrt{a} = 1\)

\(a = 1\)

接点は \((a, f(a)) = (1, 2)\)

 

よって求める接線の方程式は

\(y − 2 = \displaystyle \frac{3}{2}(x − 1)\)

\(y = \displaystyle \frac{3}{2}x + \frac{1}{2}\)

 

答え: \(\color{red}{y = \displaystyle \frac{3}{2}x + \frac{1}{2}}\)

 

曲線外の点から接線を引く場合

最後は、曲線外の点から接線を引く場合です。

例題③

曲線 \(y = \displaystyle \frac{1}{x} + 1\) に点 \(\mathrm{P}(1, −2)\) から引いた接線の方程式と、そのときの接点の座標を求めよ。



この場合も、ひとまず接点の座標を文字でおいて接線の方程式を作ります

この直線が点 \(\mathrm{P}(1, −2)\) を通ることから、接点の座標および傾きを求められます。

解答

 

\(y = \displaystyle \frac{1}{x} + 1 = x^{−1} + 1\) より

\(y’ = −1 \cdot x^{−2} = −\displaystyle \frac{1}{x^2}\)

 

曲線上の点 \(\left(a, \displaystyle \frac{1}{a} + 1\right)\) における接線の方程式は

\(y − \left(\displaystyle \frac{1}{a} + 1\right) = −\displaystyle \frac{1}{a^2}(x − a)\)

すなわち

\(y = −\displaystyle \frac{1}{a^2}x + \frac{2}{a} + 1\)

 

この直線が \(\mathrm{P}(1, −2)\) を通るとき

\(−2 = −\displaystyle \frac{1}{a^2} + \frac{2}{a} + 1\)

\(\displaystyle \frac{1}{a^2} − \frac{2}{a} − 3 = 0\)

 

両辺に \(a^2\) をかけて

\(1 − 2a − 3a^2 = 0\)

\(3a^2 + 2a − 1 = 0\)

\((3a − 1)(a + 1) = 0\)

\(a = \displaystyle \frac{1}{3}, −1\)

 

よって求める接線の方程式および接点は

\(y = −9x + 7\)、\(\left(\displaystyle \frac{1}{3}, 4\right)\)

\(y = −x − 1\)、\((−1, 0)\)

 

答え:

\(\color{red}{y = −9x + 7}\)\(\color{red}{\left(\displaystyle \frac{1}{3}, 4\right)}\)

\(\color{red}{y = −x − 1}\)\(\color{red}{(−1, 0)}\)

 

接線の応用問題

最後に、接線の応用問題に挑戦しましょう!

応用問題①「双曲線の接線を求める」

応用問題①

双曲線 \(x^2 − y^2 = a^2\) \((a > 0)\) 上の点 \(\mathrm{P}(x_1, y_1)\) における接線の方程式を求めよ。

 

双曲線の方程式は陰関数表示されていますね。

陰関数の微分で導関数 \(y’\) を求め、接線の方程式を得ましょう。

解答

 

\(x^2 − y^2 = a^2\) の両辺を \(x\) について微分すると

\(2x − 2yy’ = 0\)

よって \(y \neq 0\) のとき \(y’ = \displaystyle \frac{x}{y}\)

 

点 \(\mathrm{P}(x_1, y_1)\) における接線の方程式は、\(y_1 \neq 0\) のとき

\(y − y_1 = \displaystyle \frac{x_1}{y_1}(x − x_1)\)

すなわち

\(y_1y − y_1^2 = x_1x − x_1^2\)

\(x_1x − y_1y = x_1^2 − y_1^2\)

 

点 \(\mathrm{P}\) は双曲線上の点であるから

\(x_1^2 − y_1^2 = a^2\)

 

\(y_1 \neq 0\) のとき、接線の方程式は \(x_1x − y_1y = a^2\) …①

 

\(y_1 = 0\) のとき、\(x_1 = \pm a\) であり、接線の方程式は \(x = \pm a\)

これは①で \(x_1 = \pm a\), \(y_1 = 0\) とおくと得られる。

 

したがって、求める接線の方程式は \(x_1x − y_1y = a^2\)

 

答え: \(\color{red}{x_1x − y_1y = a^2}\)

補足

「双曲線」については以下の記事で説明しています。

双曲線とは?関数のグラフや式、漸近線や焦点、媒介変数表示など

 

応用問題②「楕円(媒介変数表示)の接線を求める」

応用問題②

楕円 \(x = 3\cos \theta\), \(y = 2\sin \theta\) の \(\theta = \displaystyle \frac{\pi}{6}\) に対応する点 \(\mathrm{Q}\) における接線の方程式を求めよ。

 

楕円が媒介変数表示されています。

媒介変数の場合は \(\displaystyle \frac{dx}{d\theta}\), \(\displaystyle \frac{dy}{d\theta}\) を個別に求め、それらの商を計算すると導関数が得られます。

解答

 

\(\displaystyle \frac{dx}{d\theta} = −3\sin \theta\)、\(\displaystyle \frac{dy}{d\theta} = 2\cos \theta\)

よって \(\sin \theta \neq 0\) のとき \(\displaystyle \frac{dy}{dx} = − \displaystyle \frac{2\cos \theta}{3\sin \theta}\)

 

\(\theta = \displaystyle \frac{\pi}{6}\) とすると

\(\mathrm{Q}\left(\displaystyle \frac{3\sqrt{3}}{2}, 1\right)\)、\(\displaystyle \frac{dy}{dx} = −\displaystyle \frac{2\sqrt{3}}{3}\)

 

したがって、求める接線の方程式は

\(\displaystyle y − 1 = −\frac{2\sqrt{3}}{3}\left(x − \frac{3\sqrt{3}}{2}\right)\)

すなわち

\(y = \displaystyle \frac{2\sqrt{3}}{3}x + 4\)

 

答え: \(\color{red}{y = \displaystyle \frac{2\sqrt{3}}{3}x + 4}\)

補足

「楕円」については以下の記事で説明しています。

楕円とは?方程式の書き方、面積・焦点・接線の求め方

 

応用問題③「2 曲線の共通接線を求める」

応用問題③

曲線 \(y = \log x\) 上の点 \((1, 0)\) における接線が曲線 \(y = ae^x\) の接線でもあるとき、定数 \(a\) の値を求めよ。

 

それぞれの接線の方程式を表し、それらが一致するという条件式から定数の値を求めましょう。

解答

 

\(y = \log x\) より \(y’ = \displaystyle \frac{1}{x}\)

\(y = ae^x\) より \(y’ = ae^x\)

 

曲線 \(y = \log x\) 上の点 \((1, 0)\) における接線の方程式は

\(y − 0 = 1(x − 1)\)

すなわち \(y = x − 1\) …①

 

また、曲線 \(y = ae^x\) 上の点 \((t, ae^t)\) の接線の方程式は

\(y − ae^t = ae^t(x − t)\)

すなわち \(y = ae^tx + ae^t(1 − t)\) …②

 

\(2\) 直線①、②が一致するための条件は

\(ae^t = 1\), \(ae^t(1 − t) = −1\)

\(1 − t = −1\)

\(t = 2\)

 

\(t = 2\) のとき、\(ae^2 = 1\) より

\(a = \displaystyle \frac{1}{e^2}\)

 

答え: \(\color{red}{a = \displaystyle \frac{1}{e^2}}\)

以上で接線の解説は終わりです!

 

接線の問題は、微分への理解を問うために大学入試でもよく出題されます。

この機会にぜひマスターしてくださいね!

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